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実践!認知症ケア(1)

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現場での実践に使える認知症ケアの基本的な考え方からBPSDへの対応についてまとめています。
認知症ケアで重要な内容が、単元別に見られるのはマガジンならでは!そして価格は驚きの500円です(*…
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2020年1月の記事一覧

認知症ケアは4WDケアの考え方と目標設定が重要

認知症ケアは4WDケアの考え方と目標設定が重要

認知症ケアは以下の4つすべてが大切となっています。

・『解決課題型アプローチ』
・『目標指向型アプローチ』
・『ナラティブ・ベイスド・ケア』
・『エビデンス・ベイスド・ケア』

『車の車輪』という表現がありますが、認知症ケアでは、ナラティブ・ベイスド・ケア(個々の人生・生活の語りに基づくケア)とエビデンス・ベイスド・ケア(科学的根拠に基づくケア)の両者が重要であり、この2つの考え方は『車の車輪』

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パーソン・センタード・ケアの考え方

パーソン・センタード・ケアの考え方

まず、『人』としてかかわる、とらえる、考える脳卒中に合併する『高次脳機能障害』は症状が多彩です。
そのため症状そのものに興味が向き、さまざまな評価ばかり実施され、具体的なリハビリ対応はおろそかになってしまい、批判されたことがありました。

また、セラピストや看護師、医師に都合の悪い高次脳機能障害の症状、(例えば、注意力の低下、自発性の低下など)があると『やる気がない』など本人のせいにされたり、易怒

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認知症の介護技術について

認知症の介護技術について

『実践!認知症ケア(1)』
今回のnoteから、認知症の介護技術編に突入していきます。

認知症の介護技術の部分では、認知症介護の具体的技術について、その概要を学びます。
技術の詳細については、もう少し基本を押さえて頂いてから紹介をした方が良いと思いますので、もう少し先のnoteでご紹介しますね!(^^)!

具体的には以下の15項目についてこれから紹介していく形となります(*'▽')

①パーソ

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各症状に応じたケア Part3

各症状に応じたケア Part3

認知症ケアでは医療との連携が大切認知症ケアでは、本人の認知症の種別を把握し、その病態に合わせたケアを展開し、次に起こる可能性のある症状に対しては、早めの対応をしていきます。

もちろん、一人ひとりの症状を詳細に観察し、本人の症状を把握することが重要です。
この際、高次脳機能障害の立場、神経心理学的分析ができると、ケアでの対策方法を見つける可能性が広がります。

⓵認知症と健忘の違い
認知症と、加齢

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各症状に応じたケアPart2

各症状に応じたケアPart2

『認知症の種類に応じたケアを考える』というテーマで、前回のPart1ではアルツハイマー型認知症に対するケアについてご紹介しました。

みなさんはPart1の記事を参考に、自分たちの事業所のケアについて話し合いをして下さったと思いますので、話し合いの中で出た内容をコメントして頂ければ嬉しいです!

質問等あれば、お答えできる範囲で答えていきたいと思います(*'▽')

今回は、以下の症状に応じたケア

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各症状に応じたケア part1

各症状に応じたケア part1

認知症にはアルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症などがあり、それぞれ症状が異なるため、各認知症の種別を考慮しケアをする必要があります。

(1)アルツハイマ―型認知症
記憶障害、見当識障害、取り繕い反応、被害妄想、感情障害(うつ→多幸)、言語障害

(2)脳血管性認知症
多発性梗塞性認知症、脳出血性血管性認知症、多発性ラクナ梗塞認知症、進行性皮質下血管性認知症

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認知症とはなにか

認知症とはなにか

認知症の判断基準「認知症」とは、「いったん正常に発達した知能(脳)に何らかの原因で記憶・判断力の障害が起き、日常生活がうまく行えなくなるような病的状態」を言います。

認知症の判断基準には・・・

(1)厚生労働省研究班 認知症の診断基準
(2)アメリカ精神医学会のDSM-IV-TR
(3)WHOのICD-10

などがあります。

身体障害系ケアと認知障害系ケアのアプローチの具体的な違い

身体障害系と認知障害系のケアの違い

身体障害系と認知障害系のケアの違い

基本は一緒 『低下する機能が異なるため具体的な方法が異なる』身体障害系の方に対するケアも認知障害系の方に対するケアも基本的な部分は一緒です。
両者とも低下している機能の、⓵回復を促進する、②代替・支援をする、③機能が低下していても大丈夫な環境を設定するの3つのアプローチが基本となります。

例えば筋力が低下している場合は以下のようなアプローチが考えられます。

⓵回復が期待されるケースでは、筋力の

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15の視点 -さまざまな視点から豊かなケアを提供する-

15の視点 -さまざまな視点から豊かなケアを提供する-

多くの視点からケアを展開することで豊かなケアが提供できる

介護を提供する際には、さまざまな視点が必要となります。
このテキストでは、介護を提供する際に重要となる視点を15個にまとめています。

介護を提供する際に、15の視点それぞれを考慮に入れてアプローチ方法を考えると、より高いレベルのケア・より広がりを持ったケア・より柔軟なケア・より豊かなケアが提供できるようになります。

ぜひ、それぞれの視

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課題解決型アプローチと目標指向型アプローチ

課題解決型アプローチと目標指向型アプローチ

介護で中心となるのは目標指向型アプローチアプローチの方法には、本人が抱える問題点を探し出し、その問題点を課題としてとらえ解決することで、元の状態・より良い状態にしようとする「課題解決型アプローチ」があります。

課題解決型アプローチは、急性期医療でよく使用される考え方です。
このアプローチで重要なことは「課題」が解決できることです。
解決できない課題の場合はこの手法はとれません。

一方で、ある目

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科学的根拠に基づいたケアを提供する

科学的根拠に基づいたケアを提供する



一人ひとりの生活・人生に合ったケアを科学的に根拠のある方法で行う介護は、利用者の生活を支援するために行われるサービスです。
一人ひとりの生活は様々であり、今までの人生、これからの人生もさまざまです。

したがって、利用者の生活を支援するためには、その人のこれまでの生活や人生、現在の生活を理解して、将来の生活、人生を推測すること、本人の人生のストーリー性を大切にすることが重要になります。

この

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