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現場で奮闘中!2024新入社員リポート<第3回>

 定期的に更新しているパズルの2024新人特集は、今回でいったん区切りとなる3回目。7月から各ポジションに配属され、すでに現場で活躍中の新戦力の面々は、同時進行で新人たちだけで作り上げる自社プロジェクト(プライベートワーク)の作業にも励んでいます。通常業務に支障を来さぬよう、朝か夜に9人全員で集まり、試行錯誤しながら作品制作に取り組む毎日。大半のメンバーが参加した2012年からパズルが取り組む『3.11』(忘れないプロジェクト)の撮影現場の模様も含めて、今回も元新聞記者のプロデューサー櫻井がリポートしました。(第3回/全3回)

慣れない手つきでカメラの位置を決める堀稚菜

自社プロジェクトで東北地方へ撮影の旅

 どんより続きの日々も終わり、いよいよオフィスがある渋谷にも夏本番がやって来ました。関東地方に梅雨明け宣言が出されたこの日。パズルが2012年から展開している自社プロジェクト(忘れないプロジェクト)制作のために、数日前から東北地方を回っていた新人たちが、日焼けした精悍な顔つきで帰って来ました。今回、現場での貴重な体験を胸に、今の想いを聞かせてくれたのは福地琉河、福田彩乃、堀稚菜の3人です。

撮影は早朝から夕方まで及んだ

東日本大震災の爪痕を撮り続ける

 パズルでは2012年から、クライアント各社から依頼を受けた仕事以外に、社として取り組む自社プロジェクト(プライベートワーク)を展開しています。現在、自社サイトに公開しているのは2012年から撮影を開始した『3.11』『.tokyo』の2作品。『3.11』は2011 年に起きた東日本大震災を、「月日と共に風化させない」ことを目的に、無理せず、継続しながら、パズルに接点をもった方たちに少しでも思い出してもらえるように、毎年チームを結成して現地で撮影しています。

少しでも良いアングルを探してポジショニングを決める

7月中旬から2班に分かれて1週間

 今回新人たちが先輩ディレクター、プロダクション・マネージャーらと参加したプロジェクトは『3.11』。7月中旬から約1週間をかけて2班に分かれて現地での撮影を行いました。4月1日の入社から2週間の研修後、社内の各ポジションを回りながら現場の仕事を学ぶジョブローテーションを経て、あっという間に過ぎた4カ月間。彼らにとっては初めての本格的な撮影現場での仕事です。

日差しが強い中での撮影タイム。熱中症対策を万全に臨んだ

現地の人々と交流しながら得た多くの経験

 撮影を振り返って。新潟県の大学でデザインを学んでいた福田は開口一番「(就職先を)パズルに決めたことの1つが『3.11』のような自社プロジェクトに取り組んでいる点でした。現場に行くと、先輩や同期だけでなく、現地の人たちからも声をかけてもらえて、たくさんコミュニケーションが取れたことがとてもうれしかった。本当に良い経験になりました」と目を輝かせていました。

さりげなく先輩に傘を差しだす堀稚菜。チームの一員として気配りの大切さを学んだ

準備の大切さやイレギュラー対応の難しさ

 美大卒の堀は「就活のときから『3.11』には注目していて、チャンスがあれば絶対に関わりたいと思っていました。撮影はとにかく大変だったけれど、同期や先輩と一緒にてんやわんやしながら絆が深まったのが一番の収穫。準備の大切さや想定外のことが起きたときの対応を直に学べて、私自身も成長を感じられた時間でした」。こちらも声を弾ませ、志望するデザイナー職に就いたとき、この経験が間違いなく生きるという手ごたえを感じていたはずです。

カメラのセッティングに悪戦苦闘中の福地琉河

幼少の頃に見た現地と今の変貌に驚く

 一方、被害の大きかった福島県に隣接する茨城県出身で、メンバーで唯一、被災後の現地を訪れた経験があった福地は「まだ被災地が大変だったころに学校のボランティアに参加したことがあります。復興した現地を見て、感じることは多かったですね。仕事の面でいえば、僕自身はカメラを使ったことすらなかったので、現場では何が必要で、実際にどう動けばいいのかを考えさせられた時間でした」。幼少の頃に目の当たりにした被災地を前に、福田、堀と同じく得たものは多かったようです。

