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0119「NY子育て日報・7日目」

昨日は、日報を書いていたら長女が私がいるリビングルームに寝ぼけて出てきて、ソファで寝てしまった。私もAbemaTVの大相撲ライブをYouTube Liveに横流ししているチャンネルを見ながら(たぶんダメなやつなんだろうけど)酒を飲んでいたら、フローリングで寝落ちしてしまって、右肩に人面瘡みたいのができる夢を見て、フローリングが当たっていた右肩に結構な痛みを感じつつ起きたら5時頃。「あちゃー」と思って、長女を寝室に戻して自分も一緒に寝て起きたら、8時30分。これは平日にやってしまうとアウトな時間なので、肝が冷えた。

今日は長男のピアノの発表会。朝から「練習しとけよー」と言って圧をかけると、さすがに当日で危機感があるのか何回も反復して練習している。が、ここまですごく一生懸命毎日やってきたわけでもないので、ちょこちょこ引っかかる。

とはいえ、楽器の練習っていうのは非常に微妙な行為で、もうこれは反復と習慣の中でコツコツやっていくしかない。コツコツの権化のようなものなので、楽器の演奏がそもそもあまり好きではないと、苦行化する。私は中高ブラスバンド部でトロンボーンを吹いていたが、まああんまり吹奏楽で演奏する楽曲に興味がないというか、普段はメタル音楽を聴いていた高校時代だったので、結構苦行だった。そんなに良い思い出はない。トロンボーンはそこそこ上手くなった。

で、大学に入ってからジャズのビッグバンドサークルに入った。そこからは、自分の人生というかヘッドフォンからは多くの時間ビッグバンドジャズないしはジャズが流れていて、つまり、好きな音楽と演奏する音楽が一致するようになった。そこから、楽器の練習は苦行ではなくなった。ラッパなので環境は限られるが、時間さえあれば毎日演奏したいほど、演奏は楽しい。

長男はまだ、何かの音楽に没入する喜びを知っているわけではないと思う。しかしポケモンカードの収拾とか、既に何かに夢中になる経験はしていると思うので、うまく歯車が合うと楽しいのになーと思う。好きな音楽を自分で演奏できる人は幸せだ。

朝食の不足というか、食糧の不足に対する不満が高まっている。スティックチーズとか、即戦力になるような調理無しで食べれるものが無いので、「お腹すいた」攻撃が止まらない。いま考えればベーコンエッグでもつくればよかったのだが、今朝は思いつかなかった。韓国のりを食わせたりとかして溜飲を下げてみたりしたが、今日こそスーパーに行かないとまずい。

昨日、掃除・洗濯・洗い物をすることで家庭は荒まなくて済む、とか偉そうなことを言ったが、食糧が不足するとそれはそれで荒む。

音楽でもかけて気分を上げるかと思って、パット・メセニーの新譜の中の先行リリースになっている曲を聴こうとしたら、長女に「プリキュアの音楽かけて!」と迫られ、中止。そのプリキュアの曲も、ピアノの練習をする長男から「うるせえ!」と言われ、中止。これはいつも子供と一緒にいる方なんかには当たり前のことなのだと思うが、好きな音楽を楽しむ時間などというものは、限りなく無いに等しい。

発表会のリハーサルの時間が近づいてくる。出かけるために、子供たちを着替えさせるが、肝心の長男の発表会用の正装がない。妻にLINEするが東京は夜なので既読にならない。探し回った挙げ句、クローゼットの前にちゃんとわかるように置いてあった。

そんなバタバタと、空腹の中で全員険悪な感じになりながら、発表会の会場に向かう。会場に到着してリハーサルで一回演奏する。意外と、ほとんどノーミスでクリアしていてかなり良かった。しかし逆にちょっと安心してしまったようで、本番への悪影響が懸念されたが、まあどうにでもなるだろう。その間も食事を取れていなかったので、長女が強硬手段に出て、会場の周辺でお弁当を食べている参加者のところに行って、弁当を見ながら、「お腹すいた〜〜〜〜」と訴えて回り始めた。一刻も早く何かを与えないとまずい。

発表会の会場は毎年同じだ。本番まで間があるので、毎年行っている近所のバーベキュー屋に行った。長男は、珍しくエアピアノでイメージトレーニングしている。

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全員空腹状態な子供たちはガーッと肉やマックアンドチーズを食べたが、そこで長女が「トイレ行きたい」と訴えてきたので店のトイレに連れて行く。汚い話だが、お腹を下しているようだった。「まずいな」と思った。下痢をしている。そしてそのとき気づいたのが、出際にバタバタしていて、長女の替えのオムツや着替えを持ってくるのを忘れていたのだ。席に戻ると、次男が「トイレ行きたい」。嫌な予感。そして嫌な予感が当たった。次男もお腹を下している。

これは、何か変なものを食ったのかもしれない。思いを巡らせたが、ちょっと思い出せない。昨日はマクドナルドと冷凍のマックアンドチーズだった。次男がトイレから戻ると、また長女がトイレに行きたいと言う、そして長女が戻ると次男が。エンドレス下痢状態に突入したが、幸いなのが、本人たちはそんなに腹痛とかで苦しいわけではなく、楽しそうに遊んでいつつ、ちょこちょこ便意を催す感じだったということだ。とはいえ、完全に心配だ。下痢と侮ってはいけなくて、症状がひどくなることもある。食中毒なんかだったら尚更だ。

