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異なる意見の人と話す重要性。面白かった本と記事についてのメモ

最近すこーしずつ読んでいるアメリカの社会学者が書いた『Stranger in Their Own Land』(日本語タイトルは『壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き』)を英語でつまづきながらも読んでいます。

で、日曜日にぼーっとFacebookを見ていたら出てきたサンデル教授とカズオ・イシグロさんのインタビューが、おおよそ上述の本と同じ問題を別の切り口で語っている気がしたので、メモしておきます。

サンデル教授は、能力主義は公平なようで、生まれや能力という「運」という側面を無視して、自分の成功をあたかも「自分の努力だけ」によるものだと驕る人々を生み、さらに、経済的に成功していない人を「努力しなかった人」と見下す構造を作っている、と。

コロナ禍で、エッセンシャルワーカーとして社会で認められた人々こそが、これまで尊厳を傷つけられてきた人であり、今後、全ての人が尊厳を持って働ける社会を構築することが必要。さらに、異なる考えの人と対話することで、互いを尊重する姿勢を醸成していくことが重要だと語ったそうな。
本、面白そうです。

カズオ・イシグロさんが話していたことは、私の理解だとこんな感じです。
「Don't think, feel!」的な風潮が広がりすぎているのではないか、事実に基づいて論理的に考え、判断することが軽視され、「好き嫌い」のような感情で判断する傾向が強くなり過ぎている。

私たちが今必要なのは、「横の移動」ではなく「縦の移動」。自分と違う意見の人と話す機会を増やすことが重要だと。

冒頭で書いた『壁の向こうの住人たち』にも、同じような考え方の人とばかり話していくことで、その考え方がひたすら強化・増幅されていく「エコーチェンバー現象」という状態(小部屋の中でコダマが響きまくってるイメージ?)になると指摘されていました。縦の移動こそ難しいけれど、必要だな、と思いました。

極め付けの苫野さん。自由とは、「自分が欲すること」と「自分が叶えられること」が重なる部分で、絶対的に自由な状態があるわけではなく、自由とは感じるものだ、と。

そして、他者とはいつの時代も「私の自由」、つまり「生きたいように生きること」を妨げる敵になりがちであり、そのために人間は争いを繰り返してきた。そこで必要なのが「自由の相互承認」だと。

お互いがお互いに対等に「自由」な存在であることを認め合い、そのことを根本ルールとした社会を作ること。

ということで、4人がそれぞれ違う切り口で、違う分野から語ってはいるものの、何か重なり合った、今の社会が向き合うべき問題とその解決策を示しているような気がしました。というメモでした。

まだ、Kindleで15%しか読めていない『Stranger in Their Own Land』を、ノロノロとですが、読み進めようと思います。

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