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本編でいつか使うであろうalice in underland

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間際でさえ美しいのか

「あっ」

 思わず、声を上げた。窓辺に佇み話していた彼の鼻から、すぅ、とまた血が垂れたのだ。

 え?と困惑の声を上げた瞬間、彼が咳き込む。そして口元を押えた手からぱたぱたと零れ落ちる、深紅が。華奢で蝋人形のように白い指を伝い、溢れ、手首へと落ちる。普段あまり表情の動かない彼の、驚いたようなその顔。

「ああ・・・済まない、布を」

「分かったし、動かんとき。大丈夫やよ、狼狽えんと静かにな」

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猫の土産

「・・・何じゃ、随分と生臭いのう」

 ボクが部屋に入るなり、ご主人様は宙に紅茶のカップを一瞬止めてそう呟いた。日も暮れかけ、徐々に夜の気配が迫る3番街の外れの洋館。おかしいな、今さっきシャワー浴びてきたばっかりだっていうのに何で気付かれたんだろう。

 暖炉に近寄る。髪が長いから乾かさないと風邪を引くのは知っているけれど、ドライヤーは何となく嫌いだ。まぁ、この時代にエアコンじゃなくて暖炉が部屋の

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白兎の手紙



 親愛なるアリスへ 

 アリス。アリス、私は裏切っているつもりなどなかったのです。いわば出向のような、そんな。けれど私がはたらいているのは紛れもない裏切りであると、今この状況に立たされて初めて、私は痛感しました。

 告知台に立つ私に向けられる、貴女の絶望の瞳が。証言者席にいるあのイカレた帽子屋も、恐らく何もかもを思い出したのでしょう。ええ、そう。これは私に与えられた罪と罰。けれど、人との

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自分で言いに来させなよ

「あの・・・今お時間、宜しいかしら」

 私は、病室のカーテンをそっと開ける。個人医院とはいえ歴史が長いせいか、随分と病室の手入れは行き届いていた。

 ”彼”は、窓の外を見つめている。一瞬その様子が死体のように見えてはっとしたが、すぐに彼はこちらを振り向いた。

「あんた・・アリス、だっけ。見舞いに来るのに拳銃引っ提げて来るってことは、一人で来たんだ。なら狙撃に気を付けたほうが良い」

 ちらと

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