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植田寿乃連載『令和を活きる、未来を拓く』第25回 誰もが「主役」で「応援団」なチーム ~ワーク・エンゲージメントを探求 その7(最終回)~

「先生はとてもイキイキして幸せそうで素敵です」
「私も先生みたいに、自分で自分を幸せにする生き方したいです」
「すごく刺激受けました。元気になりました」

20歳前後の大学1~2年生たちから言われ、私はものすごく嬉しくなりました。実は、先週末、3つの大学の共同の「未来開拓セミナー」で、大学生を前に大学の先輩としてキャリアについてミニ講演(10分)と、グループインタビュー(15分×3回)を受けるという仕事をしました。企業の経営者や管理職に2時間~2日間の講演や研修を散々してきた私ですが、大学生に向かって話すのは15年ぶり、今年最大の挑戦でした。62歳、子供のいない昭和育ちの私のメッセージが、彼らの心に響くのだろうか?彼らの人生の未来の気づきに繫がるのだろうか・・・? 絶対に、何か一つでも心に残る話をしたいと思って3か月間、ずっと考えていました。そして、私が今もっとも大切にしている、このワーク・エンゲージメントのエッセンスを抽出し、8枚のスライド作成に3日間没頭し、全身全霊で伝えました。内容は、この連載の第23回「自分の軸」https://note.com/que_sunny/n/n79a317957a2d についてです。ワーク・エンゲージメントという言葉は全く使いませんでしたが、若い彼らの心にかなり響いたようで、グループ・インタービューでは、休むことなく次々に質問、悩み相談が飛び出しました。

「子供のころから、キャリア教育を受けてきて、自分をみつめ考えることをやってきましたが、何をやりたいかがわからなくなっています。どうしたらいいでしょう」
「やりたいことがありすぎて、全部やったら中途半端になりそうで、結局足踏みしています」
「人と比較したり、自分の過去と比較したりで自分の幸せを判断してきました。本当の幸せがわかりません」
「熱く燃えるものがまだないです。だから、なんとなく興味をもったところに顔を出してみるのですが、そこで熱く本気な人を見てしまうと、自分は違うなって思って・・・焦ってしまいます」
「失敗が怖くて、いつも安全で確実な道ばかり選んでいます。失敗しても大丈夫とどうしたら思えるのでしょう」
「自分のやりたいこと夢があるのですが、親と考え方が違って、どうしようかと悩んでいます。」

社会人顔負けの質問、それをストレートに純粋に投げかけてきます。彼らは大人になりかけの子供で、スポンジのよう私の話を吸収しているようでした。まさに、ワーク・エンゲージメントの「原点」「軸」を形成途中です。私なりに彼らの背中をドーンと押すような返答をすると、彼らはどんどん笑顔になっていきました。ただ、彼らと話していてちょっと心配になったのは、彼らの両親の働く姿が、彼らのロールモデルになってなさそうなことです。まるで、イキイキと働く大人を初めて見たみたいな顔をして私の話を聴いていました。数年後、彼らは社会に出ていきます。彼らはどんな会社や組織を選び入るのだろうか・・・。

★誰もが「主役」で「応援団」なチーム

 ワーク・エンゲージメントの高い状態であれば、日々の仕事に対して充実感に満たされて、自分自身がとても幸せです。でも、それは自分の「軸」、メンバーとの関係の「支え」によって形成されます。つまり、チームで1人だけがワーク・エンゲージメントが高い状態というのはありえません。だからこそ、チーム・組織のエンゲージメント状態をしっかりみつめる必要があります。その基本は、メンバーの誰もが「主役」であり、互いの「応援団」となれているかです。ひとりひとりがワーク・エンゲージメントを体感しながら、他の人のワーク・エンゲージメントをサポートできているかどうかです。
 それができていれば、チームのエンゲージメントも高くなります。強い信頼関係の中で、ひとりひとりの強みを融合したチームの強みが発揮され、一体感をもってチームの役割に取り組むことができたら、高い業績や結果を出すだけでなく、新たなイノベーションを起こしていくこともできるでしょう。
 そんなチームに新入社員が入ってきたら、どんな気持ちになるでしょう。働き成長する喜びをすぐに体感し、自分のワーク・エンゲージメントを追求していくに違いありません。

★すべての会社、組織がエンゲージメントカンパニーに

淡々と「ジョブレベル」で働くではなく、自分の成長や目標のためだけに働く「キャリアレベル」に留まらず、「ワーク・エンゲージメント」を追求し、働きがい、充実感を持ってイキイキと働いている状態になることは、私たち一人一人の幸せに直結します。起きている時間の半分は、働いています。その時間が充実感、やりがいに満たされていて、プライベートな時間も満たされていたら、自分の人生は今「幸せ」ですと胸を張っていえるはずです。もちろん、ワーク・エンゲージメントが揺らいだり、プライベートでいろいろなことも起きたりするでしょう。「自分で自分を幸せにする」ことを諦めずにワーク・エンゲージメントを探求してください。働きやすい、リラックス状態と、ワーク・エンゲージメントを間違えないでください。
 すべての企業、組織は、エンゲージメントカンパニーになってください。それも早急に。今回、大学生を前に、彼らの未来のために、彼らが夢と希望を描けるのは、エンゲージメントカンパニーしかないと確信しています。本気で、取り組む時です。始めるときです。すべての人がワーク・エンゲージメントを見つめ体感し、高い状態を体現してください。誰から?もちろん、経営者、管理職、リーダーは率先してください。組織、チームのエンゲージメントを高めるキーパーソンなのですから。

ワーク・エンゲージメントを掘り下げるシリーズは、今回で終了です。次回はまた違うテーマでお目にかかります!

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◎自分のワーク・エンゲージメントを知りたい方!大集合◎
2022年11月12日(土)10:00~12:00
絵を描くと深まる!ワーク・エンゲージメント&ポジティブ・モチベーション◎
~充実した幸せな人生を歩むための秘訣~
https://www.qhmd.que.co.jp/programs/ueda1112/
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◎ワーク・エンゲージメントを高め合う女性の仲間と出会いたい方、大集合◎
第1回2022年11月16日(水)、第2回:12月14日(水)、第3回:2023年1月18日(水)オンライン半日3回セミナー
女性リーダー・エンカレッジ(応援)セミナー
~オンラインで信頼関係を育み、自然体でイキイキ成長する~
https://que.co.jp/pdf/noma_olseminar_20220713to20230118.pdf
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◎ちょっとマジに熱く夢を語り合いたい方、大集合◎
2022年11月19日(土)18:00~20:00
ドリカム(Dreams come true) サロン
テーマ「夢と目標の違い! 夢の下の想いを見つめ、自分をモチベートしよう」
https://www.qhmd.que.co.jp/programs/uedadreams1119/

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