岩手県大槌町の高台から津波の爪痕を記録している

風化させず映像に残すことの意義

 撮影は福島県いわき市を皮切りに宮城県松島町、石巻市、気仙沼市、岩手県陸前高田市、大船渡市など、東日本大震災発生時に大きな被害を受けた地域を中心に行われました。東日本大震災は、新人たちにとって当時小学生だった頃の出来事。津波など当時の様子や現地のその後は、それぞれテレビ映像でしか見たことはなかっただけに、現地に足を運び、見て、体験することにより、映像を残すことの意義を改めて感じた約1週間となりました。

新人プロジェクトは担当業務の合間を縫って行われることが多い

失敗を重ねながら前進中の新人プロジェクト

 新人特集の初回からお知らせしている通り、現在、パズルでは『3.11』『.tokyo』に続く自社プロジェクト(以下、新人プロジェクト)を2024年入社の9人のみで取り組んでいます。学生時代に映像制作やWeb制作、グラフィックデザイン経験者こそいるものの、本格的なプロの作品を社会人になったばかりのメンバーだけで作り上げるという大きな課題。彼らは日々、頭を悩ませ、セルフマネジメントに苦慮しながら取り組んでいますが、これは、今年の新人たちには「教えすぎない」という方針の元、自身らで考え、苦しみ、失敗を繰り返しながら成長を促すことが狙いでもあります。

忙しい合間を縫っておのおののメンバーが都内へ撮影に出かける

クライアントワークとの両立が課題

 新人プロジェクト発動から4カ月が経過。企画全体の取りまとめ役を担う場面が多い福地は「7月からクライアントワーク(通常業務)のチームに本配属されて、新人プロジェクトとの両立が難しいですね。先輩たちが仕切るチームの一員として働く中で、いかに(新人プロジェクトの)時間を作るかが課題です」と苦笑い。経営学部出身の福地にとって、映像、Web、デザインなどパズルで武器となるスキルのアドバンテージはない分、企画力や調整力を磨くことが大切だということは自分自身が一番理解しています。器用に立ち回れるタイプなので、現場配属からすぐに多くのプロジェクトに駆り出されていますが、決してそれを言い訳にせず、新人プロジェクトにも全力で取り組んでいます。

育った環境や考え方が異なる9人が一体に

 初回に登場した児玉萌と同様、堀も新人プロジェクトへの向き合い方に悩んでいる様子です。「9人いるから逆にまとまらない面があります。そもそも育って来た環境や、モノづくりの考え方が違う。美大卒の私はどうしてもモノづくりに傾倒してしまいがちですが、文系、理工系出身者とは考え方や進め方でぶつかり合うことも多かったです」とネガティブな面も隠さず話します。堀の繊細さは将来デザイナーとして大きな武器になる予感がします。

新人プロジェクトの成功を祈る新人たち

自然と出来上がってきた役割分担

 そんな中、もともとはデザイナーを志していたものの、採用面接を重ねるうちに、プロダクション・マネージャー志望に変わった福田は「いつも9人で一緒にいるので、分からないことがあってもすぐに先輩に聞くのではなく、同期で協力しながら助け合えたのがとても良かった。Webに関してはエンジニアの彭小秝(ポン・シャオリー)やデザイナー志望の堀。言語化が上手い大東佳人が企画担当など、自然と9人それぞれの役割分担が出来上がっていきました」とニコニコしながら振り返りました。技術系のエンジニアやデザイナーの気持ちを理解しつつ、企画を進めるうえで必要な調整力が自然と身についている福田。プロダクション・マネージャーの素質は十分とみています。   

  日々のクライアントワークに励みながら、新人プロジェクトにも全力で臨んでいる9人は、4月の入社時から、それぞれのスピード感とリズムで確実に成長しています。1つ上のステージに進んでも、そこでもまた壁にぶつかるのは間違いないはず。でも、同期がいたからこそ頑張れるという想いは全員に共通しています。今後も彼らの奮闘ぶりにぜひ期待してください。新人特集は今回でいったん終了しますが、また機会があれば大きな“絆”で結ばれた2024年採用メンバーの活躍ぶりをご報告していきます。

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