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#30 ライスボウル2021の話

2020年シーズンを締めくくる第74回ライスボウルが行われた。社会人代表のオービックが学生代表の関西学院大学を35-18で降し、7年ぶり8回目の優勝を遂げた。

ジャパンエックスボウル同様に詳細なレビューを書こうとしていたが、途中で断念した。前半終了時点で14-12と拮抗したスコアだったが、試合内容はかなりオービックの優勢になっており、このままだと後半一気にオービックペースとなると見ていた。果たして3Qに2TDで突き放したオービックが力の差を見せつけて、試合のワクワク感がグンと減退したからだ。
もちろん、長らく富士通の軍門に降っていたオービックの勝利への渇望感は凄まじいものがあったし、今度こそ日本一を掴もうと必死にプレーする関学の執念にも敬服した。出場したチーム、選手には何の非もないが、やはり実力差がつきすぎている。

そして予想どおり、SNSでは「社会人はズルい」の主張が数多く見られる。何がズルいのか理解に苦しむところだが(その理由がほとんど的外れなのは以前記事にしたばかりだ=#28)、確かに今年の戦績を含めて社会人が12連勝となると、もはやボウルゲームとしての興は削がれるというものだ。
むしろ、こうなってしまうと社会人側にも出場するメリットが薄れてくる。勝ったとしても当然だと見られるし、負けたら逆賊が討たれたと言わんばかりに大騒ぎにさらされるだけだ。
となると、学生がレベルアップするまで当分の間、ライスボウルは別の形での開催を検討してもいいのかもしれない。
ラグビーの日本選手権が社会人・学生混在だったのが、今はトップリーグで争われていることを引き合いに出されるが、アメフトもそうなるのだろうか。
ラグビーの場合、世界各国でプレーされ、日本も大学の後に一定数のハイレベルな社会人チームが存在しているから、トーナメントを分けてもレベルアップが図れる。かたやアメフトはどうだろう。北米以外で本格的にリーグを運営している国はごく少数で、Xリーグも上位と下位の差がかなり大きい。そんな中で「勝てないから試合しません」とボウルゲームを回避するようでは、国全体としてフットボールの底上げを図るなんてこと、夢のまた夢になりそうだ。

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