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想像力を創造する

こんにちはQoiQoiの吉次匠生です。
今回は前回お話しした分断の話から少し派生して、自分達の作品制作の軸である「想像力を創造する」というテーマで書いていきたいと思います。


分断が生まれる理由
前回、分断は社会を良くしないということについて書いてみました。まだ見てない方は「私は分断を許さない」という記事を読んで見てください。(堀潤さんの映画から勝手にタイトルをお借りしました)
しかし、分断は良くないと知りながら、なぜ人は分断を生んでしまうのでしょうか? それはそれだけ今その問題に切羽詰り、真剣に向き合っているからでしょう。今すぐ解決していかないといけない緊急の問題があるとyesかnoという選択肢で結果を出したくなる気持ちが生まれるのかと思います。なぜなら、yesかnoという答えは良くも悪くも結果に直結するからです。


グレー理論
僕たちQoiQoiの中でよく話すことにグレー理論というものがあります。
ある物事に対して黒という意見を持っている人と白という意見を持っている人がいるとします。
この二つの色は交わることはありません。Twitterなどで見られる現象もこれに似ていると思います。少し古くなってしまいますが愛知トリエンナーレもそうだったと思います。「表現の不自由展」における開催の賛否などは大きな議論を巻き起こしたと思います。しかしその議論の中身も賛成と反対の二元論に分けられて問題が議論されていることが多かった気がするのです。
ここで僕たちが感じることは、白や黒という自分の意見を持つことはとても大切なことです。しかし、一旦白や黒を持ちながら、相手の価値観を覗くことで、その間のグレーという色を見てみませんか? ということです。自分の意見を曲げる必要はないけれど、相手の立場や相手との落とし所を見つめることは大切だと思います。つまり、単に二元論で物事を片付けてしまわない体力をつける必要があると思うのです。


想像力とは
体力をつけるといっても何をすればいいのでしょうか? 自分は黒という色しか知らないのに白やグレーという色を感じることは簡単ではないでしょう。
そこで自分が持っている色以外の色を見る助けになるのが想像力です。

相手が言った言葉(白)だけを見るのではなく、その裏の意味や文脈、状況を想像する事で少し自分との共通点や落とし所(グレー)が見えてくるかもしれません。また白、黒みたいにパッとみて分かりやすい色を認識することは簡単ですが、グレーのようにグラデーションのある色を認識することは難しいと思います。
現にグレーといっても記事を読んでくれている方一人一人が想像する濃淡は違うはずです。グレーを可視化するには議論する体力や言葉にする体力が必要であり、そこで必要になってくるものが想像力だと思うのです。
物事を単調な二元論で見るのではなく、そこに想像力で自分なりの補助線を引いてあげることが分断を止めるための第一歩だと思うのです。
このことから、僕たちは想像力をつけるための作品や想像力が湧く作品を作っていくために「想像力を創造する」ということを大きな軸に活動をしていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします。

想像力についてのお話でした。
ではまた。

QoiQoi 吉次匠生


QoiQoiプロフィール
2018年2月9日に大橋悠太と吉次匠生によって結成されたアートユニット。 当初はano(アノ)として活動していたが、2020年10月1日より団体名を改めQoiQoi(コイコイ)として新たな活動を始めている。

また、「想像力を創造する」をモットーに演劇、映像、インスタレーションなどさざまな分野を飛び越え作品制作を行う。団体名のQoiQoiもquality of imaginationが由来である。 また、社会問題から個人の体験まで幅広い事象を可視化し、常に観客に「当事者性」を提示する作品作りが特徴である。

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