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初の個展、終了しました!!

QoiQoi大橋悠太です!
今回は先日終えた自身初の個展を振り返ってみたいと思います。

今作『GLOSSING OVER』は2021年11月に発表した作品のリメイクになっています。
マスクを使ったスクリーンに映像作品を映すというのは一緒ですが、前回はコロナ禍によって埋もれた人々の声を集めて国歌を作るというコンセプトでした。
しかし制作期間が足りず、インタビューで沢山の人々の声を集める予定でしたが出来ず、会場でその場で録音してすぐに流すというのも考えたのですが、そもそも知名度がなく人が来ないという状況でした。笑
そんな失敗もありつつ前回から学んだのは、参加者が居なくては成り立たない作品制作は今はまだムリで、「知名度ある時か人海戦術か時間をかけられる時」に打てる方法だという事でした。
なので今回の作品は、参加者無しで完結して且つメッセージ性と惹きつけるビジュアルがある作品を目指しました。

その結果どんな作品が出来たのかというと・・・

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こんなだったり・・・

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こんな様なお花を作ったり・・・

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こんな感じで作業をしておりました!

マスクの廃棄問題に関する映像作品がマスク製のスクリーンに投影されている前で、グルーガンでひたすらライトにマスクを接着しバラの花のオブジェを作っていた一週間でした。

作品について

前回を踏まえてどんな作品を作ったのかをまず書かせていただきます。
今回はコロナ禍というテーマは一旦置いておいて、【マスク】そのものに焦点を当て、ここ数年で一気に大量生産されるようになったマスクを、廃棄するにもかなりのコストがかかっているのではないか? 何か他の問題が起きているのではないか? と思ったことが作品制作のきっかけでした。もしかしたらマスクを大量に生産している裏で過剰労働や資源の偏りや環境問題が起きているのでは? それをきっかけにマスクについて調べていき、一番大きな問題として顕在化しているのが廃棄マスクによる環境問題でした。

当初はマスクが強風や大雨で流され、海に流れ着き、海洋生物が餌と間違えたり、劣化して細かなマイクロプラスチックとなって環境を汚染している事などをひたすら調べ、動画にまとめました。
しかしある時相方の吉次に相談した際に、「調べたことをまとめるだけでなく、もっと自分が見える作品でもいいのではないか」とアドバイスをもらい、改めて作品を見つめてみました。すると作品の中に「自分」はどう思っているのか? どんな距離感で問題について考えているのかが描かれていませんでした。つまりは客観性や批評性がなく、学校で見る資料映像のような作品になっていたのです。

これではつまらないと考え直して、作品を展示する空間に自分自身も一緒に展示しようと思い直しました。改めて考えてみると、自分自身普段の生活の中で環境問題を考え、常に正しい行動などできるはずがなく、大切なことは常に正しくあることでもなく、真剣に考え続けることでもなく、自分ができる範囲で関心を持ち続けることだと思いました。
そうすると自分が作っていた映像が急に【きれいごと】を言っている様に見えてきて、「正しいことはわかっているけどそう出来ない自分」や「正論を言われて言い返せないけど胸に残るモヤモヤ」の様な何か矛盾した感情を展示会場で表現できないかと考える方向性が変わりました。

それが先ほど見ていただいたマスクのバラを作ったきっかけです。
動画で訴えた環境問題も伝えたいことですが、社会問題を考える余裕がない自分自身や周りの人たちに寄り添って、何気なしにゴミを出してしまう時や、作品を作るアーティストも結局はたくさんのゴミやムダの上に作品を作っているということを皮肉を込めて、キレイな花のオブジェとして会場に展示してみようとしました。

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安直ですが、作品タイトル『GLOSSING OVER』も「きれいごと」という意味で、そうしたきれいごとをどうしたらうまくいかない日常の中で考えていくことができるのか。作品を通して考えてみてほしいと思い、形にしました。

個展を終えて

今、個展を終えてみて思うのは、「やっぱり一人で作品を作るのは大変だ」というのが最初に頭に浮かびます。今まで演劇を作ってきてなんだかんだ沢山の人の力を借りて作り上げてきたんだなと実感しています。
もちろん今回も力は借りているのですが、自分の一人の作品として構成や内容を考える作業とそれを現場で形にしていく大変さを改めて感じました。

それと同時に作品制作の楽しさもあって、一人で作品について考える時間は自分の好きな想像で、好きな事を盛り込んで、作っていけるのでとても楽しかったです。
特に今回はナレーションも自分自身で撮って編集したので、やっぱり演技したり声の音を考える時が一番自分自身が生き生きする感じがしました。

実はこの『GLOSSING OVER』は今回で終わりではなく、次回作がすでに決定しています。
今年の年末あたりに一人芝居として、再リメイクし作品として上演します!
また、今回はサポートしてくれていた吉次も、個人作品を制作し年内に発表することが決まっています!

今年はQoiQoi始まって以来の多作な年になりそうです。
またお知らせをしますので、ぜひぜひ今後の活動も注目していてくださると嬉しいです!
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Photo by : 神代樹里菜

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