見出し画像

She Loves You:Vol.05 やるじゃん女の子

ふわー、眠い。部屋のブラインドをちょっとだけ開けたら、朝日が差込んできて気持ちがいいな。フローリングの床の上に出来上がったしましま模様、なぜか幸せな気分になる。

私は大学生で、東京で一人暮らしをしてからもう1年になる。と言っても、別にはるばる田舎から出てきたわけじゃない。生まれたのも東京だし、私の通ってた小学・中学・高校と、全部うちのワンルームマンションの近所にある。親が金持ちというわけでもないし、ましてや喧嘩して家出したわけでもない。じゃあなぜ東京で一人暮らしなんてしているのか。私が大学2回生の頃、うちの親が大阪に転勤になって、東京の大学に通っている私だけはここに残る事になったから。で、大学の近所という線も考えたんだけど、やっぱり住み慣れたこの町のワンルームマンションを借りた。だから、一人暮らしといっても遊び慣れた高校時代の友達は近所にいるし、初めてCD借りたレンタルビデオ家さんも近所にあるからちっとも寂しくない。むしろ、うるさいのがいないからかえって都合がいいくらい。その代わり、週末ともなると大学の友達やら、高校の友達やらがうちの部屋に集まって来るし、夜通し騒いでそのまんま泊まって行くなんてざら。それはそれで楽しいんだけど、本当にみんな彼氏がいるんだろうかと不思議に思えてしまう。そういう私も募集中の身で、週末にたまった睡眠不足を、朝寝と授業中に解消しているんだから我ながら困ったもんだ。

ここから先は

2,821字
キューティー吉本が公開している小説は、原則としてこのマガジンを購入しないと読むことができません

キューティー吉本が過去に書いた小説をまとめました。恋愛小説が多い感じです。

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?