現役中から引退後のキャリアのためにやっておくべきこと
はじめに
アスリートのキャリアの問題について、よく話題に挙がるのが、現役中は競技に専念すべきなのか、それとも*デュアルに活動すべきなのか。という問いである。*デュアルとは二重性を表す。よくいわれるデュアルキャリアとはアスリートと社会人(人生)としての活動を同時並行に行うことである
ただ、私個人の意見としては、どちらも正解だと考えている。それは競技によって得られる収入幅が違うし、年間の試合数や、普段の練習時間など、競技にかける時間と対価のバランスがそれぞれ違う。例えば全日本クラスでも年収が高くない競技をしているアスリートであれば、そもそもデュアルで活動しなければ生活していけない場合もある。または一つのことに全力で集中したいタイプの方もいる。
なので、どちらが良いとかではなく、個々の環境や思いに合わせた活動スタイルをとることが望ましいと考えている。
現役中からやっておくべきことは”自分を知る”こと
私は現役中から引退後に備えて何か特別なことをすべきだとは考えていない。しかし、いざ引退したときにある程度自分のキャリアを選択するうえでの判断基準を明確にしておく必要はあると考えている。
自分を深く知るというのは、"自分は野球が好き"みたいな表面的なものではなく、野球のどういうところが好きなのか?野球をしていて一番喜びを感じる瞬間はどんなときなのか?というようにあらゆる視点で深堀をしていくことで自分の思いを言語化することだと考えている。
就職活動をおこなった私の経験上、野球以外に自分のやりたいことや好きなことを見つけることは想像以上に難しい。ましてや、戦力外通告を受けてから
次のキャリアを選択するまでの時間が少なく、その中で後悔なく自分のやりたいことを見つけて判断をすることはかなり難しい
※球団職員などの場合は1週間ほどで判断を迫られるケースもある
また、自分のことは十分知っているという思い込みから、安易に引退後のキャリアを歩んだ後に「もっとちゃんと考えておけばよかった」と後悔してしまうパターンもある
例えば野球と携わるにも、現場(指導者)、運営側など様々ある。現場といってもアマチュアもあればプロや独立リーグもあるし、運営側も職種(広報やマーケティング)によってやることは違う。
ここで言いたいことは携わり方によってやりがいや収入、ワークライフバランス(勤務日、勤務時間、休日)が変わってくるということだ。
なので、自分を深く知り、次のキャリアを選択する判断基準を明確にしておくことで、仕事を始めてからのミスマッチを極力防ぐことができる。
私が自分を深く知るためにやったこと
ここまでは自分を深く知ることの重要性について説明してきた。ここからは私が実際にやった『マインドマップ』という方法と『5W1H』というフレームワークを使って分析する方法を紹介する。
まずは『マインドマップ』のやり方について
紙の中心に自分が行っている競技名を書く。そしてそこから、好きな理由や好きなところを枝のように書き足していく。(下記にイメージ図を掲載)
そして更に枝から枝を生やすようにどんどん書き足していく。すると自分がやっている競技を通じて自分がどんなところに喜びや、やりがいを感じているのかがみえてくる。そして、ここで見えてきたものを基に次のキャリアでやりたいことを探してみる。
※以下のキャプチャはあくまでイメージまでに作成したものなので、本来はもっと無数に書いてみていただきたい
尚、詳細なやり方等はGoogle等の検索サイトで『マインドマップ』と検索してご確認ください
次に5W1Hを使った分析方法について説明する。
5W1Hがわからない方は*以下、ご参照ください
*5W1Hのフレームワーク
『Why(なぜ)』『What(何を)』『How(どのように)』『Who(誰にor誰と)』『Where(どこで)』『When(いつ)』
やり方についてだが、まずはマインドマップ分析を通じてみえてきたものを基に自分がどんな仕事をしてたいかを書く。そしてその仕事に対する5W1Hの各問いに答える形でフレームワークを埋めていく
(以下イメージ図)
これらを一通りやったら、自分のやりたい職業のイメージをより具体的に記載し、何度も繰り返し行う。
やり始めは難しいと思うので、粗々でもよいからフレームワークを埋めていくことをおススメする。どうしても埋められないところは空欄でもよい。そして何度も繰り返していくことで自分の思いや考えが具体化され、自分がやりたいことや、なぜそれをやりたいのか?ということを言語化できるようになる。もし、途中で違うと思えば、辞めて他の仕事でまた試してみていただきたい。
私はこの2つの分析を何度も行い、自分のやりたい仕事を具体化した。
そして引退後すぐにコンサルティング会社を目指して就職活動を開始することができた。
当然、これだけで十分とはいえないが現役中から簡単に始められる準備として、自分を深く知ることの重要性と自分を深く知るための方法について紹介した。
以上。
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