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明里の暴露 後編 「VS 有名ブロガー」



 明里は出勤した事をツイートする為にTwitterを開いた。

 すると、AV女優のアカウントの方にダイレクトメッセージが来ているのに気付いた。



「突然すみません、これって明里さんですよね?」


 メッセージと共に、Twitterのリンクが貼られていた。

 恐る恐るリンク先に飛んでみると、そこには明里の顔が良くわかる画角のハメ撮り動画がアップされていた。



 はじめは昔のAVを誰かが流しているのかと思ったが、


 違う。


 明里が勤める店の部屋が映っている。



 明里はゾッとした。


 店で本番行為をしたのは一人しかいない。


 ブロガーのエムだ。


 動画には「続きはこちら」とリンクが貼られており、その先は課金制の動画サイトに飛ぶようになっていた。




削除するようにダイレクトメッセージを送ったが返信はなかった。


 明里は怒られる覚悟で、




「Twitterに自分のセックスの動画がアップされているんです」


 と、洗いざらい全てをオーナーに打ち明けた。



「どうしてそんなことしたの」


オーナーは不機嫌そうに言った。



「本当にすみません。つい軽い気持ちで…。もう二度としません」


 明里は謝ることしかできなかった。


 自分で撒いた種ではあるが盗撮するなんて酷すぎる。


 しかも個人の趣味で持っているらなまだしも、それをネットにあげるなんて。



 仕事でもないプライベートなセックスなんて見られたくなかった。

 悔しくて仕方なかった。



「分かった。ルール違反したとはいっても、君はこの店の稼ぎ頭である事に変わりはないので、君はメンエスを初めて間もないし、今回だけ助けてあげる」


 オーナーはあとは任せておけ、とだけ明里に言い、どこかに電話を掛けていた。






 そしてオーナーは、弁護士を立てて志村を訴えた。


 その結果、裁判所は志村に200万円を明里に支払うことを命じた。



「もう二度としないと約束するなら、その200万円は全部取っといていいよ」



 普段はそんなことを言わないオーナーが、情けをかけてくれた。



「はい、もう変なことは二度としません」



 明里は真剣な顔を作り、オーナーの目を見てハッキリと告げた。



 オーナーは満足そうに頷いた。







 しかし、明里はその裁判から少しして、お金が振り込まれたのを確認した後、店には何も告げず、霞のように消えた。




 店で働き続ければオーナーに頭が上がらなくなる。

 それに、メンズエステは匿名で働いているのに、この盗撮の事件で自分が誰か知られることになってしまった。

 そうなるともう客はエロ目的でしか来なくなる。


 こちらで客を選ぶことが出来なくなるし、何よりも素性が知られていると事務所から契約を解除されてしまう心配がある。


 そんな悩みを抱えながらこの店で働くなんてごめんだ。


 オーナーとしては、明里がこれからも店に貢献してくれると思って、弁護士費用を自腹で払うことにしたのだろうが関係ない。


 所詮は赤の他人なんだから。





 風の噂によると、志村はオーナーのことを逆恨みし、店の悪口をブログで散々書いたそうだ。

 そのせいで、一時期売上がガクッと下がって大変だったらしい。


 オーナーは明里を探してる、と言う噂もあり、明里は1ヶ月ほど海外旅行へ行くことにした。


 貰った慰謝料もあるから、半年ほどは働かずとも大丈夫だろう。


 ほとぼり冷めてからまた天職であるメンズエステの仕事をしよう、と思う明里であった。

 明里の暴露 〜完〜

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