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ころころカレーな、こ・こ・ろ

こころのしあわせレシピ⑧


シェフ 梯真由美 (鍼灸マッサージ師)

【材料】
 飾らない気持ち  カップ1
 スパイス 少々

【調理法】
 あるがままをいかして、味つけをします。

ピンポン玉くらいの玉ねぎと、
ひと口大くらいの小さなじゃがいもを
皮だけむいて作る、ころころカレーが好きです。

30個くらいのミニミニたまねぎと、
10個くらいの粒じゃがいもが
お鍋の中で、転びます。

ころんころんと回りながら、やわらかく甘くなり
スパイシーな味をまとって、できあがりです。

口に入れると、
重なっている玉ねぎの層から、
ぷにゅっと幾層かの玉ねぎが顔を出すのが特徴です。
ころんと丸いじゃがいもは、丸いまま小さくなっています。

とろ~り甘い玉ねぎと、ほっこり甘いじゃがいもは
格別の味なのです。

でも、熱々の玉ねぎがぷにゅっと出てくるし
じゃがいもは、ひと口で食べるには少し大きいので
よそ行きの振る舞いでは、食べられません。

ころころカレーを家で食べるときのような
ホッとした感じは、素の私なのだと思います。
「恰好よく食べないと恥ずかしい。」
と思うメニューを何処かで食べるときは、
こころにも、おしゃれ着をきせているのかも知れません。

東洋医学には、『陰陽』という世界観があります。

そもそもひとつだった何かを、
陰と陽のふたつに分けるには
あるものと、それと比べる対象が必要になります。

人は、ともすれば自分と誰かを比べて、
悲しんだり、嘆いたり、
嬉しくなったり、舞い上がったりしがちです。

たとえば、周りの人をいつも楽しい雰囲気にしてくれる
ある人を、「明るい人」とします。
その人に比べて、あまりおしゃべりが得意ではない、
おとなしいある人を、「暗い人」と仮定します。

ところが、先日とんでもない災難にあってしまったという、
ものすごく落ち込んでいる人が現れると、
先ほどの「暗い人」が、
案外明るい人に思えてきたりもするのです。

『何をモノサシにしているのか。』

誰かと自分を比べていると、
状況が変化する度に、こころが右往左往します。

誰かと比べるのではなく、ものごとの基準を
素の自分を中心にするよう、モノサシを持ちかえると
気がラクになるのではないか。と思います。

こころが迷子になったとき、
プラス思考に考えなければいけない。
と自分を叱咤激励していると、苦しくなります。

私は、無理にプラス思考になることはないと思っています。
「あぁ私、マイナスに傾いているな。」
と自覚さえすればよいと思います。

陰が悪くて、陽が良いわけではなく、両方のバランスが大事。
それも、人とは関係がなく、
自分の中での調和が大切だと思います。

自分ではない人のことを、気にしすぎていると
飾らない本当の自分でいるのが、どんな感じなのか
わからなくなってしまうのではないか、という気がします。

今まで生きてきた私は
私の中で、一番経験豊かな私です。

「私は、何かにならなくても、今の私でいい。」
と思えたら、胸があたたかくなります。

そして、こんな風にしたらもっと私らしいかも。
と思えることが出てきたら、やってみる。
自分らしさに、味をつけてみる。

その繰り返しが、誰の承認も必要ではなく
自分が自分を認められる、早道になるのではないかと思います。

こころとからだの不調を感じたときも、同じです。
「普通」とか「一般的に」という基準を
ひとまず横に置いておいて、
「私」というモノサシで考えてみます。

私の中では、まずまずいい調子。
私としては、疲労がたまっている方だから、早めに寝よう。
と素の私を基準に感じてみます。

「他の人だったら、もっと元気に動けるのに。」
「こんなことで参ってしまう私は、情けない。」
というのは、NG!

モノサシは、こころの衣替え。
今の私を認めてみると、小さなしあわせがあふれていたことに
気づき始めるように感じます。

【調理のコツ】
今の私でO・K!と認めます。

サポートいただきまして、本当にありがとうございます。 どなたかご縁のある方のこころの奥に、私の言葉が届くとうれしいな~。と思って 書いています。とっても励みになります。こころから感謝をこめて。                              板橋真由美