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重熱人形に関する開示情報
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身体構造重熱人形の身体は分類状は全身義体にあたるが、内部構成や基幹技術が一般に普及しているものとは大きく異なり,その本質は″杖″に近いものとされている.
現在環境課が管理する個体 通称 "ネロニカ"の身体はセラミック,繊維強化プラスチック,合成ゴムなどを複合した古い義体外装と頭部のカ
Secret Diary
『y月14日』
先のカウンセリングから日記をつけることになった。記憶をわざわざ紙媒体で記録するなんて面倒で無意味な行為。理解できない。
『x月5日』
何を書いたらいいのかわからない。
午後の定期検査が終われば今日はおしまい。
『x月6日』
今日は朝から私の知覚能力に関する実験。相変わらず退屈。人間が持つ痛覚というものが私にはよくわからなかった。
私からしたら人間の身体メカニズムの方がよっぽど奇
EP0 人形達のレゾンデートル
[PM 01:06 環境課庁舎 課長室]
デスクの上に置かれた推薦状には既に承認の判が押されていた。
静まり返った室内には環境課課長 - 皇純香の他に一人、白衣を纏った男の姿があった。
皇は人事資料を眺めながらゆっくりと口を開く。
「今回の件は特例だ。特に『重熱人形』の存在に関して、情報共有対象は慎重に選定していくつもりだ。一般的には通常の義体と同じものとして扱うこととするが、例外的に義体整備班