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【探究学習】こどもの優しさを詰めた「自優菓子」のコンセプト

「大自然と人間の『ドキドキな関係』をつむぐカルビーのシン・サービスを提案せよ!」

こんなお題が出たら、どんなサービスを考えますか?

多治見西高等学校のチーム「水戸近戸・莉愛」は、自分たちのお菓子にまつわる体験から考えを深め、子ども達が自分の好きなお菓子をお弁当のように詰めて親にプレゼントできる「自優菓子」を提案しました。

その内容をお伝えします。

探究学習の祭典「クエストカップ2022全国大会」。全国の中高154校の4098チームの応募があり、審査を通過した261チームが参加しました。今回は企業探究部門「コーポレートアクセス・グループE」でWow!賞を受賞した多治見西高等学校のチーム「水戸近戸・莉愛」が提案した「敵を『幸せ』に変える自優菓子」を紹介します。動画は、こちら(1:43:50ごろから開始)。

お菓子を通じて届けたいもの

『⼤⾃然と⼈間のなドキドキ関係をつむぐシン・サービスを提案せよ』

このミッションを聞いた時、わたしはある⽇を思い出しました。これは⺟と私が喧嘩した時のやりとりです。

母「あなたちょっと部屋汚いじゃない!早く⽚付けなさい!!」

わか「お⺟さんうるさい!後から掃除するって⾔ってるじゃん!!」

母「あんたはいつも後からばっか⾔って!早く片付けなさい!」

わか「うざい!!もう喋りかけないで!!!」

その後、わかさんは何⽇も謝れなかったそうです。

それから数⽇経ったある⽇の話。

わか「じゃがりこだー!!やったー!てか何かメモに書いてある!」

母「この前はいいすぎちゃったわ、部屋を⽚付けてから⾷べなさい。」

わかさんはその後すぐに謝りに⾏ったそうです。わかさんはどんな気持ちだったのでしょうか?

わか「疲れているはずなのに、スーパーに⾏って、私の好きな味の『じゃがりこ』を買ってきてくれたのだと思うと、幸せな気持ちで心があたたかくなったよ。だから、謝りに⾏こうという気持ちになった」

このように、お菓子が心を幸せにしてくれました。このことから私達が届けたいのは、「幸せな心」だとわかりました。

そこで、私たちが考えた企画は「自優(じゆう)菓子」です!

「自分で作るお菓子」

今、「知育菓子」と呼ばれる、子供が自分で作るお菓子が人気です。チームのメンバーも、実際に知育菓⼦を作ってみました。

気になった点は2つ。

「ハサミや⽔を使う場合が多く、⼩さい⼦は安全にできるのか」ということと、「粉が散らかってしまい、かたづけるのが⼤変になりそう」という点です。

親御さんが⾒ていないと作れなさそうだと感じました。

クラシエフーズさんのアンケートでも、お菓⼦作りをする上での「不満」な点で「親が見ていないと作れない」という点に不満がある⽅が60%います。

そこで考えたのは3歳から⼩学校低学年をターゲットにした「⾃分で作る」お菓⼦です。

1.自分ひとりでお菓子を作れる

私たちの考えた「⾃優菓⼦」は、⾃⽴体験を可能にし、誰かに優しさを与えられるという教育効果を期待できるお菓⼦です。

ポイント1。「自優」の「自」!

この商品のポイントは、⾃分⼀⼈でお菓⼦を完成させられる事です。いつもは⼤⼈と⼀緒に作るのに、⾃分だけで作れるなんてドキドキすると思います。

これは私達が簡易的に作った時の画像です。既に出来上がったお菓⼦を少しづつ箱に詰め、「⾃分だけのお菓⼦のお弁当箱」を作るという商品です。

最初は、箱の中にお菓子が入った袋と、色付きの仕切りカップが3種類ほど入っています。

「⾃優菓⼦」の「⾃優」は、フリーダムの「⾃由」とかけていて、「⾃由に作って欲しい」という想いを込めてこの名前にしました。なので、仕切りカップを使いながら、箱にお菓⼦を⾃由に並べてほしいと思います。

基本的に「袋を開ける」「並べる」という簡単な作業なので、汚す量は少なく安全性も⾼いです。

2.子から親へのプレゼント

ポイント2!!

