我々が人生をこじらせる理由/書評『残酷すぎる 幸せとお金の経済学』
筋トレ中はYoutubeのフェルミ大学を聴きながらトレーニングし、手に取って読んでみたくなったときにポチります。こんにちは。
本日はアーノルドプレスで肩を痛めつけているときに気になった『残酷すぎる 幸せとお金の経済学』の書評を記載します。
本書の要約はインスタグラムにアップしています!
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本書の目的
本書では、幸福度について、様々な視点から分析した結果が紹介されています。「幸福学」といえば、慶應義塾大学大学院SDM研究科教授 前野隆司さんの書かれた『幸せのメカニズム』という本がおすすめです。
一方、本書『残酷すぎる 幸せとお金の経済学』では、幸福へのアプローチを紹介するのではなく、私たちが幸福に対して抱いている誤解がなぜ生じているのか、その背景にはどのような社会環境の変化があるのかを、経済学的な側面から解説しています。
「妻が管理職だと夫の幸福度は低い」
「子供のいる女性のほうが生活満足度が低い」
など、政治家の口から出ようものなら、烈火のごとく炎上しそうな内容でも、統計学に基づいた事実として語られると、人々は受け入れるしかないのです。残酷という言葉が示す通り、私たちのイメージや常識と乖離した意外な結果ばかりでした。
そもそも幸福度とは何なのか
幸福の経済学の大きな特徴は、データ分析を行うことと、背景にある理論が経済学をベースにしていることです。
本書による気づき
「人生の中で最も幸福度が低いのは48.3歳」
「妻の方が高学歴だと世帯年収が低い」
「独居高齢の場合、女性より男性の幸福度が低い」
本書を読むと、上記のような揺るぎのない事実に殴られた気分になります。科学に基づいた本には反論するのではなく、ありのままで受け入れる(殴られる)のがよいと思います。なぜなら、知っているだけで対処ができるからです。
例えば、日本では「第一子出産直後に夫婦関係が急速に悪化する傾向がある」そうです。どれだけ円満な夫婦でも、”明日は我が身”とこの事実を共有し、「嗚呼、これからマネジメントの難易度が上がるぞ~(;'∀')」と備えるのがよいでしょう。
同様に、「管理職に昇進した3年後にメンタルヘルスが悪化する」という事実についても、「これまでの延長線上で仕事をしていたらメンタルヘルスが間違いなく悪化する、さてどうしたもんか( ゚Д゚)」と、これまでの生き方、働き方を大胆に変えるしかないのです。
そうゆう意味では、残酷なことほど早く受け入れ体制を作る方が得策かもしれません。
幸福論って毛嫌いされがちですが、幸福論を学ぶことは一種の処世術です。
これは持論ですが、私たちが幸福学を学ぶ意義は、「今そこにある幸せに気づくこと」だと思います。幸福論について多くの書籍を読んできましたが、結論としていきつく先は「ドーパミン的幸福ではなく、セロトニン・オキシトシン的幸福を重視しましょう」という主張が多いこと多いこと。もちろん、結論に至るまでの根拠となる学問や調査方法は異なります。
ドーパミンが分泌される主張が書かれた本の方が楽しく、刺激的です。裏を返すと、セロトニン・オキシトシン的幸福を論じる主張は刺激と新鮮さに欠けるのです。
それでも、日々の生活に忙殺されたビジネスマンこそ、今そこにある幸せに気づくために愚直に読み進めると効果が高いように思います。
本書の結びにも似たような記述がありました。
以上、簡単な書評になります。ありがとうございました!
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