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ミキシングTips:下準備をしっかり

おはようございます(昼)お寝坊女子高生ふぇいりあちゃんです。

4月頭からゴリゴリやっていた作曲タスクが片付いたので、BOFや諸々のイベントに向けて曲をゴリゴリ作れると思うとワクワクしますね。

今回は「ミキシングを始める前の下準備をしっかりしよう」という記事です。

オーディオインターフェースやモニタースピーカーのゲインは適正か
というのも、オーディオインターフェースやパワードスピーカーにはプリアンプ(アンプ)が内蔵されており、オーディオインターフェースやスピーカーを最も効果的に働かせるためにはそこそこのゲインにするのが良いらしいのです。
ギターやベースをやっている方なら同じような話を聞いたことある人はいるんじゃないでしょうか。
環境によっては大きな音でできない人もいると思いますが、ヘッドフォンメインでも少し変わってくるところかなとは思います。

48kHz,32bitfloatで作業を進めよう
録音やMIXにおいては音の情報量が多くきめ細かい方がやりやすいというのは何となくのイメージでも分かりますよね。
48kHz → 1秒間に48,000回の音データを記録
24bit → 2の24乗 = 16,777,216段階のダイナミクスを記録
32bitfloatについてはおなじみsleapfreaks先生が解説してくれています。
https://sleepfreaks-dtm.com/dtm-mix-technique/32bit-float/

プロジェクトファイルのトラック名や色分け、順番を整理
単純に見た目で分かりやすくするためです。トラック名適当なままやるといちいち「これは何のトラックだっけ…」と考える必要がでてきてしまい、作業においてストレスとなってしまいます。

すべてのインストゥルメントまたはオーディオのインプットが-10dbFS程度になるよう調整する
この記事で一番伝えたい内容です。大事なのは「アウトプット」ではないこと。「元の音がでかいからフェーダーで下げる」のではなく、インストゥルメント内のアウトプットや波形の音量を直接いじって、フェーダーが0dbのままのトラックに-12~-10db程度で音が入ってくるようにしましょう。
なぜこのようなことをするのか?
これには「ヘッドルーム」「ゲインステージング」といった言葉が関係してきます。
LANDR先生のブログ記事がとても分かりやすいかと思いますので貼っておきます。
https://blog.landr.com/ja/ゲイン・ステージング%ef%bc%9a適格なレベルでより良い/

個人的な感覚の理由としては、
①この音量なら、EQやコンプ等の処理によってダイナミクスが大小に変化しても単体でのクリップをすることはない
②この音量にしておけば、すべてのトラックをミックスしたときにまだマスターに数db程度の余裕がある(ヘッドルーム)。また毎回レベルを同じ感覚で確認できる。
③これくらいの音量が、EQやコンプにおいては適正にかかり始めるゲインとなる(特にアナログモデリングプラグインなど)。例えばWaves PuigtecシリーズやCLA-76といった積極的に音に歪み感を足していくようなアナログ系のプラグインでは、これくらいのゲインにしておけばちょうどよく歪んでくれるそうです。CLA-76なんかの初期設定のツマミはすでにいい感じの所に設定されているんですよね。ということはそこがちょうどいいところなんだと言えます。

アレンジや音作りが完成したトラックはとっととオーディオ化
ソフト音源はCPUを食らいます。BMS作家の場合は諸事情でオーディオ化することができないのが悲しいのですが、特にBMS化する曲でもない場合はソフトシンセやモデリングベース、ストリングスなどをさっさと録音してしまいましょう。こっちの方がDAWが圧倒的に軽くなる上にもっとパワーが出てきたりします

ボーカルやギター録音のノイズ除去・ピッチとリズム補正
これはその手のジャンルを作る人ですね。特にボーカルはアクが凄く強い食材なので、ちゃんとアク取って食べられるようにしないと食えたもんではないのです。ゴボウ的な。
ちゃんと無音部分をカットしてフェードインアウトかける。コンピングするならつなぎ目もできるだけ自然になるようにして、やたら飛び出ていたり引っ込んでいたりする音があればフェーダーのオートメーションではなく(アウトプットになるので)VocalRiderなどのプラグインを前段にインサートしてからオートメーションで書いたり、特定の音だけをカットしてそもそも波形を小さくしたりなどの地味な作業を超しっかりやりましょう。
勿論ピッチ補正とリズム補正(リズムメッチャ大事です)も全力でやりましょう。私はここの作業に2時間くらいかけることが多いです。ピッチもリズムも音揺れも、なるべく目で見てやるのではなくて耳でしっかり判断で

パンを振る
思いっきり振りましょう。L,R100まであるので使った方がいいですよ。

バスチャンネルにまとめる
似たようなグループ・ほぼ同じ音などはバスチャンネルにまとめてしまいましょう。例えば生ドラムの場合のKick_inとKick_out、Snare_TopとSnare_Bottom、ドラムキット全体であったり、ボーカルのハモリ左右2本やコーラス左右上下4本であったり、左右に振ってあるループ系素材2本だったり。これらにそれぞれプラグインを挿していたのではCPU食いすぎてメチャクチャ重くなってしまいます。さっとバスチャンネルにまとめてステレオのプラグインでごっそりローカットなどしてしまいましょう。
BMS化する場合はあんまりまとめられもしないんですが、BGMに回す音であればまとめて処理してよさそうですね。

FXチャンネルも作っておく
確実に使うであろうリバーヴとか、ボーカル楽曲ならダブラーとか、4分のディレイ、付点8分のディレイとかあると思います。ワンショット系(例えば曲中に数回あるスカーーーンって感じのクラップとか)にはインサートで直接リバーヴ挿したりとかしたほうが早いんですが、基本的にはセンドの方がずっとやりやすいと思います。原音のボリュームが変わらないので。

マスターにアナライザーを挿しておく
ローカットどの辺までしよう、とか極端なピークがあるな、とかの周波数バランスチェックに非常に役に立ちます。私はWaves PAZ AnalyzerとFabfilter ProQ3を使用しています。しょっちゅう見ることになるのでピン留めしておきましょう。


ミキシングという作業は、相対的な音量バランスをとるであったり、大体がEQでのバランス補正(音作りの意図ではない)であったり、音をダイナミックにするもしくは音を引っ込める(コンプレッサーでコントロール)、リバーヴを足すといったことが大部分を占めるはずです。そしてこの作業自体は、音がすでにしっかり作りこまれていて良い音であれば短い時間で済むはずです。

上記のような下準備の部分と、バランスを取るミキシングの部分でしっかり分けて考えると、ワークフローとしてゴチャゴチャせずにミキシングを進められるのではないでしょうか。音作りの意味でのEQやコンプといった作業はミキシングコンソール上で行うのではなく、できる範囲でソフトシンセ側で終わらせてしまいましょう。ソフト内にEQやボリューム、リバーヴなどがついているのはそういうことなのです。

そもそもの音作りやサンプル選び、レコーディングをしっかりやる
そこにしっかり時間をかけるべきなんです。そうすればミキシングはとても楽になりますから。よく使ういい音はプリセットを保存しておいたりサンプルなら自分のお気に入りフォルダを作ってそこにポイポイまとめていくとかすると作曲の段階でも効率があがると思います。

作曲よりミキシングが楽しいと思うタイプの人間なので、ミキシングがストレスという方のミキシングモチベがもっと上がればいいなと思います。素敵な曲を、もっと素敵に仕上げましょう。

https://twitter.com/qfeileadh
https://soundcloud.com/user-684510694

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