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読者賞を救う=世界を救う!? 6/22「読書会有志対抗おススメ本バトル 2024夏」&7/14 大阪翻訳ミステリー読書会のご案内

すでに報道されているとおり、今年、2024年で翻訳ミステリー大賞が15年の歴史に幕を閉じました。事務局のみなさま、長いあいだお疲れさまでした。

記念すべき最後の翻訳ミステリー大賞には、『破果』(ク・ビョンモ/小山内園子訳、岩波書店 )が輝きました。
65歳になった殺し屋の女、爪角(チョガク)の〝生きざま〟を描いた韓国ミステリー。〝生きざま〟なんてクサい言葉はふだん使わないのですが、この小説にかぎってはどうしても言わずにはいられない。長編小説というより中編程度の長さであるにもかかわらず、殺し屋たちの抗争や爪角が生きてきた韓国の裏社会の重みのある描写がずっしりと胸に残る作品です。

属性で作品を語ることには賛否があるかと思いますが、上記の朝日新聞の記事にもあるように、フェミニズムとアジアからの波という近年の潮流の先駆けになった小説でもあり(最初に本書が出版されたのは2013年)、まさに最後の翻訳ミステリー大賞にふさわしいと言えましょう、めでたしめでたし…………

ではなく!!(いや、ふさわしい作品というのはそのとおりですが)

翻訳ミステリー大賞が終わっても、翻訳ミステリー読者賞と読書会は永久に不滅です!!!

そう、これが言いたかったのです。翻訳ミステリー読者賞と読書会は終わりませんのであしからず。

というわけで、2024年7月14日(日)に大阪ミステリー読書会を開催いたします。
課題書は、『愚者の街』〔上下〕(ロス・トーマス/松本剛史訳 新潮文庫)です。巨匠ロス・トーマスの埋もれていた名作として去年ようやく出版され、「ミステリが読みたい!2024年版」の第一位、「このミステリーがすごい! 2024年版」の第四位、そして翻訳ミステリー読者賞の第五位と各ミステリーランキングで上位に入賞した話題作です。

連休の合間&上下巻で恐縮ですが、愚者の街で『愚者の街』について語りましょう! 詳細についてはこちらをご覧ください。すでに受付を開始しており、6月21日現在で10人以上のお申込みをいただいております。初参加の人もいらっしゃるので、読書会初心者のかたもお気軽にどうぞ。

読書会同様、翻訳ミステリー読者賞も次年度に向けて着々と準備しております……が、どれほど高い志があっても、先立つものがなければ手も足も出ないのが悲しい現実です。金がないのは首がないのと同じや!!なのです。

というわけで(2回目)、明日になりますが6月22日(土)21時から、
「読者賞を救え! 読書会有志対抗おススメ本バトル 2024夏」
をオンラインで開催いたします。

全国各地の読書会から精鋭が集まり、それぞれのおススメ本の魅力を全身全霊で語ります。そして視聴者のみなさまにもっとも心魅かれた本を投票してもらいます。参加費の1000円はすべて読者賞の運営に充てる予定です。けっして詐欺ではありません。誰かの懐が潤ったりはいたしません、たぶん、いや絶対。

チケットにはかぎりがありますが、いまから(6月21日現在)申し込んでも間に合うかと思います。(間に合わなければすみません)
また、土曜の夜なんて遊びに行ってるに決まってるやんけ~というリア充(死語?)のかたもご安心を。アーカイヴ視聴も可能です。

たくさんの人にご参加いただくと読者賞が存続し、海外小説や出版業界が盛りあがり、海外小説を読んだ多くの人が世界に目を向けるようになり、最終的には世界が平和になります。読者賞を救うことは世界を救うことと同義なのかもしれません。まさにいいこと尽くしのこのイベントを、どうぞよろしくお願いいたします。

(♬お金なんかはちょっとでいいのだ~ってほんとは言いたいけれど!)


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