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好きな人の為なら、の一心だった

それからバンドマンLを好きになった。
Rのときと同じくLが出ているライブには足しげく通った。
最初は1人で行っていたがその内だんだんと声を掛けてくれる人がいて、1人じゃなくなった。
けれどなんだか楽しくない。
いつも私は誰かと比べられている感覚に陥り、ライブも義務感の元通うようになった。

比べられるのも当然、その子たちは若く、可愛い。
自分に無いものを多く持っていた。
バンドを好きになれば好きになるほど劣等感に苛まれ、あまりに惨め。
結局私は見えない誰かと戦っていた。
物販でお金を使えば使うほど、ライブに行けば行くほど待遇はよくなる。
しかしこれは結局お金なのである。
相手も道楽でバンドをしているわけではない。生活がかかっている。
そして、やっぱり男性なので若くて可愛い子の方を好むのは当然だろう。


"お金"本当に人を楽しませ、悲しくさせるもの。周りは若さを売っているから私より稼ぎがある。
私は平凡な学生。その時点で格差が生まれる。結局周りは私のことを馬鹿にしていたと思う。
不細工でお金も無くてただ意地だけで来て、構ってもらえて勘違いを起こしている痛い子。

それでも私はLを追いたかった。

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