人がお金を使う基準が変わった!2022年上半期を振り返って。(前編)
Voicy No.0177 2022年6月24日放送
日用品 嗜好品
上半期の振り返りとして「コテツのブランド論」のテーマで話しているとおり、自分にとって、さまざまなクライアントの方たち――コテツゼミ、グルコンの方のビジネスとブランディングを考えるのが、プロとしての中心軸です。
ですから、個人的ニュースを話してもあまり意味がないので、コテツ的な視点で上半期を振り返って話したいと思います。
コテツのブランド論にしてもビジネスの見方としても、中心的価値としてあるのは消費者と生活者。ビジネスをやっている人からするとお客様ですが、自分たちも生活者です。
生活者の心境の変化が、消費の基準や引き金を変えていきます。ですから生活者や消費者心理の変化にすごく敏感になってくれというのが、コテツ理論の土台なのです。
ターゲットとするスーパーニッチを絞り込む中で、自分のファンになっていただきたい方とかお客様を研究し続けるというミクロな視点が必要です。自分のファンになってほしい5人、10人、20人ぐらいを研究し尽くすという視点で、その人自体をよく知ることです。
目の前のお客様や、今大事にしているファンの方をよく知るという視点のほか、もう一個広く捉え直したときに、日本中、世界で起きるさまざまな大きな社会的事件、社会環境の変化で、人の基準はどんどん変ってしまう事実があります。
消費者、生活者がそれを自覚しているかというと、いつの間にか変っている。気づいたら変ってしまっているようなことが結構あるのです。
マクロで見たときに世界的とまでは行かないけれども、ネットが出てからは消費者心理でつながっています。
もう少し自分たちのビジネスに近く話せば、日本で生活している方の消費者心理の変化に敏感にならない限りは、どんな商品を出しても、どんな表現をしても、価値基準とか選択基準が変わっていけば全く反応がなくなってしまうのです。
生活者の心理変化は都市から地方へ
これに補足しておきたいことがあります。
オレには地方のクライアントもいらっしゃって、出張してブランディングとかアドバイスもしています。
地域で1番か2番の会社をやっているクライアントもいますし、社名は出せませんが、九州の大手とか仙台のほうにもクライアントさんがいます。
コテツラジオやコテツ的な発言をしていて自分でわかっていることですが、基本、オレは都市型生活者をウオッチしているので、そう持って聞いていただければと思います。
東京の都市型生活者を見る機会も多いし、そこに向かってブランディングや商品、何かイベントとか番組を打ち出していることが多いので、どうしても都市型生活者中心の話になりがちです。
都市型生活者の消費心理の変化とか生活者心理の変化は、徐々に地方に広がっていきます。
「2022年上半期を振り返ろう」のコテツ的切り口は、東京・大阪・名古屋・福岡・札幌・京都・横浜みたいな感じで100万都市、そのあと50万都市、30万都市と、津々浦々まで消費動向はつながっていくのです。
スタバの広がりと一緒ですよね。
孫正義のタイムマシン経営ではありませんが、アメリカではやっているものを見て日本でその3年後を見越して準備する感じで、東京以外の地域の方は聞いてもらえればと思っています。
社会問題とビジネスは切り離せない。
本題に戻ります。
2022年3月に緊急事態宣言が終わって、2年数カ月間がコロナを我慢する時期に変わってしまいました。
自分たちの価値基準と、コロナが明けてどうなっていくかを注視して研究するのが、ビジネスオーナーとブランドオーナー、何か世の中に訴えかけたい人の最大のポイントであることは間違いありません。
コロナ禍で消費とか物事の価値基準、買ったり選んだり行動したりの基準で、2022年3月ぐらいまでの間で何が知らず知らずのうちに変ったかというと、全世界ほとんどの人が、いつの間にか考えを改めざるを得なかったことです。
自分の生活と社会問題の距離感が、めちゃくちゃ近くなったのを忘れてはいけません。
5~10年前なら社会活動家は、ある種、意識高い系な人に見られていました。環境保護団体、動物愛護団体の結構とんがった活動のニュースを見ても、世の中には、こんな人がいるんだと思っていたのです。
あとはビーガンとか肉を食べないといった社会問題が、コロナになって全員逃れられない社会問題にさらされました。だって、やくざまでマスクをしているのですから。
社会のルールを守らないぞという人たちまで、マスクしてアルコール消毒していたわけ。これを世界中でマフィアとかもやっていたと思います。
つまり「反社会で生きていく」という意気込みの方々も、マスクをしてアルコール消毒してワクチン打っていた。社会問題に関しては、何らかのアクションを起こしていって、みんなで防ぎ対応するというのが今回癖付けられたのです。
その流れで犬猫の殺処分、動物実験可否は薬の研究にも興味が広がっていっ
て、「環境と食べ物に関する」となったのは絶対に忘れてはいけません。
自分たちのビジネスや消費を考えるときに、今までは高いとか安いとか、性能がどうかだけでした。
そのビジネスとかブランドオーナーとか、ビジネスをやっている人が関わっている周りにある社会問題について、人とか会社をどう考えているのかというのが尺度として出てきているのです。
かっこつけて体面上で「SDGsをやったほうがいい」のではありません。
そのビジネスが関わっている社会問題的な取組みに「いいことをやっている」と腹の底から言えというのではありません。どう考えているか表明しないと選ばれにくくなっているというのが、3月までのコロナ厳重警戒下における変化でした。
2022年3月21日から、全ての地域で緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が解除されました。
オレはいろいろなところ行くのが大好きです。
といっても勉強しているか商談や企画、ブランディングのミーティングをやっているか消費の現場に行くかですが、そこからの変化の話は、次のチャプターでお話しします。(後編に続く)
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