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26 夫の機嫌を常に心配する

 元夫にしかわからないエピソードが含まれているので、一部有料にさせてください。

見栄っ張り

 都会に住みたい。というのが夫の希望でした。どうしても住みたい地域があると言うのです。しかしそこは県内でも有数の高級住宅地。我が家の収入ではとても家が建てられるわけがありません。しかも2人の職場から更に電車で1時間くらい離れています。夫の意見を曲げるのはかなり難しいのでマイホームの話は保留にしていました。外面が良く見栄っ張りなのです。夫が思うほど我が家にお金はありません。
 そんなある日、近くに新築の物件が売り出し中というチラシがポストに入っていました。市内のどこへでもアクセスしやすい便利な立地で、適度に田舎で子育てしやすそうな環境です。高級住宅地なんて言っていたら一生マイホームは無理です。そこで見学だけでも行こうと誘ってみました。そして急遽、見学に行くことにしました。

マイホーム見学

モラ夫「悪くないね」
「他にも周辺で見て検討しようよ。頭金も貯金してあるんだよ。」
モラ夫「そうやな」

こうして1か月ほど物件を見て、最初に見学に行った物件が一番いいという話になり、購入を本格的に検討することになったのです。


友人の話は信用するが、妻の話は絶対に信用しない


「最初に見たとこでどう?」
モラ夫「いいんじゃない?お金は俺わかんないけど。俺が住みたい場所は何でダメなん」
「その地域でマイホームは無理だよ。ここより半分の広さで値段は2倍だよ。2年前に見学行ったもん。リサーチ済みだよ。資料もある。納得できなければ自分でもう一回行って調べてみたら?」

夫は自分の目で見ないと納得しません。いくら資料やデータを見せても信じません。そのくせ自分では調べません。

モラ夫「しょせん人が調査したやつやろ?信用できるん?」というのは彼の常套句なのです。そのくせネットニュースは情報ソースを気にせずすぐに信用します。
「しょせん本の情報やろ」
「しょせん大学教授が勝手に言ってることや」とよく言いました。じゃあ何なら信用するのでしょう。
 本や研究を進めるのに一体どれほどのバックグラウンドがあるのか、基礎研究があるのか全く理解できないのです。勝手な思い付きや想像で本を書いたり研究をしていると思っているのかもしれません。そんな夫に、物事を理解させるのは大変だし、結局は私がインテリで勝手に言っているだけ、と誤解されて終わります。聞く気がない人に何を言っても時間の無駄です。

モラ夫「いやそこまでせんでもいいわ。じゃあ雨の日に駅から歩いて、十分以内で到着できたらいいよ、買っても。今度タイム測ってきてな」
「…わかった」
(それが大事な何かを決定するときの基準?タイム?ばかばかしい。何度も現地に行ってるやろ。しかも私は妊娠中や)
 でもずるをしたり嘘をついて行かなかったりしたら、この話は無しになります。数日後、私は雨の中タイムを計りながら歩きました。そして10分以内でストップされたストップウォッチのスクリーンショットを見せました。

モラ夫「…わかった。じゃあいいよ。買っても」
夫は快諾しました。「買おうか」ではなくて「(買いたいなら勝手に)買えば」と言われているような感じでした。
 決定する基準が幼稚すぎて笑えるのですが、納得したならこれで一安心です。税金や諸々の手続きは私がやれば大丈夫です。


買った後で文句を言う(頭金と印鑑の意味わかってる?)

モラ夫「嫌じゃないけど、コンビニないやん」
モラ夫「まだ買うには早いで。車もないのに」
モラ夫「この家で別にいいけど、子供の送り迎えは俺は絶対せえへんからな
契約書に印鑑を押したその日の夜、唐突に夫はこう言いました。
(やっぱり嫌だったんだ…)
心臓がドキドキしました。しかし印鑑を押した後です。頭金も払っています。購入は取り消せません。取り消したとしても、夫の言う高級住宅地に家を買うことは一生かかっても無理です。「保育園のお迎えはしないからな」という言葉も取り消せないのだろうな、と不安に思いました。


モラ夫「買う前に俺は条件言ったで?それでも契約を辞めなかったのはお前やん」と必ず言うでしょう。結局また私一人で子育てを頑張らなきゃいけないのです。いや、家の購入は関係なく、結局のところ、何かにつけて子どもの世話をしない理由を当てつけてくるだけかもしれません。

購入後、例えば「もう少しここの収納が広ければな」、とかひとことでも家の悪いことを言えば、
モラ夫「だから忠告したやろ」と言われるのは確実です。だから余計に、絶対に家のマイナスなことは言わないように気を付けなくては、と心に決めました。

実際に、「今日は体がしんどいから、手抜き料理にしようかな」と言った時、モラ夫は「え、料理が好きだからこんな広いキッチンにしたんやろ、意味ないやん」と言いました。

そして「子供部屋がもうすこし広かったらな」と言った時は、モラ夫は「ほらな、だから俺の実家の近くに家を買わないのが悪いねん」(実家との距離は無関係では?)と、とにかくこの家が悪い、自分で勝手に買ったんやろ、ということを言いました。


 無事に引っ越しまで済ませ、夫は結果的に新居を気に入ったようでした。
モラ夫「家を買ったのはお前の勝手!」といつ言われるだろうかと不安を持ちながら生活しました。だからしょっちゅう
「いい家買ったよね!」
「広いリビングでいいね!」
とポジティブな言葉をかけるようにしました。そして機嫌のいい時は
モラ夫「そうだね」
と返してくれました。その実績を作るのが大事なのです。


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