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大日本印刷が描く書店ビジネスの未来 — WBSニュースから考える


はじめに

先日、WBS(ワールドビジネスサテライト)のニュースで「風呂屋書店」に関する特集を目にしました。このニュースは、書店と温泉という異業種がコラボレーションしたユニークな取り組みを紹介しており、大変印象的でした。これをきっかけに、私は「なぜ大日本印刷(DNP)がこのような書店ビジネスに力を入れているのか?」という問いを抱くようになりました。

DNPは、もともと印刷業界のリーダーとして知られていますが、近年では書店ビジネスや地域活性化にも積極的に関与しています。この記事では、WBSニュースで紹介された「風呂屋書店」を起点に、DNPが進める書店ビジネスにおける戦略や背景にある考え方について深掘りしていきます。

「風呂屋書店」の誕生

「風呂屋書店」は、DNPの子会社である丸善雄松堂が運営に携わっており、北海道の温泉地・定山渓にある温泉施設「定山渓第一寶亭留翠山亭」とのコラボレーションで実現しました。この書店は、温泉でリラックスしながら本を楽しむという新しい形の書店で、WBSでの放送を通じてその独特なコンセプトに触れた私は、強い興味を持ちました。

「風呂屋書店」の目的は、単なる本の販売ではなく、訪れる人々に「体験」としての読書を提供することです。温泉という特別な空間で、読書の時間を過ごすことで、現代の忙しい生活に疲れた人々に心の癒しを与えたいという思いが込められています。このような異業種コラボレーションによる新しい試みは、DNPが書店ビジネスにおいてどのような未来を描いているかを示す重要な事例です​。

【風呂屋書店】定山渓に読書と温泉を愉しむ本屋がオープン!
https://sapporo-list.info/shop/furoya-books/#google_vignette

地域活性化に向けた「TSURUGA BOOKS & COMMONS」

DNPは、ただ異業種とコラボするだけでなく、地域との連携を通じて書店を活用した地域活性化にも力を入れています。たとえば、福井県敦賀市にある「TSURUGA BOOKS & COMMONS ちえなみき」は、公設民営の書店として地域の文化発信や交流の場を提供するモデルケースです。この書店は、DNPグループの丸善雄松堂と編集工学研究所によって運営されており、地域の歴史や文化を活用しながら持続可能なまちづくりを目指しています。

地域密着型の書店は、地域住民だけでなく観光客も巻き込むことで、文化の中心地となり、地域経済の活性化に貢献しています。敦賀市のプロジェクトでは、文化施設と連携し、学びや観光を結びつけることで、街全体に新しい息吹を吹き込んでいます​。

大日本印刷と丸善雄松堂が福井県敦賀市と多面的なまちづくりの連携協定を締結。

デジタル技術とリアル書店の融合

DNPの書店ビジネスのもう一つの側面として、デジタル技術との融合が挙げられます。DNPはネット書店「honto」を運営しており、リアル書店との連携を強化しています。hontoでは、ネットでの書籍購入や電子書籍の提供に加えて、リアル書店での在庫確認や店舗受け取りなど、オンラインとオフラインの垣根を超えたサービスを提供しています。

このようなハイブリッド型の書店サービスは、従来の書店経営の枠を広げ、より多様な消費者ニーズに対応できるようになっています。特に、ネットでの利便性とリアル書店での体験を同時に提供することで、顧客満足度を高め、書店ビジネスの新しい可能性を広げています​。

ハイブリッド型総合書店「honto」のサービス会員が400万人を突破

書店を通じたまちづくりへの貢献

DNPの取り組みは、書店を通じたまちづくりにも大きな焦点を当てています。書店を単なる本の販売拠点ではなく、地域の文化や情報を発信するハブとして位置づけることで、地域社会に持続可能な発展をもたらすことを目指しています。

たとえば、敦賀市のプロジェクトでは、地域の文化や歴史に関連する書籍の販売だけでなく、地元住民や観光客が集うコミュニティスペースを設けることで、街全体の魅力を高めています。また、DNPはデジタル技術を活用した地域のプロモーション活動にも積極的で、デジタルトランスフォーメーション(DX)の導入を通じて、地域の情報発信を強化しています​。

DNPが描く書店ビジネスの未来

WBSのニュースをきっかけに、「風呂屋書店」や「TSURUGA BOOKS & COMMONS」など、DNPが進めるさまざまな書店ビジネスに注目すると、彼らが描く未来の書店像が見えてきます。DNPは、単なる本の販売から脱却し、書店を地域文化の中核や異業種とのコラボレーションの場として再定義しようとしています。

また、DNPはデジタル技術を積極的に導入し、リアル書店とオンライン書店を連携させることで、現代の多様な読書スタイルに対応しています。このような革新は、書店業界が直面している厳しい環境を乗り越えるだけでなく、新しいビジネスチャンスを生み出すものです。

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