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そうこうしているうちに本番が近づいてきたので下痢の合間を見て会場に戻る。長男用の花束を買っていこうかと思ったが、本人が「花束いらないから何か他のもの買ってよ」と言うので、まあそれもそうかと思ってやめておいた。

会場に着いて、他の子の演奏を聴きながら長男の出番を待つことにした。会場の入口には「荷物を置いて席をとるのは止めてください」という張り紙があったのに、ずっと荷物を置きっぱなしにして確保されている席があって座れなかったので、置いてある荷物をどけて、座ってしまうことにした。文句言ってきたら説教してやろうと思っていたが、そういうスイッチが入りやすくなっているのは疲れてきている証拠で、実際、疲れが押し寄せてきていた。

聴いている間も、次男が椅子の金具をキコキコいじって音を立てているので叱ったら拗ねてしまい、臍を曲げて長女に八つ当たりしている。

長男の演奏が終わった。リハーサルのほうが良かったのだが、一部引っかかっただけで、そんなに破綻せずに終わった。良かった良かった。褒めた。

すべての演奏が終わって、懇親会でお菓子とジュースが供された。ジュースを持ってきた子供たち、ジュースをそのへんに置いてキャーキャー言っているので、「絶対こぼさないでね!」と注意した次の瞬間に盛大にジュースを会場のソファにこぼす。

長女が出際に持って行くと言って聞かなかったプリキュアのブックレット、「自分でちゃんと持つんだよ」と言ったのに、「重い〜〜〜」なんて言って泣く。

もう疲れた。完全に疲れてしまった。頭が変になりそうだ。

そんなとき、「宇宙兄弟」で、登場人物の福田さんが、幼い娘がいる別の登場人物に「たまには娘さんの髪をといてあげた方がいいよ」と言うセリフを思い出した。目をつぶって娘を膝に載せて、指で髪をといてあげた。この1週間、誰もそんなことをしていなかったので、ちょこちょこ引っかかって痛がったが、徐々に髪がスムーズになっていく。指が通るようになっていく。福田さんのお蔭で助かった。

下痢は治まったようだ。大丈夫そうだ。

食糧を調達しなくてはいけない。発表会の会場からミッドタウンの日本食スーパーにLyftを手配して行く。車中で、長男が、「Oculusみたいなやつよりもっと大きなレンズのVRヘッドセットがあったら視野が広がっていいよね」などと、突然デジタルデバイスっぽい話を始めた。先週行っていたラスベガスのCESにはそういうのたくさんあったよ、という話をした。

長男はなんかそういう話を続け、Kindleって、名前が意味わからないから名前を「You are the library」にしたほうが良いんじゃない? とかわけのわからないことを言った。私は自分のアカウントが入っているKindle端末を長男と共有しているので、私が入れている漫画などをちょこちょこ読んでいるらしい。

その流れの中で、「格安ビジネスホテル」って何? と聞かれた。よくよく聞くと、「1日外出録ハンチョウ」を読んでいるらしく、その中に登場する「格安ビジネスホテル」に何かの憧憬を持っているらしい。

その流れでカプセルホテルの話をして、こないだ池袋にできた「かるまる」は漫画もたくさん置いているし、カプセルも最新で最強だよ、という話をした。夏休みにみんなで日本に帰ったときに一緒に行けたら良いなと思ったが、かるまるは18歳未満は入れないらしい。しかし、あと6年したら、親子で行けるのでちょっと楽しみだ。

家に戻って、かなり疲れていたのでウトウトしていた。お昼のバーベキューを皆たくさん食ったので、そのときに余って持って帰ってきていたポテトなどを適当に食って、みんなお腹いっぱいのようだった。ので、まあ良いやと思ってウトウトし続けていた。

長男は、来週英検を受けることになっていて、そのための英作文の練習をしている。答えを見せてもらった。さすが、アメリカの学校に行っているので書いてあることは全く問題なかったが、文法はボロボロだった。これが生の英語というものなのだろうし、英検がこういう文章にどういう評価をするのかは知らないが、受験英語的にはこれだと通用しないのだろう。一方で、日本の受験英語の役に立たないというかクソなところは、まさにこの部分だったりはするので、困ったものだなと思う。

8時になると、日本語番組専門チャンネルのテレビジャパンで、新しい大河ドラマ「麒麟がくる」が放送される。大河ドラマの第1回は重要だ。しっかり正座してみなくてはいけない。しっかり集中して観たい。

「『麒麟がくる』見るから静かにしててねー」と子供たちにお願いした。するとすぐに、次男と長女が子供用のブロックを引っ張り出してきて、キリンさんをつくり始める。そしてキリンさんの部品を奪い合いケンカを始める。横で一緒にドラマを見ようとしている長男は、登場人物を指差して「この人誰?」と私に聞いてくる。私だって初めて見るのだから知るわけがない。キリンさんに電話する遊びが始まる。

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「もしもーーーし、キリンさんでーす」と長女が叫ぶ。

ダメだ。諦めよう。時が来たら、NHKオンデマンドで見よう。我が家にはキリンさんが既に来てしまった。

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