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「ゴジラ✕コング 新たなる帝国」がヤンキー映画になっていて面白かった話

 昨日は「ゴジラ✕コング 新たなる帝国」を観てきました。
 自分より先に観てきた人の評判を訊いたら、すごく良いと言っていて、まさか、本当に?と疑っていました。
 疑ってすいません。本当に面白かったです。

 前作の「ゴジラVSコング」は、まあまあな作品と思っています。
 前作の評価が自分が低い理由はいくつかあります。
 一つは、地下空洞をだしたからです。
 いまどき、地球空洞説。ペルシダーなんて。

 地下空洞を出した理由はなんとなくわかるんです。
 「ゴジラVSコング」といっても、本当に戦って、どっちが強いとなってはダメなわけです。引き分けとしなければいけない。
 しかし地球は一つ。それなら、それぞれの領土をあげましょう。地表はゴジラ、地下空洞はコング。それぞれ最強とすればメンツがたもてる。

 それともう一つ、コングがゴジラに比べて圧倒的に弱すぎる、ゴジラは口から熱線だせる、という飛び道具もっているんですもん、ずるいわー。コングにも武器持たせればいいんじゃない?ということで地下空洞の神殿に、古代の謎の武器があれば、いくらでもコング強くできると。

 そういう映画のストーリーとは別に、映画館の4DX化が進み、映画の中身もそれに適した作品内容に、というのがもしかして一番強い理由かもしれないですね。

 しかし、地下空洞を出すと、太陽ないのにどうして明るいのとか、地下のマグマでなぜ熱くないのとか、重力の表現おかしくないとか、自分、いろいろ考えてしまいます。
 そこはこそっと、怪獣のいる別の地球とつながってしまった、とかすればいいんじゃない、とかモヤモヤしていたんです。それが1つ目の欠点でした。

 さきほど言ったように、「ゴジラVSコング」といっても、本当に戦って、どっちが強いとなってはダメなわけです。ストーリー的に引き分けとしなければいけない。それで観ている人が納得するのは、二人がそろって戦わねばならない、強い敵と戦うというのがあります。

 ゴジラと同等の怪獣といえば、メカゴジラ。
 地下空洞を探検している人たち以外に、そのメカゴジラの誕生とその性能を説明するために人を増やさないといけない。そのための人間ドラマを増やす必要があり、人間ドラマが多すぎました。これが欠点の2つ目。

 その一方、ゴジラとメカゴジラ。本当に対等ならば、コングの活躍がないので、メカゴジラをゴジラより強くさせないといけない。
 その結果、メカゴジラに一方的にやられるゴジラを作ってしまった。これがダメ。ゴジラを弱くしてしまった。これが欠点の3つ目。

 そんなわけで、地下空洞を出した、人間ドラマが多すぎた、ゴジラを弱くした、という3つの欠点があったので前作、自分、面白いとならなかったんです。
 だからその続編の映画が面白いとは、まさかと思ったわけです。

 さらに今回、予告でゴジラとコングが仲良く走るシーンがあって、ゴジラを走らせるなんてと思ったのです。ゴジラは、怪獣の王様、のっしのっしと歩くべき。
 観終わってみると、その二匹が走るシーンがとてもかっこいいんです。見方がこんなに変わるとはびっくりです。

 どうして今回面白くなったのか。
 前作の欠点を減らしたことですね。

 地下空洞を、地表に近い存在にした。
 コングが虫歯治療を人間に頼みにこれるくらい近くにした。変な重力の描写をやめて、地球の表面にきわめてちかい別の世界風にした。これだけで、地下空洞の不満減りました。
 4DX用には、重力がおかしくなるシーンはほしかったみたいで、別の説明を作ってそのシーンをつくってましたね。

 いらない人間ドラマをかなり減らした。それでも、今回もまだ地下空洞からSOS信号が送られている部分が余分だと思ったけど、人間がいないとやはり映画にならないので。

 映画なのに人間ドラマを減らして、じゃあどうしたかというとコングに演技させました。
 この手があったか!と。
 元々の元祖のキングコングから、コングってセリフ無しで演技ができるヤツ。コングの視点で描いても、人間がつきそわなくてもストーリーがわかるんですね。

 それから、ゴジラを圧倒的に強くした、今回のゴジラさんは、地球の表面にどこに怪獣が現れても、かけつけて暴れる専門家。
 戦闘オタクみたいなやつ。暴れるたびに、強くなる。

 でできた映画は、怪獣たちのヤンキー映画。
 地表と地下でそれぞれボコスカ戦いあっていて、すごい悪い怪獣が地下に現れて、それが地表に出てきそうになって、コングとゴジラがふたりがかりでやっつけるという。

 怪獣たちによるヤンキー映画、という、おバカ映画(褒めています)になっていました。
 悪い怪獣は憎たらしく、ゴジラとコングはかっこよく、いや本当にすばらしいです。

 というわけで、今回は、「ゴジラ✕コング 新たなる帝国」を観てきたら、とても面白いヤンキー映画になっていて楽しめました、という話でした。
 それにしても、今回はどうみてもコングが主演だから、題名を「コング✕ゴジラ」と、前にコングにしてあげてもよいと思いましたね。

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