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“定義しすぎない”のがquodらしさ。【白樺湖レイクリゾート座談会 / 飯塚×柴田×宮本】

quod Journal

quod(クオド)が長野で取り組んでいる「白樺湖レイクリゾートプロジェクト」。今年7月には茅野市と立科町が合同で「レイクリゾート構想」を発表するなど、行政も巻き込んだムーブメントとしてさらなる盛り上がりを見せています。メインメンバーである飯塚・柴田・宮本が“今思うこと”を語り合いながら、プロジェクトの向かう先について考えてみました。
 
<メンバー紹介>
飯塚 洋史:地元事業者や行政との折衝、地域・観光計画の立案・推進、資金調達などを担当。
柴田 菜々:PRやイベント企画など、コミュニケーション全般を担当。
宮本 倫瑠:地元webサイトの制作やプレスツアーのコーディネートなどのPR業務を担当。
 
▼プロジェクト発足の経緯などはこちら
https://note.com/quod/n/nfdd58eaf2904
 
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白樺湖の未来を守るための決断
相手の気持ちになることがPRの本質
一つ外側の白樺湖ファンを増やしていく
時代に合った地域の価値を提案する
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白樺湖の未来を守るための決断


 
−まず一つのトピックスとして、今年は「湖畔の時間」の開催を見送ることになりましたが、どんな経緯があったのでしょうか?
 
柴田:2020年2021年とこれまで2回開催してきて、2年目はコンテンツも増やすことができましたし、ちょっとずつだけど、みなさんが楽しんでくださるお祭りにできてきたかな?という実感はありました。今年の開催に関してもたくさんお問い合わせをいただいたんですけど、すごく嬉しい反面、危機感も感じてしまって。
 
飯塚:イベントの期待値と、地域の現状が乖離してきちゃう可能性があると思ったんだよね。
 
柴田:地域の現状というのは、景観として廃屋が多く残っていたり、レイクリゾートを楽しむためのアクティビティやコンテンツがまだ十分でなかったり、一番大きいのは、飲食店が少ないこと。イベント兼観光という観点で考えると、当日だけでなく、その前後の時間も楽しめる環境が求められますよね。「湖畔の時間」はイベントを開催すること自体が目的ではなく、白樺湖を好きになってもらうことが目的なので、イベントだけが成長して、お客さんの期待値と白樺湖の今にズレが生じてしまうと、本来の“等身大のコミュニケーション”という目的からも離れてしまう。せっかく楽しみに来てくださる方々に申し訳ないですし、それで白樺湖の印象が決まってしまうのもすごくもったいないと思います。考え抜いた結果、今年は開催しないという決断をしました。
 
 

「湖畔の時間 2021」にて


 
−とはいえ、すごく大胆な決断ですよね。
 
柴田:それができるのがquodらしいところかなと思います。すごくワクワクする計画をたくさんの人と一緒に進めているプロジェクトだからこそ、この地域に素敵な未来が待っているという確信があるし、“白樺湖を好きになってもらう”という軸は絶対にぶれてはいけない。そのためには、イベントをやらないという決断も必要なことでした。地元の方々も納得してくださったので、ありがたかったですね。
 
 


 
飯塚:もともとこのプロジェクトは長期的な構想から始まっているので、インフラの面も含めて少しずつ積み上げていかないと本質的な部分が築けないというところは、僕たちだけでなく地元の方々にも共通認識として持っていただいています。そこがまちづくりには重要な要素で、外側へ発信するためには、同時に地域の中の賛同を得て、変化を促す動きもしていかなければなりません。
 
−内と外、両面からのアプローチが必要ということですね。
 
柴田:でもそれって難しいんですよね。内側に入り込みすぎると一方の意見に肩入れしたり、外からの目線がぶれてしまうこともある。その点このプロジェクトは、事業者や行政との折衝は飯塚さん、PRは私とみちるちゃん(宮本)というように、特性に応じて役割分担ができているので、それぞれのパフォーマンスも維持できているんだと思います。仮に私が全部を担当していたら両面からのアプローチはきっとできないと思うし、PRとしてこうしたいという意見を飯塚さんが地元の方々とのコミュニケーションの中でしっかり咀嚼して落とし込んでくれるので、安心して自分の役割に集中できます。
 


