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生理から逃れたいノンバイナリーが、ミレーナ入れて生きやすくなろうと挑戦する記録①~ミレーナ入れるの痛い?~

こんにちは、藍住くおんです。
このnoteは、生理から逃れたいノンバイナリーが、ミレーナを入れ生きやすくなろうと挑戦する記録です。

これから①~③までの3つに分けて書いていきますね。

①ミレーナ入れるの痛い? ←今日はここ
②ミレーナ挿入当日までの話
③ミレーナ挿入翌日から1か月目検診の話

個人の経験や記録は、またどこかでお伝えするかもしれません。

それでは、さっそくはじめます。


あ、生理のことよくわからないけど知りたいとか、
パートナーがピル飲んでいるとか、
LGBTでセクシャルマイノリティで生理があるってどんな感じなんだろうとか、

そういう方も、ちょっとした興味本位で構わないです、
ぜひぜひ目を通してみてくださいね。


「ミレーナ」という単語を、聞いたことあるかい

この質問をした生理になる方の7割は知っていて、
それ以外の人は知らないようです。(くおん調べ)

それ以外の人でも「ピル」は聞いたことがあるようで、ざっくりと
「ピルの中に入っているのに似た成分を子宮に入れたら5年持つ」というと、
「すげー!」と言ってくれます。

「日本で50番目くらいに詳しい男性になれるよ、産婦人科医以外で」などと適当に話しながら、ちっちゃーく普及活動をしています。

(ピルは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が入っていて、
ミレーナは黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出するので、
正確ではないけれど、興味を持ってもらうための説明と思ってくださると助かります)


そもそもミレーナとは

ミレーナ52mgは、黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する子宮内システム(IUS: Intrauterine System)です。低用量経口避妊薬(OC)の避妊効果と、子宮内避妊用具(IUD)の長期の避妊が可能であるという特徴を持っています。また、過多月経+月経困難症の治療薬として国内外のガイドラインですすめられています。現在では世界約130カ国で、延べ約3,900万人の女性が使用していますー子宮内黄体ホルモン放出システム ミレーナ®52mg


なんのこっちゃ?かもしれませんね。ざっくり言うと、子宮にこういうの

スクリーンショット 2022-08-07 142712

を入れて、そこから5年間少しずつホルモン剤を出させることで避妊効果がある、なんともすごいヤツです。


おそらく一番気になる「痛いのか」の話を少々


「痛いのか痛くないのか」


ミレーナを知っている方が一番気になる部分ですよね。
ネット上だと部分麻酔や全身麻酔というウワサが聞こえてきたりもしますし、
痛みの感じ方はそれぞれなので、ほとんど痛みを感じない人もいるとは思いますけれど、

私は「痛い」と感じました。何のひねりもないです。
けれど、麻酔はかけなくても大丈夫と思いました。
(詳しくは②ミレーナ挿入当日までの話に続く)

けれど、この痛みは厄介で、私の痛みがそのままあなたに伝えられないのですよね。

ちょっと工夫します。痛みはじめ誰かに何かを伝えるときのコツでもありますが、
「数字と数直線にしてみる」というワザ。

数直線1


ちょこっと想像してみてくださいね。
私が今まで生きてきた中で感じた痛みを「1からの10段階の数直線」で表現するとします。

今回のミレーナ挿入で感じた痛みは、5~6です。

数直線2


ちょっと、伝わりましたか?

まあ…痛みというか、異物感がすごかったです。この感じ方はその方の経験値によるかもしれないです。


どこで知ったの?

まったく関係ないことを調べていたWEB上でした。

何か引っかかり調べると、ピルの効果が長く続くようなイメージで、
装着された方が「生きやすくなった」と満足されていて、そこからさらに興味を持ちました。


私は自分を「ノンバイナリー」だと認識しています。
急にLGBT界隈でもメジャーでない単語を出してみました。

ノンバイナリーとは、ざっと申し上げますと「男」「女」の2軸で自分を考えない人のこと。

大きな枠ではトランスジェンダーに含まれるようですが、詳しいことは自分でも今のところはよくわかっていません。
(LGBT界隈はどんどん新しい言葉ができているので、今は積極的に追いかけていないという言い訳をしておきます)

興味がある方は私の自分認識について書きましたnoteをお読みくださいね。


なんで入れたの?

さてさて、ノンバイナリーの私がミレーナを入れようと考えた理由は大きく3つでした。

1)生理期間めんどい
2)事故が起きて妊娠したら自分が耐えられないと想像
3)生理痛とPMSで自分のパフォーマンスが下がることが嫌


1)生理期間めんどい
3)生理痛とPMSで自分のパフォーマンスが下がることが嫌

自分を女性と認識をしていなくて、だからといって男性になりたいとは微塵も思ったことはなく、
自分の体はそこそこ好きで、女性の機能を持つことは別によい。

けれど、生理という毎月起こる現象はめんどいなと思っています。

自分がこの人生で経験しないと決めている妊娠のために
毎月体が準備しているのは、体に負担がかかりますし。
(機能として実際妊娠できるかは脇に置いて)

また、PMS(月経前症候群)がうっすら起こることがある。
食べる量が増えたり、ちょっとイラつきやすかったり。

もうすこし、ままならない自分の体をもう少しコントロールできないかと思っていました。
このコントロールについては「2)事故が起きて妊娠したら自分が耐えられないと想像」 にもつながってきます。

