遙かなるシズル感【これだけは言わせて!】
食欲をそそる視覚情報とは何でしょう?
ステーキなら溢れ出る脂と肉汁
チーズの入った料理なら、糸を引くようにトローリと垂れゆくチーズ
そして湯気や煙
そういった食欲を刺激する感覚を「シズル感」といいますよね。
給食の写真
子供の昼食が、給食の日がある。
その日の献立を写真付きで示したカレンダーが配布されており、我が家にも貼ってある。
もちろんその目的は家庭での献立を考える際の参考であろう。
他にも子供に「今日の給食はカレーライスだよ、楽しみだね!」
などと話し、昼食へ向けてのモチベーションアップに繋げられたら幸いだ。
「今日はお野菜食べられるかな?」とか食育の一環ともなるかもしれない。
しかし、しかししかし、
いかんせん、配布された献立カレンダーの写真が
美味しそうにみえない…
子供にみせることが憚られるほど(みた段階で戦意喪失してしまうと元も子もない)…。
いやいや、あ〜た、写真が全てでしょ‼︎
レストランでもお子様ランチって、店先の食品サンプルがいかに美味しそうかということで、子供の頃、胸躍らせて食べたいと親にせがんだものですよ。
あのサンプルのハンバーグのソースの煌めきであったり、空中に浮かんだパスタの絡まったフォークであったり。
ビジュアルで子供の心に、欲求に訴えてきたではないですか!
もっとつくる食事に気持ちを込めて、食べる幼児のことを思い浮かべなさいよ
と言いたくなる。
そう、とにもかくにもシズル感がないのである。
実際の給食が写真と打って変わってテンション上がりまくりのシズル感が出ていればいいのですが…実物を見たことがない親としては心配…。
といってもその業者さんに結局は頼らざるを得ないのですがね…。
ファミレスにて
ちょっと大きすぎやしないか、と思えるサイズのグランドメニューのページを何度も行きつ戻りつ覗き込み、外食特有のワクワク感でもってハンバーグステーキなぞを頼んでみる。
しばらくしてテーブルへと運ばれてくる鉄板。
んん、ハンバーグなんか水分やけに少なめ、というか表面乾いている?
緑の野菜ってこんなに細かったっけ、少なかったっけ。
というかなんだか鉄板の隙間が多い気がする。
と思い、確かめたくなり、再びメニューと見比べようとすると大抵メニューは回収されている。
(もしや計画的だったのか?)
あのぅ、メニューみたときのワクワク感、実物に対して感じないっス。
なんだか、シズル感が割り引かれているような気がするんですけど…。
でもね…有難いんですよね、ファミレスって。
子供食べさせるのに少々手間取っても、過度に気を遣いすぎ無くてよいところなどオトナとしても良い居心地ですし。
子供用の椅子や皿やカトラリーも揃っているし。
おしぼりもタオル1枚じゃなくて、個装されたウェットなものを複数枚使うことも可能だし。
オモチャついてくるので、どうしようもないとき、気をひけるし。
旅先でもチェーンだから同じメニューあるので、子供が食べるメニューを間違いなく頼めるし。
そう、このどこでも同じというのが、曲者なのだけれど、シズル感的にはね…。
でもね、そこを求めているんじゃ無いんですよ、ファミレスにはね。
子供がいると安定を求めるのよね、安心を。
そういう大切なスポットなのよね。
ハンバーガーのあるファストフード
フワッとして、適度に焦げ目のついたバンズ。
しっかりと焼かれたジューシーなパティ
四隅が垂れ下がったチーズ
アッセンブルされていく動画ではパティは脂か水分を従えてなんと踊っているではないかっ!
店頭の写真もいかにも美味しそうだ。
レタスだってあんなに瑞々しい。
やがて紙に包まれたバーガーを手にして
数十年の間、必ず、確実に、
実物は写真と違う。
と感じる。
紙に包まれているから仕方ないのだけれど、
シズル感はないぞ!
ポテトも瞬く間にフニャっと弱々しくなってしまう。
揚げたてサクッの保持時間は実に短し。
デリバリーなんか頼んだ日にゃ、ポテトは既に食べ頃を過ぎてしまっていること間違いなし。
毎回確実に感じる幻想と現実との乖離。
それでも何故食べることをやめないのか?
むしろ頻繁に利用するのか??
そう、シズル感じゃないんスよね、求めているのって。
気軽に食べたい。
休日は少しくらい朝寝坊して、楽したい。
子供が欲するのなら、食べてくれるなら。
お皿だって洗わなくてイイし。
オマケもあったり(店によりますよね)。
なんならしんなりポテトも、バーガーの映像と実物のギャップをも含めて、私達は購入しているんではないか。これもデフォルトの属性なのではないか。
それでイイんだよね。
そしてこれからも通うもんね、デリバリーも頼むもんね。
結局、頼り甲斐あるんだよな、バーガーショップって。
おわりに
ただひとこと言わせて
オーダーする時のシズル感はどこへ行ったんだぁ!
あのワクワク感をどうしてくれるんだぁ!!
この感覚あまりみなさんには共感されないのかしら??
それでも…
それでもどうしても記したくなった今日この頃です。
おしまい
最後までお読みいただきありがとうございます。 いただいたサポートは麦チョコ研究助成金として大切に使用させて戴きたいと思います。