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世界一、億万長者を生んだ男。レイクロック

映画「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」を見た。
一度飛行機の中で見たことがあるが、「FC本部の学校」というスクールのオリエンテーションで、塾長の竹村さんがバイブルだから絶対読んでおけというので、まずは映画版を見ておこうと思ったのだ。

後に本「成功はゴミ箱の中に」を全て読んだわけだが、映画を見るだけで十分だし、なんなら、立ち読みでユニクロの柳井さんによる後書きの部分をみておけばなお効率的だ。

レイクロックいわく、競合店なんかゴミ箱を漁れば何がどれくらい売れているかがわかるもんだ。俺もやったよ。一度や二度じゃないよ。というクダリが題名になっている。でもそこがレイクロックの真髄ではない。

本を読んでて感じたのが、レイクロックのすごさは徹底的な現場主義。全てのオペレーションを自分で行う。少なくとも200店舗まではリクルーティングから教育、スーパーバイジングまで彼が一人でおこなっている。そりゃロイヤリティ1.4%じゃ人も雇えない。彼らは小所帯で本部をまわしていたのだ。

日本で200店舗といえば英会話Novaの規模感だ。
その全ての出店を社長一人が最初から見ている人は日本にはいないだろう。
なんせ、日本人は奈良時代から偉くなると都に住みたがる。
偉くなると地方の現場を蔑ろにする。愚かな貴族文化はまだこの街(東京)に蔓延っている。

この映画を1回目見た時に印象に思ったのは、ビジネスモデルの意外さで、マクドナルドは世界有数の不動産を持っている会社だということだったが、今こうしてフランチャイズビジネスに携わっていると他にも色々と気づくことがあった。

この映画のオチは、「マクドナルド」という名前を買ったのが成功したポイントだということで、我々も名前には相当気を揉んで「テックジム」にしたわけだが、それについては動画で語っておこうと思う。

フランチャイズビジネスというのは、グローバルビジネスと対極にあると思っていて、東京にやってくる優秀とされる人材は今更、地方周りなんかしたくないはずなので、俺にとっては好都合だと思っている。

失われた30年みたいな言い方がされるが、日本の経済なんか、東京に人がマックスまで移動した30年前で既に終わりである。これはほとんどの発展途上国の経済成長に当てはまる。田舎から首都に人が集まり、貨幣経済に取り込まれ、そして田舎も首都からのマネー漬けになる。これだけだ。

ご多分に漏れず、この俺も広島の三原という片田舎で生まれ、小学生に上がった時に東京経済に飲み込まれた。すでに地元に知人もないから戻りたくても戻れない。そういう人が日本にはたくさんいる。

それでも、生まれた土地を愛し、居残る人がいる。だから日本も捨てたもんじゃない。そんな中で、フランチャイズビジネスというのは地元で産業を作り人を集めることができる。首都圏や都市部から全国津々浦々に人々を流すチャンスだ。

各地方にエンジニアが集まる仕組みを作れば、もっともっと日本はハッピーになる。こうして創業したのがテックジムである。


エンジニアはどこでも仕事ができるはずだが、辺鄙な土地には仲間がいないから行きたくでもいけない。その土地で収益をあげ、ネットワーキングができなければ、移住は無理である。ただ、エンジニアの移住が実現できれば、地元の企業は東京の業者に発注しなくても済むし、そこでいいサービスができれば、全国からお金が流れることになる。この事業をつうじて、この問題を解決していきたいと思う。

話が逸れたが、この映画を通じて思ったのは、フランチャイズの質の管理は難しいということである。これは今も昔も変わらない。

この映画では、夫婦をフラインチャイジーにして、さらに研修制度を作ってクオリティを守ったということになっている。他にも、コカコーラの協賛で看板を立てたり、アイスクリームを粉ミルクにすることで原価を抑えることなど、色々とマクドナルド兄弟と揉めている。レイクロックはFCオーナーの味方で、マクドナルド兄弟は堅物だという描き方をされている。

実際、マクドナルド兄弟は自分たちでFC事業をやっていて失敗しているのだ。自分たちの店は潰れたが、レイクロックのおかげでマクドナルドは全世界チェーンになれたのだ。創業者のこだわりが足枷にもなるということを示唆している。

ガチガチの契約書に縛られたレイクロックだが、不動産リース会社を立ち上げることで、立場が逆転する。

ロイヤリティ収入では食っていけないから、不動産をフランチャイジーに貸し出すビジネスをメインに持ってきたのだ。

そして、フランチャイジーが老齢などで手放すときには事業を買い取る。
こうして直営も増えていき、今の帝国ができたということだ。

紙コップのセールスマンで飲食業界を知り、それをもとにミキサーの販売代理店を経営。ミキサー導入を増やすためにハンバーガーショップのFCを手がけるが、それがメインになり、多くのFCオーナーを億万長者を生み出した。

さて、彼は何を売ったのか?
ミキサーなのか? ハンバーガーなのか? 不動産なのか?

いや、アメリカンドリームを売ったのだ。

全国各地を渡り歩いて、ビジネスの裏側を知り得たからこその成功物語である。この映画をみて、また日本各地を回りたくなった。

億万長者を生み出せるかはわからないけど、東京に行けなくても最新の技術で世界中の人と仕事ができて、地元から愛されるIT会社であれば、我々がプレゼントできるかと思う。

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