見出し画像

世界一羨ましく、恨めしい奴

先日は、兄の誕生日でした。

私の兄は7個と結構離れていまして、
もう家を出てからかなり年月も経ち、
もう何年も言葉を交わしていないほどの距離感です。

兄はまさに常軌を逸した人で、
本当に私の兄弟なのか??と疑ってしまう(今もなお疑っている)存在です。

学生時代では常に問題児だったみたいで
母は何度も校長先生に頭を下げてきたそう。

兄が高校生の頃は、午後に私が学校から帰ってきた頃に家を出て行ってました。

苦手な勉強はあまりせず、
好きなバスケだけをしに行って、好きなポスターを部屋中に貼り、好きな音楽をでっかいスピーカーで流してた兄。

そんな兄を私は反面教師として生きてきました。

私は、
学校で問題を起こしたことはないし、
なんなら先生に褒められるぐらい“いい子”で生きてきました。
三者面談で母が褒められると
私は兄がしてあげられなかったことをやってやったぞ!と思ってました。

勉強だってそれなりにしてきたし、大学受験だってした。今のところ留年だってしないと思うし、就活だってしている。
何日も連絡をしないで家に帰らないなんてことはしていないし、お酒やタバコも。

なのに、何一つ兄に勝っていない気がする。

いつも周りに人が集まるのは兄で、
親戚が集まって話題になるのは兄で、
家にいることが羨ましがられるのは兄で、
両親が笑うネタはいつも兄だったので。

別に両親が私より兄を愛してるとか
そんなことじゃないんです。


昔、60歳のおじいちゃんが
「将来の夢は歌手になることです。」
と話すCMがあり、
幼い私はそれを見た時
「60歳でなれるわけないやん!」と言ってしまい、兄に大泣きするほど怒られたことがあります。

鏡の前で並んで歯磨きをしているときに、
「お前、俺より先に死ぬなよ。」
と言ってきたこともあり、
「なんなんだこいつ...明日にでも死ぬのか??」
と思ったのを今でも覚えてます。笑

どこか変で、まともじゃないし、普通じゃないけど、
それがどこか羨ましかったし、そうなれない自分が悔しかったです。

兄を見ていると、
人から愛されるのは、人としての温かみを持ち合わせている人なんだろうな、と思います。

そんな部分を妹の私は何故か持っていないんですよね。喉から手が出るほど欲しいのに。

兄の真っ直ぐさが
私をひん曲げたような気がして
小さい頃はそれが許せなかったし、

あの人が兄だということで
辛かったことが山ほどあったし、
大嫌いだと何度も思っていました。

けど、それでも隠しきれない憧れはあったんだと思います。


好きなことに真っ直ぐで、誰にとっても優しくて、面白くて

人間ってほんとそれだけで十分なんですよね。
いや、これらを芯から持っているのは珍しいのかな。

全てが自分と正反対な兄を、今までずっと
羨ましく恨めしく思っていました。

いや、今も思っています。

でも、“普通じゃない”ことに憧れる私と同じように、
兄は“普通でいる”ことに憧れてたのかもしれません。


大学生になっても
ABCが全部言えなかったり、
中学生でも読める漢字が読めなかったり、
やりたいことリストに“海賊王になる”と書いていたり、
私が何かできると“すごいな!賢いな!”と褒めてくれたり、


そんな常軌を逸していた兄は、
今は社会人で頑張ってるみたいです。
周りより社会人デビューは遅かったものの、なんだかんだしっかりと生きていて、やっぱ凄いな。

私の今の部屋、
昔は兄の部屋だったところで、
壁に画鋲の穴がめちゃくちゃ空いてるんですよね。やめてほしいですほんとこーゆーの。
私は兄みたいに好きなポスターを貼ったりできないから。
なんてかっこわるい壁なんだ。と
嬉しくなりながらこのnoteを書いてます。

この部屋で座っていられないほど笑い転げてゲームしたことも、
色々あって、明け方まで私を楽しませようとしてくれたことも、
他にもいっぱい思い出はたくさんあって、
寝室にある押し入れの中は、
あの時の私にとって魔法が使える居場所だったんですよね。
そんな場所も時間も全て兄が作ってくれていました。

こんな長々書いてますけど
兄のこと、そんな大好き!みたいな感じゃないです。ほんとに。笑

でも、とっても尊敬しています。
兄の自由さにこれからも苦しめられるかもしれないけど、
憧れる気持ちは死ぬまで無くならないかも、
無くなってほしくないし、
そういう人間でいて欲しい。

私も少しでも近づけたらいいな、
と思います。

思い出って美化されますね。
でもまぁいいか。
それほど私が大人になったということでもあるかもしれないし。

長々すみません。ただの普通の兄弟話です。

お誕生日おめでとう〜!

#日記 #大学生#兄弟#家族#就活

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?