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自閉症と3年間のカゼインフリーとグルテンフリー

自閉症育児において、カゼインフリーやグルテンフリーを試してきました。確か2-3歳の頃から開始したので、現在おそらく3年ほど経過していると思います。様々な情報を真偽不明のまま読み漁る中で、どれか少しでも発達の助けになるものはないかと試してきて、こんな効果だったのではないかという記録をお伝えします。私は医者でも食事療法の資格があるわけでもなく、単なる必死に色々やってきただけの一般人の推測であることをご了承ください。


効果があったと思えること

自閉症はカゼインフリーとグルテンフリーでは治らないですが、自閉症が多く抱える腸内環境不良と意識の問題を解決していくことには役立っているだろうというのが私の現時点での結論感覚です。おそらく以下のようなことに効果があったと考えています。

  • 排出可能な便意を感じ取れるようになったためか、トイレに自分で行けるようになった。(3歳ごろ)

  • 睡眠サイクルが安定した

  • 自傷行為やヒステリーなどを一切起こす事なく、自己管理できない感情的な乱れが起きにくくなっている 。(感覚過敏に対するものは除く)

  • 上述のような乱れが少なくなることで、学習環境(認知機能にアクセスできる時間)を拡大できるようになる。例えばオムツが取れるだけでも親はプールに連れていくことができるし、生活サイクルをルーティン化しやすくなるため、自立活動の発達を促す取り組みに時間をかけられるようになる。

  • 親が(私が)グルテンフリーとカゼインフリーの食事を学習し自炊能力が高まる。意外にも対象商品が多くあることを知る。


行動のおかしさは、自閉症によるものか、体調不良によるものか

6年以上自閉症育児を行ってきて、よくわかったのは「何らかの障害による脳機能の一部不全」と「体質・体調不良による意識や行動の乱れ」は分けて取り組む必要があるということです。知的障害を伴う自閉症ではこうした要素が組み合わさっていると感じてきました。例えば大人であっても、多量の小麦を食べて血糖値の急激な上昇で眠くなったり(眠くなることが耐糖性の低下とは知らない人も多い)、遅効性アレルギーの作用で腹痛や便秘が続けば人の話を集中して聞くだとか「いうことを聞きなさい!」等と言われても、「そんなことより体調が悪いんだ、理由はわからない」という方に意識が乱されると思います。おそらく大人も自分の体調が優れない理由は、食べ物の可能性結構高いんじゃないかと思います。おそらく知的障害を伴う自閉症などの場合では、そもそも口語能力の発達が著しく遅いため、自己表現ができたとしても、ウーウー唸る、横になりたがる、などの行動になってしまうことしかできないのではないかとも思います。

一般的に自閉症などでは腸内環境が悪い子が非常に多いと言われています。息子も非常に便秘がちの子で、また大便が黒く硬く太いことが多い子でした。そのため、何かを学習したり覚えたりする以前に、まずは体調を最善の状態にすることで、自閉症としての障害課題の改善に取り組みやすくできるような環境づくりが必要ではないかと考えました。

グルテンフリーとカゼインフリーの味方の食べ物

当初グルテンフリーは通常の生活や食育をおろそかにしたくないという意識の中で、実現は難しく感じました。主食たる食品の多く、パン、麺、加工食品、外食の多くは小麦で構成されており、一見食べるものが全くなくなるように感じます。そして自閉症の子は不思議と「白い食べ物を好む」傾向があると思います(ウチだけでしたらすみません)。完全な除去食にすることはできずとも、イオンで売っているグルテンフリー商品を利用することで自炊におけるグルテンフリーは結構実現することができました。

  • おこめでつくったふんわりパン : 息子はパンが大好きだったので、このパンには非常に助けられています。米パンなのでそのままではボソボソで食べられたものではないですが(息子はボソボソでも好んで食べることがありますが)、レンジでチンすることでふっくらした美味しいパンになります。