相手の気持ちになることがPRの本質


 
−今年は白樺湖観光案内サイト「
白樺湖のこと」も立ち上げましたね。
 
柴田:もともとwebサイト自体はあったんですけど、30年くらい前のサイト仕様だったので、今回リニューアルのご提案をさせてもらいました。今年の3月末にオープンして、みちるちゃんと一緒に地元の方々にインタビューをしたりしながら、制作・運営しています。
 

「白樺湖のこと」topページ

 
宮本:私はまだまだサポートさせていただいているという感じなので、今回、この座談会に入れてもらっていること自体が恐縮なんですけど……。
 
飯塚:いやいや、よく頑張っていると思うよ。取材などで地域の内側に入っていくと、予期せぬ反応に出会うこともあるんですよ。しばなな(柴田)とみちるちゃんは、今まさに感じているんじゃない?
 
宮本:そうですね。webサイトの制作に携わるようになって初めて、地元でお店やペンションを経営されている方々とお話をするようになったのですが、その中ですごく気づきを得た言葉があって、「私たちは静かに暮らしていたいだけなのよ」って言われたんです。ずっとPRに関わってきて、“広く情報を届けること イズ ベスト”という環境が当たり前になっていたので、みんながみんなそうじゃないんだって、改めて気づかされました。それがきっかけで、地元の方々に受け入れてもらうことをまず一番に考えるようになりました。
 
柴田:今言ってくれたことがまさにPRの本質で、メディア視点だけが重要だと思われがちだけど、根っこの部分は何かと何かの架け橋になることだから、そこを突き詰めていくと、どれだけ相手の気持ちになれるかがすごく大事なんですよね。みちるちゃんは色んな人の気持ちを繊細に感じ取って、自然に寄り添うことができる人。まちづくりって、地域の方々との心のやりとりを積み重ねていくことが必要だから、それができるみちるちゃんは、このプロジェクトには欠かせない存在だと思います。
 
宮本:いや、私はまだまだ、お二人についていくのに精一杯です。真面目な話しぶりとか自己開示のタイミングとか、真似したいポイントがありすぎて。ななさん(柴田)も飯塚さんも生まれつき人に好かれるタイプなので、すごく憧れます!
 
飯塚・柴田:(照笑)。
 
宮本:私、初回は人見知りしないんですけど、2回目以降、しっかり関係性を築く段階になると、めちゃくちゃ緊張してしまうんですよ。たぶん本当の意味でのコミュ障なんだと思います(笑)。でも人と話をするのは好きなので、ありのままの自分を知ってもらって、信頼してもらえたらいいなと思っています。
 
飯塚:こういうところもquodの強みだよね。僕たちのような全然個性の違うタイプが集まってチームを組めていることが重要で、同じ場面でもそれぞれ感じることや考えることが違うから、それを共有し合えるのって、まちづくりにとってもすごくいい側面になっていると思う。
 


一つ外側の白樺湖ファンを増やしていく


 
−では「白樺湖のこと」の中身についてですが、どういったコンセプトで進めていったのでしょうか? 
 
柴田:白樺湖の“らしさ”をつくっているのは、そこで日々暮らし、営んでいる“人”だと思っています。「どんどん遊びに来てよ」という人もいれば「静かに暮らしたい」という人もいて、さまざまな価値観を持つ人が集まりながらも、それぞれが自分なりの居心地のよさを見つけられる場所。そんな魅力を打ち出せるサイトにしようということで、インタビュー記事ベースの構成にしました。quodのホームページを手がけたデザイナーさんとディレクターさんに制作をお願いしたのですが、進めていく中で彼らもすっかり白樺湖を好きになってくれました。「とびきりエモいサイトにしよう!」と楽しみながら制作してくださって、私も嬉しかったです。
 
 

 
飯塚:そのお二人もそうだし、「湖畔の時間」をきっかけにデザイナーさんやDJの方が白樺湖を好きになってくれたり、quodが関わることで、僕たちよりさらに外側のクリエイターと白樺湖を結びつけることができるようになってきたのもすごく意味があること。一緒につくり手になることで関係人口を増やすやり方って、本当に面白いと思う。
 
