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東京大学大学院 情報学環学際情報学府 先端表現情報学コース 合格体験記#3

この記事は東京大学大学院をはじめとした外部大学院の受験を考えている方に自伝的な合格体験レポートを通して雰囲気をお伝えしたいと思い執筆しています。

※この記事は合格体験記#2の続きになっています。先にそちらの方を参照頂ければと思います。

受験準備や試験対策ついては以下の記事でまとめているので是非チェックしてみてください。

直前期対策(~7月20日)

私は重度の夜型なので、昼に起きてご飯を食べるところから1日が始まります。これが日常でした。しかしながら、筆記試験の朝は早く、いわゆる"時差"を直すために一週間前から早起き習慣を始めました

完成されたリズムで生活すると無駄なことを考える余地がないのでお勧めです。ただ、長期間は持たない(当社比)のであくまで自分は詰め込み学習のために生活リズムを変えました。以下で実際の一日のスケジュールを紹介します。

実際の筆記試験の時間は9時半から12時半でしたので、試験会場に行く時間、朝ごはんや早めに家を出ることを考慮して6時半起床のリズムを作ることを決定しました。また、自分は7時間半以上寝ないとやっていけないタイプだったため、11時に入眠したいと考え、10時半には床に就くことを目標にしていました。

6時30分 起床
6時30分~7時30分 朝食を作って食べる、リフレッシュ
7時30分~9時00分 前日の復習や、やりたいと思っていた勉強を済ませる
9時00分~9時30分 休憩・準備
9時30分~12時30分 過去問を一年分解く
12時30分~14時00分 昼休憩
14時00分~17時00分 過去問の復習
17時00分~18時00分 休憩
18時00分~20時00分 夕食・入浴
20時00分~22時30分 午後に終わらなかった部分をやる、認知心理学の教科書を読む

勉強時間は計10時間!らしい...…ですけど実際はそんなにやれませんでした。自分はそこまで強靭な意思や忍耐力はあいにく持ち合わせていなかったので結局8時間くらいに落ち着きましたね...…それでも8時間です。受験オタクさんは足りないとおっしゃるかもしれませんが、体力のない自分にとってはかなり勉強している方なのです。それ相応の覚悟と計画を用意しなかったらこの8時間勉強でさえも遂行できていなかったと思うので、一度計画を立ててみることがおすすめです。

計画を立てるポイントはざっくりと、甘くない、タスクベースな計画を立てることです。計画がずれたら焦ってやってください、そして可塑性のある計画で折り合いをつけるのが大切です。勉強時間は財産です。なぜなら成果が数字として比較的容易に可視化されるからです。よく、勉強は時間じゃないという方がいますが、本質はそうなんですがそんなことを言う前にとりあえず長時間勉強してください。その上で、質を維持することは忘れないでください。その気持ちが大切です。

筆記試験本番(総合文化研究科)

筆記試験の感想については以下の記事で書いています。よければ私の悲痛な叫びをお聞きください。

面接対策

結果発表まで6日しかありませんでした。感触がだいぶ悪かったのでだいぶ病んでいましたが結果発表から最短4日で面接があるので、無心で原稿作成をしていました。この時期は現在所属している研究室の教授や友人、先方の院生に協力を仰いでフィードバックを受けていました

なんと結果は筆記試験合格、正直落ちていると思っていたのでかなり嬉しかったです。筆記試験の攻略法については別の記事で紹介したいと思います。

さて、7月30日に総合文化の面接が終わりました。面接は正直苦手ではなかったので終わった後に客観的に考えると卒なくこなせていたと思います。ただ、最後の質問で志望教員ではない先生から質問があり、自分の研究の基礎となる部分の原著の”作者の名前”を知っているかと聞かれたのですが、名前を聞いてどのような人物なのかぱっと答えることができず、”じゃあ大丈夫です、ありがとうございます”と言われて面接が終わり、しばらく吐きそうでした。まじでやめてください、心臓に悪い。

