【日記】ブレードランナー

 余り縁のないマッサージ師に良いマッサージを受けたあと、電車に乗るところで知り合いに話し掛けられ、ブレードランナーは最新の2049が一番良いと思うのにそれを周りに言ったらぜんぜん共感されないという話をされた。電車は、ちょうどホームに着いたら扉が開いているところで、「次の電車をご利用下さい」と言っていたのでその通りにした。自分もブレードランナーは、やはり1982年版の方が、印象が強い。というか、2049年版をまだ見たことはないが、CGというのかSFXというのか、とにかく当時のは映像がエポックメイキングであり、その衝撃と比べると、2049年のものがいくら良い映像を作ったといっても、そこまで印象に残らないのは道理ではないだろうか。そう説明したが、反応はなかった。時空が固まったかのようだった。それで、改めて1982年版を見直してみると、思いの外映像は荒かった。それよりも、冒頭に出てくる食べ物屋の、日本人のおじさんの演技の方が、なんともいえずいい味を出しているのだった。やっぱり人間か。自分も年を食ったものだ。電車に乗っていると、向かいの人に、ブレードランナーの例の「二つで十分ですよ」の俳優の墓が、青山墓地にあるのでお墓参りするといいですよ、と話し掛けられた。しかしあの俳優と何か特別な縁があるわけでもないので、その通りにしようか迷っている。

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