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偽名みたいな名前を授かった半生を振り返ってみる ~就職編その1~(2/5)

さて、前回の続きです。

ここからは就職編となります。
多分6社ぐらい出てくると思うので、「いいからフーモアに入ってからの話をしろよ」って方はすっとばしてください。

料理人時代

かく言う私も、姉と同様に料理の道を志すことになります。
(姉は二人とも進学できなかった時点で料理の道は諦めていますが)
恐らく、母親がそんなに料理が上手い方ではなかったのと、スーパーの総菜がそのまま出てくるような家庭だったからじゃないかなあと思ってます。

もう20年前のことなので記憶が曖昧ですがご容赦ください。
確か自分で飲食業界の企業別昨対売上をまとめたサイトを見て、伸長率トップ10の中からワタミフーズの次にあった企業を選びます。
誰もが知るような大手の名前が連なるなか、聞いたこともない社名がトップ10に入っていることに驚き、興味を持った記憶があります。
そこは和食、中華、イタリアンなど複数の業態の専門店を運営していることもあり、入社を決めました。
当時、世界に3人しかいなかった特級点心師を2人呼び寄せるみたいなことをしていて、さすがにビビりました。

伸びている会社は新卒採用もとてつもなく、同期は60人ほどいたかと思います。入社すぐは本社で座学を行いますが、すぐに各店舗に配属されていくので、同期間のつながりはほとんどありませんでした。
毎月の料理勉強会や季節の新メニューの講習などでエリアごとに集まる機会がありましたが、この頃は誰よりも先に出世してやるとバチバチに燃えていたので、一切会話した記憶がありません。

会社は次々と新しい業態に手を広げ、それに伴って新店舗の出店も多く、役職ポストが足りないという現象に。
出世欲の塊だった自分はこれ幸いとエリアマネージャーに媚びへつらい、1年ほどでチーフ職を、1年半で二番手(料理長の次にエライ!)になることができました。ただ、これでも同期で一番の出世頭ではなかったですね。

和食業態の店舗だったので、焼き場、揚げ場などを経て板場(寿司刺身)を経験させてもらい、異動した先では十割蕎麦なんかも経験することができました。

今の仕事と違って異色すぎるので、よく話にも出すし弄られがちではありますが、振り返ってみると❝ものづくり❞という観点では通じるものがあるなあと感じています。
納品スピードとクオリティのバランスや、マルチタスク能力は、間違いなくここでの経験によって培われたものだと思います。

急成長を遂げる会社は、時に従業員を不幸にします。
二番手にもなれば段々と自分が食材に触れる機会は少なくなります。
ほかの社員やアルバイトがつくる料理をチェックしたり、直接お客様のもとに提供しにいったり。

いずれは独立して自分の店を持ちたいと思っていた私は、もっと料理を学びたかった…はずなんですが、お客様の笑顔に直接触れることで、接客楽しいって思うようになってしまいました。

そして次のステージへ――

あの頃働いていた人たちと20年ぶりに飲んだ写真

飲食で身につけたスキル

  • 納期(提供スピード)とクオリティのバランス

  • マルチタスク能力

Disneyキャスト時代

接客を学びたい…接客ナンバーワンの企業ってどこだ…?
ああ、そうかディズニーだ。という超短絡的な思考でオリエンタルランドの門を叩きます。

とはいえディズニーの正社員の道は果てしなく遠く、新卒で入れなかったら準社員(バイト)から勤続年数を積んで契約社員試験を受け、更に勤続年数を積んで……という気が遠くなるような狭き門でした。
一旦正社員は諦め、普通に準社員(バイト)から始めます。

面接では、接客がしたかったのでアトラクションスタッフならなんでもいいという希望を伝えると、面接官はそのままどこかへ行き、一枚の紙を持ってきます。
そこにはできたばかりだったディズニーシー(当時2周年)のアトラクション名が書かれており、「ここはどう?」という派遣バイトかって感じの流れで即日採用即日配属先決定ということに。

この船、レールついてないんだぜ

当時はアトラクションスタッフの時給が700円でした。
出されたシフトをそのままフルで出勤しても、月の給料は10万円
シフトが出された日に全員でシフトの奪い合いをするのが恒例でした。
皆バイトを掛け持ちするか、シフトを奪わないと生活できなかったからですね。
そして自分も、前職の貯金をすべて削り出したところで退職します。

すごく短い期間でしたが、この経験はとても有益でした。
実際にTDRで働いたことない方でもキャストの意識の高さはなんとなくご存知かと思いますが、まさにその通りで、彼らは自分たちの仕事に誇りを持っています。自分を含め、この記事を読んでいる方の中にこのセリフを自信を持って言える人はどれだけいるでしょう。

ディズニーでは入社ガイダンスで行動規準となるSCSEについて叩き込まれます。(最近Inclusionが追加されSCISEになったらしいですね)
SCSEは判断や行動の優先度をその順番通りに並べたもので、これが従業員に浸透していることによって、SCSEに則ってさえいればどんな若手キャストが自己判断したとしてもそれは称賛されます。
Safety(安全)>Courtesy(礼儀正しさ)>Show(ショー)>Efficiency(効率)の順ですね。

東日本大震災でダッフィーのぬいぐるみ売場のキャストが自身の判断で防災頭巾としてすべてのダッフィーを配り歩いたというのは有名ですよね。

特筆すべきは「Show」の部分で、キャストは自身がショーの一部であると認識しています。
もちろん応対としてホスト役を演じるという点でもそうですが、例えばゲストが撮影する記念写真に写り込んでしまう可能性を常に意識に置き、立ち振る舞いにも気を抜きません。
キャストにとっては見慣れた景色で毎日同じ応対を繰り返していますが、来園したゲストは、もしかしたら何か月も前からこの日を計画し、今日を楽しみに来園してきたのかもしれない。休みを取って遠方から来てくれたのかもしれない。そんなゲストの思い出の一部に、我々は残るんだという意識を持っています。
少なくとも自分が配属されたアトラクションではそういうキャストしかいませんでした。

そしてその環境では新しく入ったキャストも、自然と同じ意識が植え付けられます。まるで宗教ですが、企業理念の浸透も含め、ひとつの理想形であると考えます。
あとはやっぱりエンタメの強さを感じました!
ゲストはみんな楽しみに来てるんですよね。だからキャストがどんなつまらない冗談(低俗なものは除きますよ?そもそもそんなこと言うキャストはいませんが)を言っても笑ってくれます。自然とこちらも笑顔になります。
笑顔の連鎖です。これはすごい。

Disneyで学んだこと

  • エンターテイメントの強さ

  • 周囲環境の視座による意識の向上

つづく

また3000文字書いてしまった。
そして6社出てくるって言ったのにまだ2社…これは3章構成になるぞ…
長々自分語りして本当にごめんなさい。
興味ない人は本当に飛ばしてください。。。次の記事に続きます。

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