柴田:実際にwebサイトを見た方から「この夏は白樺湖に行こうと決めました」とか、「地元のああいう側面を出してくれてありがとうございます」っていうメッセージをもらったりして、そういう生の声をとても嬉しく感じています。地元の方々から教えてもらったおすすめの自然スポットをマップに表示させたり、白樺湖に行きがてら聴いてほしいプレイリストをつくってみたり、色々と手を加えながら運営しているところです。“観光”というカテゴリーにとらわれないサイトにできたらいいなと思っています。
 

時代に合った地域の価値を提案する


 


−7月には立科町と茅野市が合同で「レイクリゾート構想」を発表しました。この宣言によってどんな変化が生まれると思いますか? 
 
飯塚:このプロジェクトはもともと地元の有志で始めたものですが、茅野市・立科町とも連携しながら、補助金の獲得や地域づくりの計画を一緒に進めてきました。それで今年、温めてきた構想を発表することになり、quodとして記者会見の場などもお手伝いさせていただいたのですが、白樺湖の両サイドの自治体が手を組んだことで、地域全体がさらに大きく動いていくのではないかと期待しています。今後は行政とも協力しながら、湖畔にある建物をシェアオフィスにしたり、地域外のテナント誘致を計画したりと、具体的な取り組みを進めているところです。僕の方はそんな感じだけど、PR的にはどう?
 
宮本:今回の発表に合わせて、私とななさんでプレスツアーのコーディネートを担当しました。特に他の地域の自治体や観光協会の方々に興味を持っていただきたかったので、新聞などのメディアを中心にお招きしました。
 
柴田:PR的な観点でいくと「湖畔の時間」はあくまで局地的なものなので、より長期的な目でこの地域や湖のよさを伝えていくための一歩として、今回のプレスツアーを組んだという面もあります。ゆくゆくは“レイクリゾート”という言葉自体が他の地域でも使われていくような未来を目指していきたいですね。
 
 


 
−コロナ禍での取り組みの中で、試行錯誤する場面も多かったと思います。今後はどんな形で進めていきたいですか?
 
柴田:コロナ禍を経て、観光の在り方がちょっとずつ変わってきているような気がします。時間を“消費する”のではなく、“過ごす”という考え方にシフトしてきているというか。個人的には白樺湖がいわゆる観光地になる必要はないと思っていて、こちらが積極的に見どころを用意するというよりは、ただそこにある湖畔の心地よさに気づいてもらえるような発信をしていきたいなと思っています。また長期的にまちづくりを考えていくためには、“ゴールを定義しすぎない”というのも大事なことだと思います。白樺湖のためにこうあるべきだと決めてしまうのではなく、時代の流れをとらえ続けながら、変化する余白を残しつつ、ゆるやかに世の中に寄り添うプロジェクトにしていきたいし、それは内の視点と外の視点を両面持つquodだからこそできることなんじゃないかなと思います。
 
 


 
宮本:私は愛媛出身なので、地方側の気持ちをわかっているつもりでいたんですけど、甘い考えだったなって今はすごく思います。名刺を出すと「都会から来たのね」って言われることもありますし、そういう壁を、地元の方々と関わっていく中で少しずつ払拭できたらいいなと思います。情報発信の必要性だけではなくて、白樺湖に関わる人みんながどうしたら喜んでくれるかを、より一層考えなきゃなと思っています。
 
飯塚:白樺湖周辺はもともと別荘地でもあるので、地元住民に加えて、この地域によく通う馴染み客の数も多いんです。つまり、この土地の楽しみ方を知っているプロがたくさんいるということ。僕たちもその感覚や熱量を教えてもらいながら、外に広げていくことがquodの役目だと思っています。
 
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今後の展開がますます楽しみな「白樺湖レイクリゾートプロジェクト」。これからも地域の方々との対話を積み重ねながら、湖畔の魅力をたっぷりお届けしていきます。このプロジェクトに興味のある方はquodまでお気軽にお問い合わせください。





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