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24 妻の外出を認めない モラハラの定番

職場の飲み会

「職場の飲み会に行ってもいい?」と切り出すのは相変わらずとても勇気が必要でした。
「めちゃくちゃ行きたい」というと眉をひそめることは間違いありません。かといって、「断りにくいから」とか「仕方ないから」と言うと、
モラ夫「いきたくないなら行く必要ないやん」
と言われます。どんなアプローチでも、結果は最初から決まっているのです。そして恐ろしいことに、自分が不機嫌な表情であることに夫は気づいていません。この顔がこの人のニュートラルなのか?と思えるほどです。眉間にしわを寄せている時の方が圧倒的に多いのです。私と娘以外に対しては本当にいつもニコニコしています。二重人格並みです。


 だから、飲み会に行きたいと切り出すタイミングがとても大切です。できるだけ機嫌がよさそうな時、そして夫が
「明後日スポーツジム行ってきていい?」
と聞いてきたときに切り出すのです。夫は自由に無条件に出かけることができるのだから、私にもちょっとくらいチャンスがあってもおかしくないはずです。
そしてすぐにそのタイミングがやってきました。

モラ夫来週友達と飲みに行ってきていい?」(夫は例え前日でも当日でも飲みに行けます)
チャンスです。もちろん即答しました。
「いいよ。もちろん。久しぶりじゃない?楽しんでね」
そしてドキドキしながら、感情を表に出さないように切り出しました。その時点ですでに公平な関係ではないのですが。
「・・・実は私も、来月職場の飲み会があるんだけど、行ってきてもいいかなぁ」(私は少なくとも1、2か月前に予定を言わないと、モラハラされます)
モラ夫「ふーん、子どもどうするん?ご飯は?お迎えは?」

夫は最初から協力する気はありません。丸投げです。しかしそれも想定済み。
「子どものお迎えは、お義母さんにお願いしてみるよ。前聞いたら、いつでも大丈夫よって言ってくれたし」
モラ夫「そしたらうちのお母さん大変やん…子供連れて行かれへんの?」
「え?」
モラ夫「職場の飲み会ってどこ、自分で子ども迎えに行って、そのあと連れて遅れて参加すればいいやん。俺もどっか行ってくるし。そしたら夕ご飯作らんでいいやろ?」

自分は無条件に一人で自由に出かけるのに、妻の私は、子守と夕飯とすべて引き受けた上で、自己責任で出かけるしか選択肢はないのです。

もうこうなっては夫は絶対に意見を変えません。子連れか、飲み会を断るかの二択しかありません。しかし居酒屋に娘を連れて行くのは気が進みません。

「わかった。じゃあ娘連れていくね」あまり間を開けずに私は返事をしました。

もしも「子連れは嫌」と言えば、
モラ夫「子どもほっといて自分を優先するん?」と言われるに決まっています。そして結局飲み会を断るまで嫌味を言われるのです。

「じゃあ行くのやめる」と言えば、今後一切飲み会の参加はできなくなるかもしれません。「娘と家におる方が楽しいんやろ?こないだは飲み会断ったのになんで今回は断らないの?誰か男でもいるの?」と言われるかもしれません。ここは、子連れでもなんでもとにかく飲み会に参加する、という実績を作る方が大事、と判断しました。

 そして結局、子連れで飲み会に参加することになりました。もちろん夫はその間一人でどこかに出かけています。おかしな話ですが、モラハラ相手には本当に話が通じないのでこちらが病むだけです。正論は通じない、でも心は納得しない。自分の心を守るには、「夫の言うことが正しい」と思い込み、言うことを聞くしかありませんでした。それができなければ離婚に突き進むしかないと、恐怖だったのです。何があっても離婚はしない、というのが、当時のテーマだったので、こうするしかありませんでした。自己催眠で自分を守っていたのです。


私は子連れで飲み会、夫は一人で自由

 飲み会自体はとても楽しめました。みんな娘を歓迎してくれました。
「主人は仕事が忙しくて…」
同僚「ママは大変やね、でもこうやって参加できて本当によかったね、またやりましょう」
(みんな優しい。子連れの飲み会もアリだな、夫の機嫌はいいし、私も家のことを気にせずに済む)と納得することにしました。
 
それから、私の飲み会は子連れが定番、になりました。参加できないよりははるかにましです。夫は一人で自由に出かけているのですが、そのことは考えないようにしました。私は母親だから、娘を義母に預けても結局は早く帰ってしまう。一緒に連れてくれば、一次会の間は家を気にせずに楽しめます。

ただ小さな子どもです。食事を食べさせながら、同僚との話に夢中になっても
「ママ!ねえママ!こぼした」 

 「あのね、ママ!聞いて」

 「もう嫌ぁ、帰りたいぃぃ」
 何十回も中断され、込み入った話は一切できません。結局笑顔で早口で食べ、みんなの話を聞く役に徹しました。私のストレスは何年経っても発散できません。思い切り話したい、笑いたい、難しい話もじっくり語り合いたい。
 家ではアンパンマンやおかあさんといっしょなどの子ども番組ばかり。夫は携帯動画ばかり。なのに私が夜中にテレビを観ていたら「こんなに夜更かしして。具合悪くなっても俺知らんからな」と嫌味を言われます。ニュースもドラマもすべて諦めるしかありませんでした。
仕事、家事、育児、そして自分の体調管理に家計の管理。 すべてが私にのしかかっていました。


「子どもどうするん?」で束縛する

元夫は、私が何か申し出ると必ずこう言いました。

「子どもどうするん?」と。つまり、子どものお迎えや世話は、自分でする気が全くないのです。更に、「出かけたいなら家事も育児も手を抜くなよ。俺は協力しないよ。だって自分が出かけたいんだから自分で何とかするのが当たり前」という論理を振りかざしてくるのです。

子どものことを想っての発言では全くありません。自分が、一人で娘の面倒を見たくないだけなのです。モラハラは人の気持ちが考えられません。自分のことしか考えられないのです。


「俺のお母さんに子ども預けるのは自分勝手」と言って束縛する

これも、私が出かけたいと申し出た時に言われます。結局元夫は、自分の母親の負担を心配しているのではなく、単に私が自由な時間を過ごすことが許せないのです。この後はどんなに抵抗しても屁理屈で返してきます。

 

 モラ夫の屁理屈

「給料の高いお前が、日雇い同然の俺の母親に子どもを見てもらうなんて、おかしい。俺のお母さんは有給休暇がない。自分は有給休暇があるくせに、お母さんの大事な時間を使って遊ぼうと考えることがあり得ない」

更に「俺も有給休暇ないし給料も低いのに、それでも迷惑かけてまで遊びたいなんておかしい」

お義母さんが日雇いなのは私のせいではありません。私の給料が高いのとお母さんの有給休暇には何の関係もありません。そして驚くことに、夫の兄弟も同じ考えでした。私が元義母に子どもを預ける時は、例え理由が仕事でも、日当の5千円を私が義母に支払う、ということにされてしまいました。おかしいですよね。

 夫や義母に子どもを預けるのが許されないなら、私は平日に有給休暇をとって、カフェに行くとか本屋に行くとかの息抜きをするしかありません。しかしそれも、「自分は平日に遊んで、いいよな。俺はずっと働いてる」と嫌味を言われました。平日の夜も土日も家にいない自分を棚に上げて、です。

もう、論理が崩壊していますし、わざとめちゃくちゃな論理で束縛しているようにしか思えませんでした。

 負けずに対抗したら、最後はどうなるかわかりますか?

「不機嫌」と「無視」が始まるのです。

次回に続きます。


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