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辛さってなんだろう

小さい頃、カレーが嫌いでした。正確に言えば体がカレーの辛さを受け付けなかったのです。一口食べるや否や口の中が火事になり、汗が止まらなくなります。これが始末の悪いことに子供用の甘口カレーでも変わりはありません。カレーが晩ご飯にでるといつも水でカレーを流し込んでやり過ごす苦痛の時間を過ごしていました。
それから幾星霜の年を重ね、厳しいトレーニングを積んでやっと中辛までは美味しくいただけるようになりました。ただ相変わらず中辛以上になると汗だくになるのは変わりません。
スパイス系の他にも唐辛子系の辛さも苦手です。小さな赤い粒がほんの少しでも入っていると、口内がピリピリして汗が出てきます。ところがワサビやカラシは大丈夫なのです。もちろん鼻にはツンと来るのですが、どちらも汗はかかない。舌も全くピリピリしない。
なぜだろうと気になって色々調べてみたら、まず分かったのは辛みという味覚はなく人が感じる味覚は、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5つで唐辛子などの辛さというのは舌の奥の三叉神経に繋がった部分で感じる痛みでその痛みを辛いという言葉で表現していることでした。
ワサビなどは揮発成分の刺激が鼻孔に達したときの刺激痛を辛いと表現しているそうで、質の違う痛みを「辛い」という言葉で一括りにしているようです。だから同じ辛さでも「ピリピリする辛さ」「ツーンとくる辛さ」と形容詞をつけて表現しているのですね。
ちなみに舌の奥の辛みセンサーが敏感な人は辛いものが苦手、鈍感な人は辛いものが得意だそうです。ここまで書いてハッと気づいたのは、私は炭酸も苦手なことです。多分こちらも同じ理由で飲めなかったんでしょうね。
そういう意味で私はずば抜けて繊細な舌を持っていると自慢していいのでしょうか。余り意味のない自慢ではありますが。



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