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あとがき ~「古代獣」制作記録㉑ 最終回~

長らく制作を続けてきた創作漫画「古代獣」が完成しました。
制作記録最終回の本記事では、「古代獣」について、物語やキャラクターなどをふりかえって掘り下げていきたいと思います。
長くなりそうなので、目次を作ってみます。

まずは、「古代獣」をお読みください。↓↓↓


①「古代獣」という物語について

 そもそも「古代獣」という物語を考えたのは、前作「猫と少年」を描いていた最中、いつものように目の前の制作物から目を背け、現実逃避で物語を考えていた時でした。


 刀を持って人間同士が戦うシーンを描いていて、ビルが破壊され、爆発が起こる中を駆け抜けるようなスケールの大きな物語が描きたい、という欲求が生まれ、ビルが壊れて爆発が起こるなら「怪獣」だろうという安直な考えのもと、考え出されたのが「古代獣」の原型です。

 

古代獣の制作初期に描いた、イメージイラスト
もともとは普通の怪獣と戦う話でした

 もともとは普通に町で暴れる怪獣を人間が倒す話だったのですが、ちょうどジャンプで「怪獣8号」が人気になり、パクリと思われるのも嫌だし(そんなことを言える分際でもないですが)素直に怪獣を倒すのもありきたりだな~と思って考えたのが「古代獣」です。(ちなみに怪獣8号は大好きです。ありきたりなんて思っていませんよ!念のため) 
 本編の中で「古代獣とは何か」という話は出てきません。本来であれば、古代獣とは何か、どうして街を襲うのかなど、多少の説明を入れた方が良いのでしょう。とにかく勢いのある展開にしたかったので、不必要な説明は省略しました。設定は決まっているのですが、書き始めると長いので、とりあえず古代文明(恐竜の時代)が秘密裏に地球に隠しておいた大昔のロボット、ぐらいに思っていてください。タイトルの古代獣は「寄生獣」みたいだな~と思っています。(寄生獣も大好きです。)
 まあ、古代獣と怪獣と何が違うんだと言われると、そんなに違いはないのですが、気分ですね。続きがあるとしたら、「古代獣」そのものを掘り下げるのもありですね。

②キャラクター達

隊長

1番初めに考えたのは「隊長」です。影の主役。影か? 
ひげ、バンダナ・・・モデルは「ソリッド・スネーク」です。メタルギア大好き。「待たせたな」とかそのまんまです。
 最初は普通に強くて頼れる大人(おっさん)だったのですが、普通じゃ面白くないと思い、古代獣を壊すことを生きがいにしているという、変態性を入れることにしました。人間だれしも、どこかに変態性がある・・・そう考えるとキャラクターも面白いかなと考えました。

新人くん

 2番目に考えたのは「新人くん」です。一応主人公。
 がたがた震えながら古代獣に立ち向かう姿をイメージしました。古代獣の大きさやビームにビビりまくる人です。主人公って本当は熱く立ち向かっていくのが理想なのでしょうね。少年漫画は「明るく、前向き、強い」がテンプレートで一番人気が出るようです。でも怯えながら頑張るキャラって何となく好きなんですよね。彼がいるおかげで、他のキャラが目立てるような気がします。ツッコみキャラ的な立ち位置ですね。
 彼にも実は変態性があります。続きがあるなら掘り下げてみたいです。

副隊長

 次は「副隊長」です。4人のチームを作りたかったので、あとの二人は同時に考えました。
 男ばっかりだとむさ苦しいので女性の隊員です。(本音は女性を描きたかっただけです。)強い女性。寡黙で淡々と仕事をこなすイメージです。言葉遣いや態度もそっけない感じ。
 当初は単純に隊長を厚く信頼する人物でしたが、やっぱり変態性を入れることにして、隊長が好きで執着しているという性格。最後のシーンで隊長に褒められて調子にのった新人くんを、無言で痛めつけるのでしょうね。

