見出し画像

植田寿乃連載『令和を活きる、未来を拓く』第40回 「自己実現から自己超越へ」自分への約束 ~自分の命を何に費やすのか?~

 早起きの元旦、雲一つない青空の中、神田明神、湯島天神、午後からは目黒の山手七福神巡り「今年も思いっきりやるぞ~、夢の実現だ~」と心躍る感じでニコニコの笑顔で歩き周っていました。でも、その夕方の能登の地震、そして、翌日の航空機事故、私の心が大きく揺さぶられました。天災、事故、予期せぬ大惨事に被害にあわれた方へのお悔やみもさることながら、『自分が生きていること』への感謝、だからこそ『自分の命を何に費やすのか?』『自分にとって本当に大切なものは何なのか?』『自分の使命は何、何をしたいのか』という大命題が私の中に蘇ってきました。このお正月は深い内省の旅の時間となりました。

★何のために頑張る、誰のために頑張る、主役は『自分』

 1月4日、5人の気の置けないキャリアコンサルタントの仲間達と一緒に浅草七福神巡りをしました。4時間近くお互いの近況などを話しながら歩きます。人事異動、家族、仕事の役割・・・。会社や組織に所属をしていると悩みは尽きません。彼女たちの話を聴きながら、自分自身のことが後回しになっているようなのが気になりました。「あなたはどうしたいの?」「あなたの気持ちは?」私の問いかけに、ちょっと、はっとしたような表情。自分の人生の主役が自分自身であることを、忘れている人は、意外に多いのかもしれません。特に会社や組織に長く勤めていると、「会社のために頑張る」「チームのために頑張る」「メンバーのために頑張る」という言葉は出るけど、自分のためには出てきません。
 人事異動、役職定年、定年で自分の役割が突然外れた途端に、自分がどうしていいかわからなくなってしまう人たちは、自分という主役不在のまま働き続けてしまったからかもしれません。何時からでも遅くはありません。まずは主役を復活させましょう。「自分のために頑張る」です。

★自分が幸せで心に余裕がなければ、他の人を思いやり優しくできない

 自分が落ち込んでいる時、弱っている時、大きなストレスを抱えている時は、他の人に優しくしたり、思いやったりするのは難しくなります。ただし、自分の存在を消し、自分の気持ちに蓋をしてしまえば、他の人や組織に対してエネルギーを使うことはできます。でも、そこに残るのは、満足感や充実感ではなく、自己犠牲による恩着せがましい気持ちや、不満、被害者意識の恨みがましい気持ちだけです。
 自分が満たされて、幸せである状態で心に余裕がある時、私たちは周りの人を本当に思いやり、優しくすることができます。そして、相手が喜んだり、感謝したりしてくれることが、自分自身の大きな喜び、充実感になります。自分が満たされて、幸せであるか、心に余裕があるこれが基本なのです。だから、自分の心の状態のチェックをしていきましょう。自分の幸せ度合い、心の余裕は鏡を見ればわかります。微笑み、笑顔が自然にでていますか?引きつり笑顔はだめです。笑顔が出なかったら、「自然に笑顔になるように生きる」「自分の幸せのために生きる」から始めましょう。

★自分が本当にやりたいことは何なのか? を見つけるために

 自分を幸せにするには、自分の欲求に目を向けます。会社や組織で安定して働いている場合は、マズローの欲求5段階説の「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」は当たり前に保証されています。だから、自分の幸せが「承認の欲求」の段階の人が多い。承認の欲求は①他人から承認されたい、賞賛されたいと求める欲求 ②自分で自分を承認したいと願う欲求の2つで構成されていますが、会社や組織から求められる役割をただひたすら果たそうと頑張っていると、①の他人からの承認だけを追い求め続けるようになってしまいます。「もっと人から褒められたい」「褒められ続けたい」それは無理です。自分で自分に毎日「よくやった」「よく頑張った」と褒めてあげるのを習慣にしてみましょう。そして、ちょっと付け加えてみましょう。「よく頑張った、よくやった、そんなあなたは次に何をやりたいの?」毎回の問いかけに、だんだん、答えが見えてくるはずです。

マズローの自己実現論

★自然な笑顔の先は「自己実現」を超えて

 38歳で起業てから、25年間、「私は何をしたいのか?」という問いに対して「自己実現」という答えを探して人生の旅をしてきました。そして、2011年3月の東日本大震災の時に、災害を幸運にも免れた私は「自分の命を何に費やすのか」という、大命題の問いに変わり、それを絶えず意識しながら、生きるようになりました。自分の心を磨き続けながら、空を見上げるような感覚です。
 そして、このお正月にようやく、私が到達したいステージが見えました。自分が主役の『自己実現』の先、『自己超越』です。マズローの欲求段階説の次の6番目の段階、仏教的には悟りの世界なのかもしれません。ただ、これは、ものすごくハードルは高く、私は人間力をもっともっと磨かなくてはなりません。今、まさに取り組んでいるプロジェクトに、60代の全精力を傾け走り切った時、そこに到達できていたら最高です!
「自分を愛し、自分を大切にし、自分の可能性と創造性を思う存分発揮し、人のため、社会のために私は全身全霊で自分のエネルギーのすべてを使う」
こんな誓いを自分にたてました。

皆さんは、新年に、どんな自分自身に対する誓いをたてたのでしょう?自分への誓い、約束、とても大切です。だって破りたくないもの!だから頑張る!

====
◎立ち止まり、自分を見つめ人間力を磨きたい経営者、管理職、リーダーの方◎
2024年1月24日(水)2月21日(木)全2回
モチベーション・リーダーシップ研修
~メンバーを動機付け、エンゲージメントを体現する人間力リーダーになる~
https://que.co.jp/pdf/noma_olseminar_20230914to20240221.pdf
=====

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?