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思わぬ恋がくれたチャレンジ

もう恋なんてすることないだろう。

1人が心地良いし、思いつきで国境気にせずうろうろしちゃう性格の私と、共にいたいと思う人なんてきっといない。

25歳の春に前のパートナーに突然のお別れを言われてから、その思いは年々強くなっていった。


ワーホリで異国に来て運命の人に出会う、なんて話はよく聞く話。

でもそんな都合の良いこと私に起こるはずがない。

実際来て5ヶ月は職場外で友人さえいなくて、休日は基本1人だった。

でも寂しさなんてみじんも感じなかったし、むしろ1人でいることが自然で、30年間の人生の中で1番心が穏やかであるような感覚さえあった。


そんな静寂の中に、そよ風のごとく彼はやって来た。

自然となんでも話せる、沈黙さえも心地良く過せて、一緒に自然の中でボーっとすれば心が1つになる感覚さえあった。

でも気づかなかった。
彼の心に黒い靄が忍び寄っていることに。

そして一旦かかったその靄は、私達の時間をことごとく邪魔することに。


毎日のように会っていた人と突然のように会いにくくなった。

最初は数日おき、そして気づけば2週間会えていない。

寂しいと嘆いたところで、これは彼のせいでもなんでもない。
彼の心にかかった靄が晴れるまで、待つしかないのだ。


そんなことは分かってる。

彼は彼なりに向き合っている。無理してなにかしようとするのではなく、ただただ休むことを優先している。

そして私はこの距離感になってから、徐々に無意識に持っていた彼への依存心を開放していき、本来心地よかった1人時間の穏やかさを取り戻し、孤独が襲ってくる時は頼れる友人がいることに気づいた。


それでもやはり会いたい。彼の温もりが愛おしい。
手を繋いで緑の中歩き、他愛もない冗談で笑って、ただただお互いの目を見つめ合っていた、そんななんてことなく感じてたけど特別だった時間が恋しい。


どんなに励ましてくれる友人がいても、感動するほど美味しいものを食べても、ぐっとくる映画や音楽にふれても、どんなに面白いお笑いコンテンツをみても、心は満たされない。

一体世の同じような境遇の人たちは、どうやってこのやり場のない物足りなさと向き合っているのだろう。


「とりあえず彼のことはほっといて、自分時間過ごしてたら時が解決するよ」

友人達はこぞってそんなことを言ってくれる。

それで自分の心が穏やかに戻れるのならば苦労してない。


彼の心の靄が晴れるのを待つ間、私は私で心の中の太陽がチラ見するメンタルを保っておきたい。

これもきっと必要で私の元にやってきたチャレンジなんだろうから。

切にそう思いながら飲んだ、オーツミルクフラットホワイト美味しかった。☕

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