まあそのせいで落ちるということはないと思っていたんですけど、完全に爪痕を残されました。悔しいですね。

次の試験は、約3週間後の学府の面接でした。この期間、最もメンタルが削られていました。この期間は論文を読み返したり、関連分野の調査を繰り返し、学府の面接で使用するプレゼンスライドを作成していました。

まずですね…自院の入試日程と学府の面接試験の日程が去年の傾向からすると1/2くらいの確率で被るということでこれが8月9日まで確定しない量子状態でした。

結果から言えば学府の面接の次の日に自院の筆記試験ということでセーフでした。全然セーフではないんですけどね。かなり厳しいスケジュールなのは変わりありません。

そして、三週間後に総合文化の最終合格発表がありました。

結果は、不合格でした。

大分堪えましたね。2次試験不合格というのは、面接で落とされたということ。この時、学府の面接は2日後に控えていました。つまり、対策ができるのは、この日を含めてあと2日間のみ。最悪のメンタルをどうにか持ち直す必要がありました。

この日は、長かったですね。覚悟を決めるしかありませんでした。この辺になると見えてくるんですよね、東大に行けない未来がくっきりと。現実が否応なく押し寄せてくるわけです。その時初めて、怖いなって思いました。全落ちどうこうよりも、この半年の努力がかなわず、やりたいことができない来年以降に正直希望が見いだせなかったからです。この時、後期を受ける覚悟を決めました。

ここで、東大にすべてをかける覚悟をして、面接が終わるまで自院の対策をするのを諦めました

そして、面接終了。前の記事でも書きましたが、学府の方の志望教員は、総合文化の方で第二志望教員として書かせていただいた方なので、実は学府の志望教員との面接は2回目でした。

志望教員からは前回の面接の第一志望教員から聞かれ、正直あまりうまくは答えられていなかった部分をもう一度聞いてくださりました。他の先生方からかなり鋭い質問が飛んできたりはしましたが、この三週間自分の研究を見つめなおし、対策したのが生きたのか何とか乗り切ることができました。

試験終了後は自院の筆記試験対策を半日でしましたが、かなり厳しかったですね。変に夜まで過去問を見ていたので当日はかなり集中力が落ちていて、普段解けるような問題も解けませんでした。やはりしっかり寝るというのが一番大事です。寝ましょう前日は絶対に。翌日の面接に関しては問題ありませんでした。東大の面接がかなり厳しかったのでかなり簡単でした。筆記試験のことについてかなり聞かれたので、ああ、結構やらかしたんだなと改めて実感しましたね。

結果発表までの5日間はあまり思い悩まないように毎日予定を入れていました。思い悩む時間がもったいないのでお勧めです。

そして、結果は合格。無事に、やっと、戦いを終えることができました。正直、前の不合格がだいぶ心に刺さっていたので毎日が絶望という感じでした。後期はどうするのか、全部落ちてしまったらこの先どうするべきなのか。やりたいことができない未来が本当に怖かったです。

今回は結果として受かりました。4.5倍、大学院受験の中ではかなり高い倍率でこれを切り抜けられたのは本当に嬉しかったです。しかし、合格は、学府のみ。綱渡りでした。落ちていた時のことを想像すると目も当てられません。努力が報われて本当に良かったです。

終わりに

結論としては、外部の大学院試験は世間で思われているよりつらく、苦しいです。それでも、自分の進路を見つめ直し、前に進む貴重な体験だと思っています。無責任なことを言いますが、もし本当にやりたいことがあるのなら、諦めないでほしいです。私の場合は対策を始めるのが少し遅かったですが、大学院試験はしっかりと熱意をもって時間をかけて対策すれば必ず乗り越えられる壁です。ただ、落ちるときはちゃんと落ちます。でも、その時はその時で考えればいいじゃないですか。一度きりの人生なので後悔し得だと思います。もしこの記事を読んで何か少しでもあなたの心が動いたのなら幸いです。

この経験を通してどうすればもっと良かったのか、どう対策すれば合格できるかについて詳しく書いた記事を執筆しました。受験を考えている方は宜しければ、本記事冒頭のリンクをご参照いただければ幸いです。

あなたの努力が報われることをお祈りしています

えあさん


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