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ちょっぴり読書感想vol.9

仮面の告白
三島由紀夫

今回は、三島由紀夫著、仮面の告白の感想を述べたいと思います。
最近気になっていたのです。三島由紀夫。戦前〜戦後に多感な時期を過ごし、60年代の政治的、経済的にも芳醇な激動の時代を生き、何を持って三島事件に至り、生涯を終えたのか。
私はまだ三島由紀夫のことを知りません。そんな三島由紀夫が現在の私と同い年、24歳のときに発表した自叙的作品の仮面の告白を読んでみました。

一言で感想を述べるなら、耽美たる自慰的作品、でしょうか。
この作品は、三島由紀夫が同性愛者の告白をする作品です。まさに仮面の告白ですよね。ただ、そこには同性愛の告白だけではなく、自分の半生と向き合い、自身の思考回路における仮面的な部分の炙り出しがあるように感じました。

正直、めっちゃくちゃ耽美な言い回しや表現も多く、私では理解し得ないところも多かったです。
いかにも構造的で筋道立った構成なのが、三島由紀夫なのでしょうか。私にはまだ教養が足りないようです。

ですが、一貫して内面の葛藤が描かれており、私にも共感し得る場面や思考もあり、面白かったです。

自身の性的マイノリティと世間一般とのずれを認識し、葛藤するだけの作品と捉えられてしまえばそれまでかもしれません。
ですが、三島由紀夫の文章と表現、そして、自分の内面へのストイックな追求が耽美に描かれた作品だと私は感じました。

私には難しい文学作品。でも、面白い。
また次回。

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