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全集に挑む・夏目漱石と共に歩く2023

こんにちは、ぷるるです。
硬いタイトルですが、内容は毎度の感じです。

以前noteで2023年に実行したいことを書いたのですが、その中に「体系的に一人の作家を読んでみる」という目標がありました。

なのに私ときたら日々の仕事や雑事、くだらないことの観察などにかまけて、すっかり棚上げにしてました。

しかし。
わざわざnoteに記事としてあげた以上、有限不実行とするわけにはまいりません。
記事にも暖かく力強いコメントで後押しもいただきました。

何より若大将・加山雄三さんに申し訳が立たない。

そこでちょいと腰を入れて、読む作家を決めることにしました。

先週末の私にも、思い悩む者特有の憂いがにじんでいたことだろう。

最初は、自宅にある資源を有効活用することを考えました。

巨人2人の他には、哲人しかいなかった。

正直、評論をほぼ読んだことのない私には、ハードルが高すぎでした。

吉本隆明さんは好きですが、読んだのは「悪人正機」など一般人に向けた、わかりやすい本のみ。

己を高く見積もらないのが信条です。
「いつかまた!」と声をかけ、私はこの本棚から撤退しました。

やはり全作を読むともなれば、主体的に掴み取ることが必要です。
安易な選択を深く反省した私は、再度考えて候補を絞りました。

  • 芥川龍之介:結構読んだし、どれも好きだから。

  • 森茉莉:ドッキリチャンネル以外も読んでみたい。

  • フィリパ・ピアス:読んだ3冊がどれも素晴らしい。

  • 谷崎潤一郎:読んでみたいとずっと思っていたから

  • 夏目漱石・・・あ!

私には夏目漱石に関する長年の宿題があったことを、ふと思い出しました。
うん、これはもう決まった。

いつでもどこでも読めるよう、電書にしました。

ところで私がこの宿題を背負ったのは、11歳の春でした。

「そろそろ大人が読む本に挑戦しよう」と思い立ったのがきっかけです。
そして親に頼み「吾輩は猫である」を文庫で買ってもらいました。

この小説は学校の図書館にもあるし、大人だけが読む本ではありません。

でも私は夏目漱石の文豪性に、そして買ってもらった憧れの「新潮文庫」に酔っていたのだと思います。

それなのに、ああそれなのに。

私は最初の1ページぐらいで寝ちゃったんです。ぐうぐうと気持ちよく。

読書力には自信があったし、周りからも読書家さんとほめられてきたので、私はかなりショックでした。

それから何度もチャレンジしましたが、なぜか寝ちゃう。
どーーーしても寝ちゃう。

だから「吾輩」がどうして国民的猫の地位を欲しいままにしているのか、わからない。

「吾輩」がいつまで経っても先生の家の台所から先に進まない!

吾輩から睨まれている気がする。

挑戦が5回を過ぎた頃、私は「吾輩」と手を切ることにしました。

そして勉強につまづいた優等生が夜遊びを始めるように、小説からマンガにぐいっと舵を切ったのでありました。


しかし10年後。

再び夏目漱石が私の前に現れました。
会社の(怖い)先輩に「こころ」を勧められたので、読まざるを得なくなったのです。

ところが「こころ」は、予想以上に強く私を揺さぶりました。

そこから夏目漱石ブームとなり、私は「それから」「門」などを連続して読んでいったのですが、「吾輩」を手に取る気には、やっぱりなれませんでした。

つまり、いまだに読んでいないのです。

だから今回、私は「吾輩」と向き合い、この長い長い宿題を片付けてしまうことに決めたのでした。


この決意を本好きの知人に話したところ、

「小説はもちろんだけど、漱石の文学論は実に深く現代にも通じることが多い」と言われました。これを聞いた時、私のテンションはぐっと上がりました。

今回の目的は「作家を丸ごと知る」ことにあるのです。
つまり、小説以外も時系列に沿って読み込むということです。

改めて考えると、ちょっとゾクゾクしますね。
文豪の深い深い知識の海には、一体どんな世界が広がっているのだろう。

そしていくつになっても新しい試みができるって、なんと素晴らしいんだろう。

読み切った時には、noteで報告したいと思います。
その時はまた、お付き合いいただけるとうれしいです。


<おまけ>

月曜日から漱石全集を読み始めたのですが、トップバッターを飾った小説は当然に

「吾輩は猫である」でした!!
さっそく宿題が!!

また寝ちゃったら・・・と不安でしたが、乗り切れました。ぱっちり目を覚ましてます。幸先がいいです。

ちなみに現在吾輩は勝手に絵のモデルにされています。
先生のためにしぶしぶ尿意を我慢している「吾輩」・・・。

現代人に通じる空気を読みっぷりに感心しているところです。




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