全集に挑む・夏目漱石と共に歩く2023
こんにちは、ぷるるです。
硬いタイトルですが、内容は毎度の感じです。
以前noteで2023年に実行したいことを書いたのですが、その中に「体系的に一人の作家を読んでみる」という目標がありました。
なのに私ときたら日々の仕事や雑事、くだらないことの観察などにかまけて、すっかり棚上げにしてました。
しかし。
わざわざnoteに記事としてあげた以上、有限不実行とするわけにはまいりません。
記事にも暖かく力強いコメントで後押しもいただきました。
何より若大将・加山雄三さんに申し訳が立たない。
そこでちょいと腰を入れて、読む作家を決めることにしました。
最初は、自宅にある資源を有効活用することを考えました。
正直、評論をほぼ読んだことのない私には、ハードルが高すぎでした。
吉本隆明さんは好きですが、読んだのは「悪人正機」など一般人に向けた、わかりやすい本のみ。
己を高く見積もらないのが信条です。
「いつかまた!」と声をかけ、私はこの本棚から撤退しました。
やはり全作を読むともなれば、主体的に掴み取ることが必要です。
安易な選択を深く反省した私は、再度考えて候補を絞りました。
芥川龍之介:結構読んだし、どれも好きだから。
森茉莉:ドッキリチャンネル以外も読んでみたい。
フィリパ・ピアス:読んだ3冊がどれも素晴らしい。
谷崎潤一郎:読んでみたいとずっと思っていたから
夏目漱石・・・あ!
私には夏目漱石に関する長年の宿題があったことを、ふと思い出しました。
うん、これはもう決まった。
ところで私がこの宿題を背負ったのは、11歳の春でした。
「そろそろ大人が読む本に挑戦しよう」と思い立ったのがきっかけです。
そして親に頼み「吾輩は猫である」を文庫で買ってもらいました。
この小説は学校の図書館にもあるし、大人だけが読む本ではありません。
でも私は夏目漱石の文豪性に、そして買ってもらった憧れの「新潮文庫」に酔っていたのだと思います。
それなのに、ああそれなのに。
私は最初の1ページぐらいで寝ちゃったんです。ぐうぐうと気持ちよく。
読書力には自信があったし、周りからも読書家さんとほめられてきたので、私はかなりショックでした。
それから何度もチャレンジしましたが、なぜか寝ちゃう。
どーーーしても寝ちゃう。
だから「吾輩」がどうして国民的猫の地位を欲しいままにしているのか、わからない。
「吾輩」がいつまで経っても先生の家の台所から先に進まない!
挑戦が5回を過ぎた頃、私は「吾輩」と手を切ることにしました。
そして勉強につまづいた優等生が夜遊びを始めるように、小説からマンガにぐいっと舵を切ったのでありました。
しかし10年後。
再び夏目漱石が私の前に現れました。
会社の(怖い)先輩に「こころ」を勧められたので、読まざるを得なくなったのです。
ところが「こころ」は、予想以上に強く私を揺さぶりました。
そこから夏目漱石ブームとなり、私は「それから」「門」などを連続して読んでいったのですが、「吾輩」を手に取る気には、やっぱりなれませんでした。
つまり、いまだに読んでいないのです。
だから今回、私は「吾輩」と向き合い、この長い長い宿題を片付けてしまうことに決めたのでした。
この決意を本好きの知人に話したところ、
「小説はもちろんだけど、漱石の文学論は実に深く現代にも通じることが多い」と言われました。これを聞いた時、私のテンションはぐっと上がりました。
今回の目的は「作家を丸ごと知る」ことにあるのです。
つまり、小説以外も時系列に沿って読み込むということです。
改めて考えると、ちょっとゾクゾクしますね。
文豪の深い深い知識の海には、一体どんな世界が広がっているのだろう。
そしていくつになっても新しい試みができるって、なんと素晴らしいんだろう。
読み切った時には、noteで報告したいと思います。
その時はまた、お付き合いいただけるとうれしいです。
<おまけ>
月曜日から漱石全集を読み始めたのですが、トップバッターを飾った小説は当然に
「吾輩は猫である」でした!!
さっそく宿題が!!
また寝ちゃったら・・・と不安でしたが、乗り切れました。ぱっちり目を覚ましてます。幸先がいいです。
ちなみに現在吾輩は勝手に絵のモデルにされています。
先生のためにしぶしぶ尿意を我慢している「吾輩」・・・。
現代人に通じる空気を読みっぷりに感心しているところです。
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