⾃優菓⼦の「優」!

完成した⾃優菓⼦を誰かにあげることも考え、メッセージを書けるよう箱の表⾯に空⽩を⽤意しました。誰かにプレゼントするなら、⾔葉や絵を書いてもいいです。

「お弁当」というと、親から⼦へというイメージです。時には⼦が親へプレゼントしてみるのはどうでしょう。⾃分以外の誰かの事を思って作る「優しさ」を学ぶ機会にもなります。

ですが、ここでも⾃由に!
するかしないかはお客様次第です!

3.野菜のお菓子で栄養不足を補う

しかしお菓子のお弁当というと、少し栄養価が気になりませんか?

成長期に不足しがちな栄養素として、鉄分、カルシウム、ビタミン、食物繊維があげられます。そこで、栄養素を補う食品をみたところ、どれも「野菜」が含まれていました。

でも、小さい子って野菜ニガテじゃない?
このグラフをみて。

グラフからも分かるように、約90%の子が野菜が嫌いなんだよ。

確かにそうだね。でも、理想的な食生活には野菜が欠かせない。だから野菜を好きになってほしい!そこで、この中身を考えました。

ポイント3!!

中⾝には、ドライフルーツ、ドライベジタブルを⼊れたいと思っています。カルビー独⾃のノンフライの新製法『ネオドライ製法』を用いたいです。

加えてカルビーはポテトチップスの原材料にもこだわりを持っていて、独⾃に品種改良したじゃがいもを使⽤しています。その質の徹底は、他の野菜の場合も変わりません。親御さんも、質のいいものを食べさせたいのではないでしょうか?

実現できるなら、私は必ず美味しいものができると信じています。この技術、質の徹底なら、野菜が苦⼿な⼦も⼤⾃然の恵の味を感じ、野菜を好きになってくれると思います。

「好きなものとは関わりたい」。これが⼈間の⼼理です。

より野菜を⾝近に、好きになれば、それを⽣み出す根源である「⼤⾃然」との関わりを紡ぐ⼀歩につながっていきます!好きなものには幸せなドキドキを感じますよね。

また、⻄九州⼤学健康栄養学部の論⽂によると、『味覚以外の感覚や想像⼒が、野菜や果物の摂取量の増加に繋がる』そうです。ここから分かるように、「自優菓子」を使うことで、野菜をただ⾷べるだけではなく、⾃分で思考して詰めるという作業が加わります。

そのため、創造⼒という⾯からアプローチが可能になり、野菜を好きになり、自分から食べる子が増え、幼少期から理想的な食生活を目指すことができます。

私達が伝えたかったこと、それは自優菓子でたくさんの人に幸せな心を届け、大自然とドキドキな関係を紡ぎたいということです!

これで発表を終わります。ありがとうございました!

審査委員コメント

カルビーの社員の方からは、

「ストーリー構成や演技力が魅力的でした。発表の中に心をつかむシーンが沢山あった」

審査委員の方々からは、

「私にも3歳の娘がいる。ぜひ作ってほしいと思いながら聞いていました。おもちゃの野菜を組み合わせながら『食べて~』と作ってきてくれるので、実際に食べられたらより嬉しい。また、子どもは楽しいときは苦手なものでも食べたりするので、そうした体験から食の世界がどんどん広がっていって、学びにつながりよいと思いました」

「親子の関係の最初のストーリーからこのアイデアが生まれていて『幸せな心』から始まったのがすごくよいと思いました。『子どもが親にお弁当をあげる』という発想もなかなかないもの。、そういう考えが広がれば家族もハッピーになるだろうし、野菜が苦手でも好きになったりして、最終的に『大自然』につながる発想もよかったと思った」

といったコメントがありました。

みなさま、ありがとうございました!

【参考】
探究学習はじめの一歩!【実例】探究学習のテーマ16種
「探究学習」の最先端 教育と探求社の総合パンフレット
教員向けイベント情報


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