マガジンのカバー画像

小説

51
運営しているクリエイター

2022年3月の記事一覧

はる、なつ、あき、ふゆ、そしてまたはる(24)

 エピローグ。  さいきん共通の友人から聞いたところでは、元恋人は小学校の教師だという人…

はる、なつ、あき、ふゆ、そしてまたはる(23)

 恋人と私は自殺未遂の一件があってから別れた。世田谷のアパートも引き払った。私はアルバイ…

はる、なつ、あき、ふゆ、そしてまたはる(22)

 我々は二人でいっしょに自殺未遂をして、(幸か不幸か)二人とも助かってしまったのだった。…

はる、なつ、あき、ふゆ、そしてまたはる(21)

(続) (目次)

はる、なつ、あき、ふゆ、そしてまたはる(20)

(続) (目次)

はる、なつ、あき、ふゆ、そしてまたはる(19)

「二人でいっしょに死のう」 「そうしよう」 (続) (目次)

はる、なつ、あき、ふゆ、そしてまたはる(18)

 やがて私も病気になった。医者によると「軽度の病」とのことだった。恋人の病気と較べればまだましだった。仕事に行くこともできたし、家事をこなすこともできた。  しかし、仕事も家事も「何とかできる」というレベルだった。日勤と夜勤の二つのアルバイトをして、全ての家事をするのは大変なことだった。ときどき全てをやめて死んでしまいたくなった。  でも、私はもう一人だけの人生を背負っているわけではなかった。恋人と暮らしている以上、二人分の人生を背負っているのだ。一人で死んでしまうわけに

はる、なつ、あき、ふゆ、そしてまたはる(16)

 どうしてもしばらくこの物語の続きを書くことができなくて、前章からだいぶ間が空いてしまっ…

はる、なつ、あき、ふゆ、そしてまたはる(17)

 恋人が病気になったのは二人で暮らし始めてから一年が経ったころからだったと思う。  まず…

はる、なつ、あき、ふゆ、そしてまたはる(15)

 失踪から一週間経ったころ恋人は突然帰ってきた。一週間に渡る失踪自体なかったことのように…