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遠距離恋愛、始めました

付き合って3年近くたつ彼が就職して県外に引っ越し、遠距離恋愛がスタートした。
入社が遅れて引っ越しの日程も延びていたのだけれど、ついにGW明けに引っ越した。
彼には4月上旬に会ったきり会っていないから、あまり遠距離恋愛のスタートを実感しないまま日々を過ごしている。

遠距離恋愛、数年前までは自分は絶対無理な体質だと思っていたけれど、今の彼と付き合うようになってからは、ひとりの時間も好きだし、そもそも1ヶ月に1~2回しか会わない生活をしているのだから案外平気なのではないかなんて思っていた。
ところが彼が県外に引っ越す日が近づいてきて、こちらで会うのはあと何回だろうな、と考えると寂しくなったし、やり残したことはないか不安になった。

彼が引っ越す前にもう一回ふたりでよく行ったカフェに行きたい、彼の地元(観光地)にもう一回行っておきたい、そういえばあのお店行きたいって言ってたのに行ってなかったな、なんて、浮かんだのは特別なことじゃなくて、彼と時間を過ごすこととそれに付随する食ばかりだった。
お別れするわけではないのだから思い出作りというのは何だか違う気がするし、結局これまでと変わらず会って話して食事をすればいいのだと思った。

これまで通りふたりの時間を過ごし、会わない日は連絡を数往復。
会うのはそろそろ最後かな、と思った頃に手紙を書いて渡したくらいで、特に区切りのようなことはせず、彼の引っ越しの時期になった。

引っ越す前日、明日の早朝出るね、と連絡が来て、ついにと思い少し寂しさを感じた。
既に1ヶ月近く会っていなかったけれども、彼は県外の人になってしまうのかと思うと物理的な距離の大きさを感じた。

しかし幸か不幸か私の生活は全く変わらなくて、仕事のある日は仕事に行くし、休みの日は好きなことをして過ごす、そうやって毎日を生きている。
連絡はお互い返せるときに返しているから少し返信が遅いくらいでは気にならない。一人で暮らし始めて寮とはいえ仕事が終わっても家事はあるだろうなあ、私だって仕事忙しければ返信遅くなるし、ゲームしてることもあるし夜は眠いし、なんてゆるゆる構えて家でのんびりしている。

ちょっと変わったことといえば、スタンプや一言程度の軽いやり取り中心だったのが、彼が「アイスコーヒー淹れたよ!」などと写真を送ってくれたり、お互いその日起こったことを以前より話すようになったりして日常が見えるようになったこと、だろうか。

物理的な距離はある。彼はどう思っているのか分からないけれど、少なくとも私は、遠距離恋愛しているということに対して不満もなければ不自由もしていない、それは決して彼を必要としていないからではなくて、遠距離ということを感じさせない空気が流れているから。

明日のことは分からないから断言はできないけれど、きっとこの調子で、いつか一緒に暮らす日まで続いていくような気がしている。
自由に行き来できるような状態になったら、帰省してきたときに会うとか、私が向こうに遊びに行くとかしたいな、と思っている。お互いの生活に無理のない範囲で。

こんなにのびのびと遠距離恋愛できている自分って変わっているのかなあ、なんて思ったりもするけれど、せっかくなら楽しむほうがいい。
彼とだからこそ、こんな風に生活できているのだと思う、いつもありがとう。いつも安心感で包んでくれるちょっと寂しがり屋さんな彼の、日々の活力になるような空気を、スマートフォンのやり取りで送ることができていたらいいなあ、と思う。液晶画面に表示される文字だけでは味気ないから、たまには手紙を書こうか。




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