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いま、ブランディングが超うまくいってるところがやっている事とは?

Voicy No.0171 2022年6月10日 
いま、ブランディングが超うまくいってるところがやっている事とは?




時代性と世界観


今日のテーマは「いま、ブランディングが超うまくいってるところがやっている事とは?」です。

ブランドやブランドコンセプトを考えるときに何をブランドの中心に据えるかというと、自分たちのあり方です。

ブランドコンセプトを伝えようとすると、

ルーツ・ヒストリー・ポリシーがどこから来たのか。
出だしは何だったのか。
ヒストリーが今のようになるのに何があったのか。
どんな出来事があったから
今のようなことを言ったりやったりしているのか。
ポリシーとして譲れないことは何か。
自分たちの存在意義として絶対に外せないものは何か。

今の時代において、こういう考えと設定の下で、自分がどういう解釈をしてブランドをやっているのか考えてみることです。

世界観というと、よくディズニーの話が出てきます。

ただ、ディズニーは多額のお金をかけてオールフェイクをつくっているので、世界観は素晴らしいけれども、あれはまた別の話です。

時代にマッチしている状態で自分のビジネスを考えるときは、今自分がやっていることと時代が合っていなければいけません。

「会社として、こういう解釈をして、こういう設定でいく」というのが世界観なので、勝手に全て想像物でやるものではないのです。

ここを掘っていくと、もう少し時間が必要なので、いったんこれぐらいにしましょう。


社会問題との関わりが問われている。


今ブランディングが超うまくいっているところは、ほぼ全て、社会問題にどう関わっていくかを明言しています。

社会問題・社会課題は、政治がやることではなくなってきているのです。

時代の流れをざっくりさかのぼると、戦争に日本が負けて、1940年後半からアメリカのほぼ占領状態のまま復興に向けて走り出します。その形ができるのに1950年代を使い、インフラ等を整えて1960年~1970年代に子どもたくさん生まれました。

高度経済成長期は、自動車、家電、住宅も数が出て、大量生産し工業が伸びた時代です。そのとき環境汚染がめちゃくちゃあったわけ。

少し前の中国でも話題になっていたように、工業廃水を川に流していたりしたのです。

今は考えられませんが、環境とか女性活用・活躍、さまざまな社会問題をいったん横によけて、経済成長の波に乗ろうとやっていた1960年代、1970年代は、今と違って、本当に考えられないことがたくさんありました。

労働基準法に反して、残業も会社で寝たりしていたようなモーレツ社員時代でした。

自分はそういうノスタルジックな話をしたいわけではなく、昔はビジネスと社会問題は離れていたと言いたいのです。

その後1980年~1990年になると、世界的にも環境保護団体のグリーンピースがクジラを捕るなとか、社会問題に対して先鋭的な活動をする人が出てきていました。

アメリカではこんなことが騒がれて、周りの方に配慮して分煙になり、ほぼ禁煙にもなりました。

日本では昔、電車でも、病院の待合室でもタバコを吸っていましたからね。
それがタバコを吸えなくなり、だんだん社会環境の整備、社会問題に対して、全員が気を配る余裕ができてきたのです。

生死に関わるインフラ整備をした1950年代を過ぎると、1960年代~1970年代の高度成長期になります。1980年代になって無気力世代とかが出てきますが、その分、もうちょっと社会問題に目を向けるようになってきました。

大きかったのは、アメリカとかで環境に関する運動があることを知識階層がキャッチしたことです。10年~20年遅れで、日本でもそういうことが気になってきたのです。

決定的になったのはコロナです。
地球上の人類が全員無視できないパンデミックにさらされて、コロナのような伝染病の中で生活をどうするか突きつけられました。

昔は「風邪をひいていても会社に来い」だったのが、「そこまでするものでもないよね」となり、男性も育休を取るようになるという時代の流れがありました。

パタゴニア、ヴィトンのSDGs活動


環境に配慮することが大前提で、かなり会社の存在意義の上位概念に置いているパタゴニアという会社は1965年設立で、1970年代から積極的に活動を開始し、今もウインドブレーカー的なもの、アウトドアやスポーツグッズを売っていますが、会社として環境に関するモノに売上から必ず寄付をしています。

ヴィトンも森林保護に数億円使っていたりするわけです。
これまでは余裕のある大企業の話だったのが、
もう変わってきてしまっているのです。

今超売れている、イケているブランドが何をしているかというと、
社会問題との関わりを真剣に考えています。

新規の案件5件のうち、1件ぐらいは「SDGsをやらなきゃいけないんですよ」という会社です。

「社長がプレスリリースを出して1回会見しちゃったので、SDGsをやらなきゃいけない」という儀式的SDGsの話をしたいわけではなくて、
社会問題は多岐にわたるので、何でもありということです。

例えば日本では結構年齢が上の層がいまだに権威を握っているので、
若手を集めたコンテスト的なことをやっています。

学生を集めて自分がやっている業種業態に関わる若手を育てることも、社会問題に対する考え方です。

また、女性の給与格差問題をやっているとか、化粧品ブランドなら動物実験をしませんと明言したりしています。

アパレルや食品業界の大量破棄問題


デパートは、閉店間際までショーケースにモノが並んでいないと売れません。「全部売り切れましたというのは基本的にはやめてくれ」という指導の下に食品はやっているし、レストランでも大量に捨てています。

こういうことは、自分がやっているビジネスやブランドに関しても、絶対にあるはずです。

「ポーズだからやったほうがいい」と言っているのではありません。

「コテツがごちゃごちゃ言っているから、世の中の社会問題で気になることと一体化させてメッセージを発してみよう」で、出だしはいい。そういうメッセージを持ってやっている、うまくいっているブランドはたくさんあります。

ユニクロとか無印も、ウイグルの奴隷労働で綿を栽培していることも逃げ切れなくなるのではないかというぐらい、時代は変わってきていると思っております。

以上、久々野智小哲津でした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
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