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拝啓ライオンズファン様〜96敗したことがありまして〜

今年のライオンズの成績が気になって仕方がありません。部外者であるスワローズファンがこんなことを書いているのはお気に障るかもしれません。しかし今年のライオンズの成績が他人事だとは思えないのです。

なぜならスワローズは2017年に96敗したから。借金は51を重ね、勝率.319はこの年の首位打者宮﨑敏郎選手の打率.323より低いものでした。首位とは44ゲーム差。現在のライオンズの勝率は.308、借金35、首位とは32.5ゲーム差。たぶん今のライオンズファンの苦しみがわかるのは、ここ最近ではスワローズファンなのかもしれないと勝手に思っているのです。

計算上は3試合に1試合近くは勝っているはずなのだけれど、体感としては負け続けています。この年のスワローズは6月まではそれでも月間勝率4割前後だったので、月間勝率が2割ちょっとになった7月以降は特に、常に負け続けている状態だったのです。

ライオンズファンの気休めになるかどうかはわかりませんが、あの年のスワローズに何があったのか、お伝えしておきたいと思って書いています。

こんなことがありました

連敗地獄

・4月と5月で5連敗2回、4連敗1回。まだちょろいもんです。
・5月から6月にかけて引き分けを挟み10連敗。
・7月に引き分けを挟み14連敗。
・8月から9月に9連敗。
・9月下旬に7連敗。
・ちなみに最大連勝は5月と6月に4連勝。
・8月以降は連勝が1度もない。

投手の負け数が酷い

・石川雅規投手が14敗(4勝)。
・ブキャナン投手が13敗(6勝)。
・原樹理投手が11敗(3勝)。
・ちなみにチーム最多勝は小川泰弘投手の8勝(7敗)。
・当然セーブ数も少なくチーム最多は秋吉亮投手の10セーブ。

スローガンが虚しく響く

この年のスワローズのスローガンは前年の5位を受けて「目を覚ませ!」でした。こうなって来るとなんと場違いなことか…。ずっと眠り続けているのに。今年のライオンズファンの皆さんはどのように「やる獅かない」を受け取っているのでしょうか。

何をやっても上手くいかない

こういうときはびっくりするくらい、やることなすこと、これでもかというくらい上手くいきません。打っても打たれるとか、投手が抑えても打てないとか、ケガ人が続出するとか、一軍に上げた選手が機能しないとか、外国人がハズレ中のハズレだとか、獲って来た選手が活躍しないとか、変えた投手が必ず打たれるとか、勝負所でミスするとか、エンドランかけたらゲッツーとか。呪われているとしか思えない日々を過ごすものです。特にこの年を語る上で欠かせないのが「七夕の悲劇」です。

5連敗中の7/7の神宮球場広島戦。秋吉亮投手の離脱でクローザー不在となったスワローズ。5月に戦線離脱し二軍調整中だったエース小川泰弘投手を真中監督はクローザーに抜擢します。その初戦。5点リードの9回に小川投手が6失点し敗戦。悪夢としか言いようのない衝撃的な敗戦により、クローザー小川構想は霧散します。

真中監督は後に、やれることはやりつくして、これ以上どうしたら良いかわからない状態であったというニュアンスのことをおっしゃっています。監督がそういう状態になってしまうくらい手のつけようがない。これが勝率3割に満たないということなのです。

こんな状態なもので

1勝の嬉しさが尋常じゃないのです。貴重な貴重な次はいつ見られるかわからない1勝なのだから。そして勝つことを期待しなくなるので、気楽に若手選手のプレーを眺められたり、投手陣がボコスカ打たれるのをむしろある種の爽快感を持って見られたり、勝ち負けの向こう側に行けます。

奇跡的な勝利も一層輝きます。開幕3戦目の鵜久森淳志選手の代打サヨナラ満塁ホームラン、10点差をひっくり返した大松尚逸選手の代打サヨナラホームラン、一生忘れません。

そしてこの年、スワローズファンは神宮球場に来続けました。観客動員はむしろ増えたのです。ルーザーズハイ(そんな言葉あるのでしょうか?)となったスワローズファンは負けることが当たり前のチームを見続けました。

そしてご存知の通り

明けない夜はないのです。この翌年、小川淳司監督の下で交流戦優勝、リーグ2位。最下位2年を挟んで(何たるジェットコースター!)、髙津臣吾監督の下、2連覇を達成します。

つまり、ライオンズもきっと大丈夫です。常勝の血が流れている球団です。この1年を笑って話せる時が来ます。そして「アレよりはマシ」という言葉を手に入れます。ライオンズ史における伝説の1年になることは間違いないでしょう。耐えてこの1年を語り継いで下さい。

とか言いながら

スワローズも現在最下位。「アレよりはマシ」だけど、あの頃のムードになりかけている今日この頃。明けない夜はない。そう自分に言い聞かせるためにこれを書いたのかもしれません。耐えましょう。これもスワローズの歴史の一部分なのだから。

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