ヤマモト

 最後に「ヤマモト」 彼だけ名前があります。まず、全員に名前がないのは、短編に4人も登場人物が出てきてしまったからです。(名前はちゃんと付けた方がいいらしいです。)30ページぐらいの短編に4人も主要人物が出てくると、名前が覚えられないかなと考えました。だから、名前を捨てて役職で呼ぶように試みたのです。彼にも「メカニック」という役職があるのですが、さすがに「メカニックさん」とは呼べないですよね。「ヤマモト」の由来は適当です。
 プリンセス・マリンちゃんのファン。好きを貫く彼の姿勢が大好きです。ほとんど活躍の場はないのに、なぜか作者一押しのキャラです。

古代獣

 忘れてならないのが「古代獣」です。メインの敵は大型の古代獣「スピノ」です。恐竜のスピノサウルスがモデルですが、顔の形とか全然違います。
 私は精密な絵が苦手なので、ガンダムのようなロボットは描けません。目指したのは「天空の城ラピュタ」のロボット兵です。ロボットというより生き物のようなデザインを目指しました。

③制作にあたって

 前作の「猫と少年」では、登場人物の過去を見せたり、事件の背景を登場人物に説明させたりするなど、盛りだくさんの内容で、読者に伝わるかな?と思うところが多くありました。いろいろ詰め込みすぎた結果50ページ以上の枚数になり、さらに完成までに3年かかりました。
 そこで、「古代獣」を制作するにあたって、はじめにルールを設定しました。

1、シンプルな展開にすること。(目標を明確に)
2、余計な説明や細かい設定はできるだけ省略し、短くまとめること。
3、1ページ最大6コマで収めること。

この3つのルールについて自分なりの考えと実践してみた結果を考察してみたいと思います。

1、シンプルな展開にすること。(目標を明確に)


 まずは、シンプルな展開です。目標を明確にして伝わりやすさを心がけました。今回の目標はシンプルに「古代獣を倒す」ということです。さらに弱点の目を狙うということです。それを最初の2ページで伝えるようにしました。

最初の1・2ページ
伝わったでしょうか?
 

2、余計な説明や細かい設定はできるだけ省略し、短くまとめること。 


次に余計なことをできるだけ排除し、テンポよく進めることを重視しました。しかし、テンポを重視しすぎることで、砲撃のリアクションや最後の隊長のバトルシーンをじっくりかけなかったという反省があります。

最後のコマでバトルシーンが終わります。
本当はもっとページを費やして、隊長の圧倒的なバトルを描きたかった・・・
17ページ
このページと次のページの間に余韻を入れたかった
18ページ

 17ページの下の砲撃シーンと18ページの上の古代獣が暴れるシーン。
本当はこの間に、ダメージを受けた古代獣が暴れるシーンをもっと描きたかったのですが、省略しました。果たしてそれが良かったのか、ぜひみなさんの意見を聞きたいと思います。

 

3、1ページ最大6コマで収めること。

 最後は、1ページのコマ数です。シンプルかつ分かりやすい漫画にするために、1ページにごちゃごちゃ詰め込まないことを意識しました。

読みやすさはいかがでしたでしょうか。まだまだ画力不足やコマ割りの下手さで読みにくいところもあったかと思います。ご意見ください。

④終わりに

 あとがきを書き始めると、描きたいことがどんどんあふれて、まとまらなくなってきました。
 「古代獣」の制作は設定やネームなどの準備期間を含めると約8か月で完成しました。前作は50ページを3年という機関だったことを考えると、めっちゃ短いですよね。(仕事しながら、アナログで描くと大変なのです。)
 そんな短い時間で描けたのは、このnoteというツールがあったからだと思います。noteに書くために1ページでも進めようとがんばりました。
 そして忘れてはならないのが、応援してくださった皆様、スキやコメントをくださった皆様の力です。皆様のおかげでモチベーション高く取り組むことができました。これも作業がはかどった要因の大きな一つです。
 ご期待に副えるものになったかはわかりませんが、次の作品作りに生かすために、ぜひコメントで良かった点や課題点を教えていただきたいと思います。どんな意見でも真摯に受け止めます!

 これまで制作記録を読んでくださり、本当にありがとうございました!次回作も頑張ります!

ーーーー次回作は、趣向をガラッと変えて・・・
青春ピュアピュアラブストーリーを描きたいと思っています!笑
15ページぐらいの短いもの!
がんばります!!

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