【日記】片岡鶴太郎

 休日の昼、最近よく使う近所の中華屋に入り、酢豚を食べながらテレビを見ていると、ロシアが、地上へ電磁波攻撃が行える原子力人工衛星兵器を作ろうとしているというニュースがやっていた。
 防衛費増を決定したばかりだ。実にきな臭いニュースだと思った。
 酢豚は、カリカリに焼かれて濃い黒酢餡が掛かっていて非常に美味しかった。
 防衛関連のニュースは、巧妙に可愛い動物のニュースに挟まれている。
 間もなくして、番組が徹子の部屋に切り替わった。
 徹子の部屋、しばらく前からなのかもしれないが、時間が短くて話題の切り替えも早く、まるで箱番組のような調子だと感じられた。
 夫婦でやっている中華屋で、店のカウンターで一人ずつ昼飯をとっている。食いかけで、支払いの対応をしている。二人とも中国人だった。
 今日のゲストは片岡鶴太郎で、「マッチでぇ~っす、黒柳さぁ~ん!」というモノマネをしていて、ここはいつの時代かと疑ったが、まぎれもなく令和の映像である。
 三線を取り出し、沖縄の伝統的な歌から、ふざけたモノマネメドレーみたいなものを歌って、黒柳が上品に手を叩いて笑いながら、おそらく番組は終わった。おそらくというのは、そこで店を出たからだが、お店の奥さんの方ももう飯を食い終わっていた。

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