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1230「スロー再生」

一昨日比較的深酒してしまったせいで、昨日の午前中は二日酔い気味だった。酒量が増えているのはまああって、それに伴ってアルコール耐性も強くなってしまっている感覚はある。朝のルーティーンをやって、決めてしまったのでしょうがないので昨日も文章を書いて(眞子さんのやつ)、お休みだから出かけようとするんだけど、やはり頭がぼんやりとふやけていて、こんなことではダメだなあと思ったので、子供が帰ってくるまで掃除をして断捨離をしていた。

酒というのは、どうしても意識とか感覚を洗い流してしまう感じがある。感覚も思考も感情も劣化する。その上で得られる効果って何かというと、「時間を経過させること」だと思う。酒を飲んでいると、人生が早送りされる感じというのはある。映像をコマを飛ばしながら早送りしていく感じ。情報量が多いから、私の場合はどちらかというと頭の中がごちゃごちゃする。

なので、折角のお休みなのにわざわざ早送りしていることへのがっかり感があったのかもしれない。楽しい時間ではあったのだけど。

一方で、普段の私は酒を必要としていて、酒でも飲まないとやってられない感じ、というのが結構ある。それはどういうことかと、時間があるのにかこつけて反省すると、多分仕事に対する緊張感がすごいことになっていて、なるべく重圧の中で過ごす時間を早送りしたいんだろうと思う。

毎日がプログラミングとかの作業で終えられるのなら恐らく何も問題なくて、重圧よりもやったってやる感の方が強くなるのだと思うが(そしてそういう作業をやっているときは時間も気にしなくて済む)、生憎自分の労働時間は打ち合わせで埋め尽くされていて終始しゃべり続けている。私は元来完全なコミュ障で、後天的に人としゃべるスキルを身につけている人間なので、そういった日常の仕事はひどくMPを消費してしまう。1日の打ち合わせが終わると、もう自分にホイミをかけるMPも残っていない。なかなかしんどい仕事を選んでやっているのだが、宿命みたいなものなのでしょうがない。還暦超えたら絶対にただのプログラマーに戻る。

普段そういうモチベーションで酒を飲んでいるから、いざ休みになって自分を省みる時間ができるとこんなふうにファッと飲む気がなくなったりする。たぶん今日も飲まない気がする。今日の自分には必要ない感じがしている。ということは、まだ自分はアル中とかではなかったのだなと思う。

何しろ、酒は「早送り」なので、本質的にMPの回復にはつながらない。その他、早送りっぽい行為というのはいろいろあって、ドカ食いすることだったり、ソーシャルメディアをずっと見ていることだったり、打ち合わせでずっとしゃべっていることも、自分にとっては人生を早送りしてしまう感じがある。

一方で昨日私が酒を飲む代わりにやっていた掃除という作業は、これは完全にMPを回復させる瞑想作業だと思う。友人の僧侶の松本紹圭さんも、みんなで掃除することを瞑想行事化している。無心に環境をつくっていく、快適になった環境の効果がフィードバックされて、頭の中が浄化されていく、というのはあると思う。

何しろ、身体に何かをさせて頭を空っぽにすることは、MPの回復につながる。よく言われるように、サウナなんかは自律神経云々もあるが、熱かったり冷たかったりで、余計なことを考えなくて済むという効果もある。余計なことを考えなくて済む、という意味では、自分の場合は洗い物はかなりそういう効果をもたらす。その他、これらも自分の場合だけれど、レゴやプラモデルを組み立てる(考えたくないので、説明書通りに)、とか、仕様書通りにプログラムを書く、とかは回復効果につながる。あと、意外に、カジノでサイコロ振るとかも回復する。そういった行為は、時間の経過を早く感じるかどうかは別として、早送りの逆で、人生を「スロー再生」しているような感じなのかなと思われる。そういう時間は、時間を経過させたくて何かしているわけではないからだ。

ここまで毎日書いていた文章も、早送り的というか、仕事ばっかりやっている日々の延長線上でファーっと書いてきたところがあるが、お休み6日目にして、やっとそういう感覚を客観視できるようになってきた感じがしていて、それを象徴しているのが酒を飲む気が無くなったことのような気がする。今日はネット記事やソーシャルメディアも見ない。長く休むとこういう状態に戻ってこれるのだけど、どうせ仕事が再開してしまうとまたすぐ早送り状態になってしまうのだろうなあと思う。折角日本にいるので、ふくろうカフェにでも行ってくる。

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