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今日は建国記念日

  韓国は記念日にあふれている。例えば100日記念日なる記念日がある。カップルが交際100日を祝う日。韓国ドラマでもお馴染みだろう。

 それを見た日本人女性はうっとりする。そして横にいるぼくを見る。ある程度、韓国及び北朝鮮に知識のあるぼくに向かい「日本の男性って、この点ダメよね。マメじゃないよね。韓国人男性はえらいわよね」と同意を求めながら悪態を吐く。

 妻が商社の丸紅の卓上カレンダーを貰って来てくれたことがある。さすがと思ったのは、このカレンダーには祝日が全く指定、記載されておらず、別途用意された赤いシールを自分で貼る仕様になっているのだ。当たり前のことだが、国によって祝日は違う。世界を相手にする総合商社の気遣いに驚いた。

 どの国でも、北朝鮮にも祝日がある。その国とその国の人と親しく一つの条件は記念日を知ること。韓国のカップルが100日記念日を大事にするように「今日はあなたの(あなたの国の)記念日だね」と口にすることではないかと思う。

 9月9日は北朝鮮の建国記念日。もちろん国として盛大に祝う。残念ながらぼくは軍事パレードや、ダンスパーティに参加したことはない。祝日はホテルの接待員の女性たちもチマ・チョゴリを着る。朝鮮学校の生徒が着ていたチマ・チョゴリは紺と白なのだが、多くのチマ・チョゴリは原色、派手な色遣いが特徴。赤やピンク、紺、白地でもよく見ると細かい刺繍がされていて「ほぅ」と唸らされる。

 ふだん、私服姿しか知らない在日コリアンの友人がチマ・チョゴリを着ると驚かされる。「へぇー」と感嘆の声が出る。

 現地の接待員たちも1日で装いを変える。素直に驚く。そしてひとつ、ボケをかます。日本語では決して口にしないような「あれ?どうしたの?ぼくのために着てくれたの?」と。 

 すまし顔で彼女たちは答える。「今日は祝日ですから」。

 「あー、違う違う。そこは『先生さまのために着ました』っていわないとだめじゃない。よし、Take2行こう。もう1回ぼくがあっちから歩いてくるから」

 そして再び問う。「あれ?どうしたの?ぼくのために着てくれたの?」。接待員たちは大笑いしていた。

 この時の表情をカメラにおさめたかった。チマ・チョゴリに身を包み大笑いした時の彼女たちの顔は、本当に、たとしえもなく自然で美しかったのだ。

 今日で北朝鮮は72回目の建国記念日を迎えた。ぼくは17回目の結婚記念日を迎えた。

■ 北のHow to その78
 在日コリアンの友人がチマ・チョゴリを着ている姿に出会うと驚かされます。男性はスーツなのである種見なれている分、さらに映えます。朝鮮学校の先生も着ていますが、これはどちらかというと普段使い。パーティなどで見るチマ・チョゴリは本当に絢爛豪華で、思わず息をのみます。
 気になるのがクリーニング。普通に日本のクリーニング店に出すのだとか。特別料金を取られないのか、気になります。

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