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第10回 定年退職は人生の大きな節目!(その2)自分の立ち位置に戸惑う嘱託社員、1年ごとの更新とは? でも副業はOK

高久和男と昌宅由美子の「輝き続けるゴールド人財への道!」


和男:由美子さんの2つ目のショックについて教えてください。

由美子:定年退職しても定年前と変わらず、仕事は続いていくんですが、環境が変わりました。
会社では、私の師匠だった先輩が退職し、役職定年のタイミングで異動してきた後輩ができました。
今までは、先輩がいて教えてもらっていた立場から、今度は後輩を教える立場になったわけです。
私のように定年前にやっていた仕事のノウハウを活かして定年後も同じ部署にいるという人の方が多いと思います。慣れた仕事、同じ仕事ができてよかったと思う反面、全く同じ仕事なのに、こんなにお給料が下がるの?っていう気持ちがしばらく続きます。
そして、定年の2か月前に雇用契約書を見た時とはまた、違うショックがやってきます。実際に給料日になると振り込まれるその額を見た時。これが2つ目のショックです。これは、税金とか社会保険の仕組みを理解しておかないと、「なんで?」ということになるんです。住民税は前年度の所得を元に計算され、翌年1年間はその金額が給与から控除される。減った給与から高い住民税が控除されるので、当然、手取りが減る訳です。私自身、ファイナンシャルプランナーの資格も持っていて、頭ではわかっていたのですが、実際にその時になると、現実を突きつけられた間隔です。
「自分の価値が下がってしまった!」と感じた瞬間でした。

和男:私の会社の継続雇用者は、大体定年前と同じ部署で働いています。元々定期的な人事異動がある会社じゃないんですけどね。部署の中で担当する仕事が変わる人はいますが、部署間をまたぐ異動ってあまり聞きません。私も仕事の内容は全く変わりませんでした。再雇用になっても部の人数としてカウントされていますから、新しい人が補充されることはなく、必然的に今までの仕事を続けているという感じです。元々居た部署で働き続けられるって言うのは、全く経験のない仕事に廻されるより、ノウハウや経験を活かすことが出来て、本人も上司もいいと思いますよね。
確かに55歳の役職定年で給与が下がり、定年後の再雇用でも給与が下がりますから、「ハーッ」と言う感じですけど、わかっていたことですからね。でも、役付の時は出なかった残業代が出るようになったので、給与明細を見て「先月はがんばったなぁ」とか思うようにしています。

由美子:私も大きなショックを受けましたが、給与が下がったから、下がった分の仕事しかしないのか?というとそうではありません。役職定年になった人が異動で来て教える立場になったことは、私に新たなる役割、責任を得ました。後輩の出張先に同行して、自分が持っているノウハウを積極的に伝えるようにしました。4年間先輩に教えてもらったものに自分のオリジナルや思いを伝えていく。そうすることで、後輩が育っていくということにやりがいを感じてきました。 新たなる充実感です。

和男:僕の場合も、長年の経験で職人技的(笑)にやっている作業があるんですよ。これは前任者から引き継いだ作業で、ちょっと職人技過ぎて言語化してマニュアルに残すのは無理だなぁとつい最近まで思っていました。でも今、全面的に作業のやり方を見直してやろうかと企んでいます。EXCELの作業は、マクロを作ったりして。元々SEですからね、こういう作業をしているとウキウキしてきます。

由美子:正に和男さんの職人技の見せどころですね。自分がやってきたノウハウを何かの形で役立てて残せるって素敵ですね。
お給料のことは、自分ではどうにもならないこと。不満ばかり募らせている毎日過ごしても、自分にとっても、周囲にとっても悪影響しかありません。
そこはある程度割り切って、仕事の中身と切り離していくことが重要です。
もちろん、仕事の中身にも不満もあるかもしれませんが、自分の今までの経験や、知識、ノウハウで何ができるか、何に貢献できるかという視点で見ていくと、意外にどんどん見つかるものです。

和男:でも、老後資金に2,000万円必要だなんて記事を読むと、収入のことは気になります。だからこそ、今まで働いてきた会社以外での自分が収入を得る道、といった模索も必要となります。僕たちの場合は、縁あって副業で二足の草鞋をはくことになりました。次号では、その二足、三足の草鞋がGold人財には大事といった話をしたいと思います。

由美子:私たちの話をもっとすぐにでも聞きたい方は、4月15日(木)に「ゴールド人財」をテーマにした公開オンライン研修があります。是非下記リンク先から詳細をご覧になってください。

昌宅由美子・高久和男『シニアステージで輝き続ける「ゴールド人財への道」』 https://www.qhmd.que.co.jp/programs/qhmd0415/
役職定年、定年後継続雇用などキャリアの転換期を迎える(迎えた)50代後半以降の方、(特に間もなく60歳を迎える、自分の今後の人生を見つめたいと思っている方)を対象とした特別ブログラムです。役職定年・定年後継続雇用となった人達が、イキイキと働くためのエッセンスが出てきますので、興味のある方は是非お申し込みください。
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※これまでの連載
第1回:高久和男の波乱万丈人生プロローグ
https://note.com/que_takaku/n/nb06eab111a4c?magazine_key=mfa9ba1c7eb94
第2回:昌宅由美子の波乱万丈人生のプロローグ
https://note.com/que_masaya/n/nca2f2a96b89e?magazine_key=mfa9ba1c7eb94
第3回:会社以外のアイデンティティと人間関係を育む居場所を持つ!
https://note.com/que_takaku/n/n74424ea32885?magazine_key=mfa9ba1c7eb94
第4回:50代、避けて通れない介護(前編)「介護は突然やってくる、まずどこに行く?」
https://note.com/que_masaya/n/nd4d0c326b8a0?magazine_key=mfa9ba1c7eb94
第5回:50代、避けて通れない介護(後編)「介護を背負う人に吹く冷たい風」
https://note.com/que_masaya/n/nb6781927f8e3?magazine_key=mfa9ba1c7eb94
第6回:役職定年の節目(その1)右型上がりの会社人生が崩れる瞬間! 「役職定年」 その時私たちは…
https://note.com/que_takaku/n/n01fd249c69e9?magazine_key=mfa9ba1c7eb94
第7回:役職定年の節目(その2)会社にとって必要な人か、邪魔な人かの最初の踏み絵が役定!
https://note.com/que_masaya/n/n743defe419f6?magazine_key=mfa9ba1c7eb94
第8回:役職定年の節目(その3)役職定年を乗り越えることがゴールド人財への第一ステップ
https://note.com/que_masaya/n/ndaad69631bdb?magazine_key=mfa9ba1c7eb94
第9回:定年退職は人生の大きな節目!(その1)再雇用と条件に愕然とする!
https://note.com/que_takaku/n/n82fe7cfc7136?magazine_key=mfa9ba1c7eb94


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