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「たった一つの呼吸法」で全てが変わる?

みなさんは普段、自分の「呼吸」に意識を向けているでしょうか。

恐らくですが、自分の心臓が動いているのを意識していないのと同様に、呼吸についても生物として当たり前の営みすぎて、普段から意識して生活しているという人はほとんどいないのではないかと思います。

ではたった今、自分はどうやって呼吸しているでしょうか。

自分がどう呼吸しているかを意識して観察しだすとなぜか「あれ?どんなタイミングで息を吸ってどう吐いてたっけ?」というように、急に呼吸が下手になったりすることもありますが、そことは別に一つ重要なポイントがあります。それが、「口呼吸」か「鼻呼吸」かというところ。

口呼吸か鼻呼吸かというほんの小さな違いに見えますが、これが人生を左右しかねないほどの違いを生むというのだから捨て置けません。

今回は呼吸についての専門家であるパトリック・マキューン氏が書かれた「最強の呼吸法」という著書の中から、人生を変える力を持った呼吸法について要点をまとめてみたいと思います。

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<鼻呼吸が最強>

結論、「今後の呼吸は全て鼻呼吸にしよう」と言いたくなるほど、鼻呼吸と口呼吸がもたらす影響には大きな差があります。ざっと簡単に鼻呼吸のメリットをご紹介すると、

・心配機能の向上
・睡眠の質の向上
・集中力の向上
・肥満解消
・病気の予防

などがあります。ほんまかいな?という感じですよね。
ということで、ここからはなぜこうしたメリットが生まれるに至るのか、なぜ鼻呼吸が良いのかというところを科学的に見ていきます。


<なぜ鼻呼吸が良いのか?>

ひとことで言うと、呼吸過多(呼吸のしすぎ)を防げるからです。呼吸のしすぎを防げると何がどういいねん?という話なんですが、ここには「呼吸の本来の目的」が大きく関わってきます。

「そもそも呼吸って何のためにしているのか?」と訊かれたら「酸素を体内に取り込むため」と答える人がほとんどではないかと思います。私もそう思ってましたし、何なら学校の授業でそう教わったような気すらします。

ただこれ微妙に違うらしくて、実は呼吸の目的として大きいのは「体内の不要な二酸化炭素を排出すること」にあるらしいです。呼吸とは酸素を吸って二酸化炭素を吐くものだ、ということ当然知ってましたが、大事なのは「酸素を吸うこと」の方だと思ってました。二酸化炭素を吐くのはオマケくらいな。
もちろん人間が生きて活動するうえで酸素は必須なので酸素を取り入れることも当然重要なのですが、どうやら呼吸におけるポイントは二酸化炭素のほうだと。

「呼吸の目的は体内の不要な二酸化炭素を排出すること」
これがとにかく大事な前提になります。「不要な」というのがポイントで、実は二酸化炭素それ自体は体内に欠かせない大事なものなんです。なんとなく酸素を取り込んだあとに出るゴミみたいなイメージでしたが、この認識がそもそも誤りということですね。

で、どう大事なのかというところですが、二酸化炭素にはある重要な役割があります。それが「酸素が体内に適切に行き渡るのをコントロールする」というものです。

もう少し詳細に説明します。呼吸によって取り込まれた酸素は、血中のヘモグロビンによって体中に運ばれていきます。しかしその運び屋のヘモグロビンは「二酸化炭素が十分にある時しか、運んできた酸素を手放さない」という特性があります。なので、どれだけ呼吸して酸素を取り込んでも、体内に二酸化炭素という受け皿が少なければ酸素は体に行き渡らないというわけです。

どれだけ友達の家に大量のアイスを持って行っても、友達の家に冷凍庫がなければアイスを置いて帰れないのと一緒です。(ちょっと違うか)

つまりどういうことかと言うと、
呼吸をしすぎる→二酸化炭素を吐きだしすぎて体内の二酸化炭素が不足する→酸素を取り込んでも体に行き渡らずに体内の酸素濃度が下がる→体に色々とよくない影響を及ぼす、というわけです。

呼吸のしすぎは体にとって良くないというのはこういうことです。


そして口呼吸は鼻呼吸に比べて吸い込む空気の量が多いため、必然的に吐き出される空気の量も多くなってしまいます。そして酸素の受け皿となる二酸化炭素を過剰に吐き出すことになるため、普段から口呼吸が多い人は常に体内の酸素濃度が低い状態になってしまっていることになります。

冒頭で示した鼻呼吸がもたらすメリットというのは、詰まるところ「体内の酸素濃度を高めることで得られるメリット」というわけです。


<おわりに>

鼻炎や蓄膿症持ちの方は仕方ないかもしれませんが、なるべく鼻呼吸にするというだけで疲労度や日々のパフォーマンスが変わってくるかもしれません。

他にも子どもの頃から口呼吸で口がいつも空いているような人は、顎がうまく発達せずに歯並びが悪くなったり、顔の骨格形成にも影響が出て魅力的な顔になりずらかったりと、ネガティブな要素が少なくありません。

いきなり日常生活の中で常に鼻呼吸を意識するのは難しいかもしれませんが、1日5分の瞑想などを取り入れて呼吸を意識する習慣をつくるところから始めてみるのはいかがでしょうか。

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