  • 乳成分を含まないまろやかチョコレート : アレルゲンが含まれていないチョコレートで、実際に甘く普通のチョコレートとして遜色がありません。勉強や家事の誘導などの際に非常に重宝します。

  • 米パン粉 : 息子がとんかつやフライが大好きだったので、グルテンフリーでも実現できないかと試した結果たどり着いたのが米パン粉でした。最初は米粉を使った料理に挑戦していましたが、米粉はすぐ固くなるのでなかなか扱いづらかったですが、米パン粉は普通のパン粉のように揚げ物に使えたので、ガンガン使ってました。

外食ではなかなかグルテンフリーまで提供しているチェーンが多くはないですが、ロイヤルホストやカレーのココイチは低アレルゲンメニューを子供用に提供してくれています。

  • 低アレルゲンおこさまハンバーグプレート : 大人は好きなものを食べて、子供はグルテンフリーで食べられるのでロイヤルホストはロイヤルホスト様と呼ばせていただきたいくらい感謝しています。

  • 特定原材料を使用していないカレー : 店舗でもUber Eatsでもレトルトパウチ形式で提供されるので、一緒に食べていると精神的に子供に申し訳ない気持ちになりますが、低アレルゲンで一緒に食べることができます。個人的にはあんまり美味しくないですが、カレーという存在に慣れていくことはできます。

加工食品っぽくない外食といえばあとは寿司屋や油が大量ですが中華料理なども小麦や乳製品という選択肢を排除しやすく食べやすい領域でした。

多分和食が最強

グルテンフリーとカゼインフリーを数年間続ける中で、おそらく和食が最強だと思うようになりました。そもそも小麦を取らなくても、日本の場合は米という最強の糖質が存在しており、和食に野菜を多めに摂取することで多くの栄養バランスは担保できます。牛乳もヨーグルトも飲まなくても死なないですし、骨が折れることもありません。小麦も同じです。
ですが、食べたいものを自由に食べられない、異常にグルテンやカゼインを気にしずぎたり、サプリメントに取り憑かれたり、食べることが楽しくないとなってしまっては本末転倒になるかなと思います。一時期私も子供のためにと思い込みすぎてかなりの除去食を意識していましたが、あくまでも体質にあった食事を好んで食べられるようにすることが大事だろうと思います。

息子は今、狂ったように白米と鯖、納豆と野菜が好きな子供に育ちました。排便や睡眠サイクルの安定、むやみな不安衝動がなくなったことから、たまに加工食品や外食で楽しむことを加えるようにしています。主食は米、魚、肉、野菜を中心に、マックのフライドポテトやオレオなども、たまに食べさせてみて、日々の生活に影響が出ていないを確認しています。今のところ大きな変化はありません。好きなものを増やしてあげながら、体調不良の原因になるものを最終的には自分で判断できるようになってくれればと思っています。

まずは子供の全ての発達障害的な振る舞いを「障害によるものだ」「アクセス不可能なものだ」と決めつけすぎず、「体質不良による影響」があるかもしれないとして、万全な環境をまずは目指されていくことが、親にとっても後悔しないための手段の一つになると思います。

補足 : グルテンとカゼインの遅行型アレルギーに関する検査

日本ではグルテンとカゼインのアレルギーに対する検査は保険対象ではないことがほとんどです。数万円をかけて実施することもできると思いますが、そもそもアレルギーの有無や自閉症の有無に関わらず、体質にあっていない、不要な食習慣かもしれないと考えたので、私は検査を受けていません。気になる方は食事療法を取り入れている療育サービスや、キットを購入して試されるのが良いかなと思います。自閉症は重金属によるものという一説もあったので毛髪ミネラル検査は実施しました。少量の水銀がやはり検出されていたので、キレーションとして亜鉛等の対抗ミネラルを摂取して1-2年でかなり軽減はしました。ですが自閉症と思しき症状の改善に効果があったのかどうかはまるでわかりません。

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