ミレーナ装着後の妊娠確率は、驚きの0.2%
コンドームは正しく装着しても2%、低用量ピルが0.3%です。

また、生理の量が大幅減少するのですが、
月経回数が減っていき、およそ20%の方は「生理自体なくなる」

「すごっ!!!」

と、そこまでの情報を知らなくて、ウィメンズクリニックの診察当日に冊子を読んで思わず口にしました(迷惑)

すこし横道それますが、今の日本で国際情勢を考えても戦争が起こるとは考えにくいですが、
戦争時においてレイプは兵器のひとつと言われます。人権を、精神を、崩壊させる手段です。

これは災害時でも同じことで、震災後の性被害はその時点では公にはなりませんが、あるのです。

その時にも、自分の体をコントロールできていないとは、私にとって恐怖しかない。( 注意:相手を受け入れることとは全く別問題

このような最悪なことが起こっても自分を守るために、
私はミレーナ挿入をしました。

実はコスパよくね?


1)生理期間めんどい
2)事故が起きて妊娠したら自分が耐えられないと想像
3)生理痛とPMSで自分のパフォーマンスが下がることが嫌


そんなわけで、上記1~3踏まえたうえで全体を考えると
「実はコスパよくね?」と思うようになりました。

ミレーナは症状によっては医療保険対応してる場合もありますが、
私はおそらく対応しないだろうと考えていました。(決定するのは医師ですが)

そうなると自由診療範囲。料金は全額ですとざっと6~9万円の幅
(ちょっと調べた数件のクリニック くおん調べ)

自分の生理に8万円…

ちょっとびびりますよね。
けれどこう考えてみるのはどうでしょうか。

ピルを飲むと、1回2千円から3千円かかると聞きます。
中間2500円として1年で3万円5年で15万円(!?)

15万円を1825日(5年×365日)で割ると、1日82円。
8万円を1825日で割ると、43円。

毎月の生理用品の購入/使用
場合によっては生理用ナプキンやショーツを洗ったりの手間や、

毎度ピルをもらうために通院や手続き、PMSが起こること等を考えると、
あれ、これなんかコスパよい気がする…!

と閃いたわけなのでした。


妊娠したい人はどうするの?


私は子供が欲しいとまったく思わない人なのでこの点は考えませんでしたが、ミレーナを取り除けば妊娠可能となるそうです。
これはざっくりとピルと同じ感じなのかなって思います。(詳しいことは産婦人科医に聞いてみてね)

また私は30代後半でして、未来の更年期を迎えることや個人的好奇心を考えると、
ミレーナ挿入はラスト1~2回のチャンスかも、と思ったのも理由のひとつでした。


今の病院を選んだ理由

私の場合、A~Cを考えました。(優先順位高い順)

A 未経産でも入れてもらえる
B 仕事帰りに寄れる
C 検査等含めて料金が高すぎない


ミレーナは基本的に、経産、つまり子供を産んだことがある方が入れるもの。
確かにネットで経験者のブログを見ましたが、未経産者は断られることもあるようす。

また、ミレーナを入れたあと検診があるので、「B 仕事帰りに寄れること」は結構重要だなと思いました。
なにか予期せぬことが起こる可能性もありますしね。

そこで、Bの範囲で検索+Aが受け入れてもらえるところをピックアップして良さそうなところをメモ。

とはいえ、調べた時点ではまだ「やるぞ」と決めたところで、具体的に「いつ」とは決めていませんでした。
この時点で、ミレーナの単語名を知ってからおよそ1年が経っていました。


なんですぐいれなかったのか

そうですね…コスパよいと思っても、一気に数万円を払うことに躊躇する気持ちがあったことは否めません。

その間に実生活ではかなりの変化があり、新たな業界での仕事をはじめたことでストレスからか生理周期が長くなって、周期が読めなくなったこともありました。

ただ、だからこそ「やっぱりミレーナ入れよう」とも思えた、と言えます。

体を全体によくすることですこし落ち着いていた生理痛が復活し(薬は飲まず過ごしたが)、
またすこしPMSかなと感じることがあり、煩わしいなと思っていました。

自分の体のことを普段から知っておき記録することは、産婦人科の先生による診断にも影響してくるので、
ミレーナ挿入は脇に置き、自分の体の変化や周期はメモしておくとのちに役立つのでお勧めですよ。


最後に:

最後にまとめると、ミレーナ挿入はそこそこ痛い
けれど、伴うデメリットがあっても、メリットが半端なく素晴らしい、と言えます。

また、自分がどうしたいのか、何をしたいのかを明確にしておくことが意外と大事。
私が行ったクリニックでは、私が「やってくれ」という意識を明確にしていたので、話が早く進みました。

こちらにも書いていますが、
医師や治療に関わってくださる方とのネゴシエーションが大事だと思います。

自分がどうしたいのか、そのために私はこういうことを望んでいるので、そこに関わってほしい。
これらを「相手に伝わるように」、伝える。

その存在に、ラブレターを伝える感じですよね。イメージできますか?ちがうか笑


そんなわけで。私にはミレーナ良さそう!



お読みくださりありがとうございました。


生理から逃れたいノンバイナリーが、ミレーナを入れて生きやすくなろうと挑戦する記録の、
第二弾、第三弾では、実際の挿入時の様子や、何がどう痛いのか、その後の副作用などの、
実際にミレーナを入れてみた体験談を少しお話していきますね。

生理から逃れたいノンバイナリーが、ミレーナを入れて生きやすくなろうと挑戦する記録

①ミレーナ入れるの痛いの?
②ミレーナ挿入当日までの話
③ミレーナ挿入翌日から1か月目検診の話