文系博士の就活2:求職者スペックと就活の方針

それでは就活をした当時のキヌア(執筆者)のスペックを書いていきます。
ちなみに経歴だけで個人特定される可能性がなきにしもあらずですが、知り合いの方は「あ(察し)」だけで心にとどめておいてもらえるとありがたいです。

学歴

国立大学士>国立大修士>海外大博士(予定)
博士号はまだ取得予定なので、研究をしながら就活をしました。

研究分野

人文科学系。虚学であり基礎分野です。つまり研究成果が実益につながるような面は一つもない。
博士後期課程に入るときに「ここまで来たらもうアカデミアしか就職先ないからね…一般企業に就職するという道は閉ざされるからね…」と先生方に言われるような分野です。

年齢

就活時30歳、就職時31歳。新卒としては非常に高齢だと思います。
実際、年齢を理由に会社説明会への参加を断られたこともありますし、募集要項に年齢制限がある場合はたいていひっかかります。
ちなみに博士後期課程に六、七年在籍しているという計算になるのですが(ちょっとぼやかしてみた)、これは私の研究分野では平均より少し長いくらいだと思います(調べたことはないので肌感覚ですが)。私は留学をした関係で途中で研究テーマを微妙に変えているので、それを考えてもちょっと長めだけどまあ許容範囲かなという長さだと思います。

性別

女性。これは結構影響の大きいファクターかなと思っています。
30代未婚女性ということは、(別に予定ないけど)結婚・出産というライフイベントが今後十年以内に発生する可能が高い、つまり長く働く前に育休・産休に入るかもしれないと思われるかもしれないと思っていました。
ちなみにいわゆる美人枠で採用してもらえるような顔面偏差値ではありません。まあ30歳に顔採用とかないかもしれないですけど。

居住地

海外。なので「会社に来てもらって、実際に顔を合わせて面接する」みたいな採用フローの企業はアウト。でもコロナでオンラインの選択肢がとても増えたので、その点は自分にはポジティブに働きました。(それでも時差がありますが。)
ちなみに、「海外で学位とるならそのまま海外で就職しないの?」と聞かれることがありますが、基本的には日本での就職が第一志望でした。コロナ前の世界のように、国間での移動が(比較的)容易・安全・安価であれば、海外就職の選択肢もかなりウェイトを置いて考えたと思います。

人間関係

周りでアカデミア外への就職を目指して就活している人は誰もいない状況だったので、周りから就活情報が入ってくるということは全くありませんでした。でも、周りと比べることがないというのはメンタルヘルスには良かったのかも。
既に社会人歴〇年目の妹にちょっと相談した以外は、友人・知人に相談したことは就活全体を通してありません。コミュ障なので…。
あとアカデミア関連の人には、修士時代の指導教官以外、就活していることは言いませんでした。これは、アカデミアに残ることになったとき、一般企業対象に就活していたというだけでマイナス評価になる可能性があることを考慮してのことです。

その他

海外大所属なので英語はできる。
統計とかプログラミングとか少しはできる(ただし、これを強みにして就活できるほどではない、触ったことがあるという程度です)。
他に売りにできるような資格とかはありません…。
そう言えば髪の毛は染髪したままでした(こげ茶色ですが)。これはポリシーがあったのではなく、黒髪にしたほうがいい(かもしれない)という前提をすっかり忘れていただけです。途中で一回グループ面接があり、一緒に受けた方が黒髪だったのを見て思い出しました。が、染め直したばかりでもったいなかったので茶髪のまま就活を続けました。

一般企業対象に就活をした理由

博士後期課程に進学したときはアカデミアに残るつもりだったので、途中で「アカデミア外もありかも」と思うようになったという心変わりがありました。
アカデミアからどうしても離れたいというわけではなく、大学で研究者として就職する、あるいはポスドクをやるというのも選択肢の中にはありました。ただアカデミアの勤務体系や象牙の塔に本格的に引きこもることに対しては何点か不満があったので、アカデミア外で働く機会があるのならば、そちらの選択肢を優先して考えたいという感じ。
また海外大に進学し、博士号を取得した後に一般企業で働いている人を現地でたくさん見たことで、博士号取得者として社会で働くことの具体的なイメージが湧いてきたというのも影響していると思います。

就活方針

これまでの説明でうっすらお気づきかと思いますが、自分の就職先志望リストの中では、アカデミア内外、日本国内外がかなり入り混じった状態で存在していました。
イメージとしては志望順位度順に「国内一般企業A社>国内一般企業B社>国内大講師>海外一般企業C社>国内外ポスドク」みたいな感じ(イメージですよ)。
ただ現実的に、就活時期の順番はざっくり「国内一般企業>国内研究職>海外一般企業」になります(これに適宜ポスドクへの応募が入ってくる)。なので、まずは国内一般企業対象に就活をしてみて、決まらなかったら、その時点で、なおアカデミア外に固執して就活するか、自分の能力が生きるのはアカデミア内と切り替えてアカデミアに絞って就活するか考えようと思っていました。(そして国内一般企業に内々定しました。)

実際に就活をしてみて振り返ると

自分の経歴は就活市場全体で見るとやはり不利だな、と就活を通して感じました。でも自分のスペックを評価してくれる会社は自分に合っているし、評価してくれない会社は合わないということがはっきり分かるのは便利です。


次回は就活の軸と戦略について書きます。
それでは。


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