中学受験【繰り上げ合格】のその後

娘は、第一志望校から繰り上げ合格の電話をもらい、晴れて希望の学校にに通い初めた。
その時の受験エピソードはこちら。▼

『繰り上げ連絡きました!』

毎年、受験関連の掲示板には
『繰り上げ情報』のスレッドまであって、『受験のバトンが届きますように』との書き込みや、不合格でもまだ諦めきれず、繰り上げの連絡が来るのを熱望している親が多いことも見て取れる。

うちだって、第一志望校から合格の電話が来た時には、娘と泣いて喜んだ。最後の最後で受験の女神が微笑んだってそう思っていた。

けどそれは幸運なことだったのか。

入学してすぐから

「こんなの本当の合格じゃない」
そんな風に言い出すことが増えていた。

娘の部屋のゴミ箱には、ビリビリに破られた学年だよりが捨てられていた。

周りの子は、1回目2回目で合格していて受験番号があって、その時の様子を皆で嬉しそうに話していたらしく、自分だけ補欠での合格、そんなことは誰にも言い出せなかったのだろう。

合格最低ラインは、わずかな差でその何点かのラインに何人もいたはずです、と塾からは説明をされたけど、自分が学年の一番最下位にいるという現実を、引け目に感じてしまっていたのかもしれない。

でもこれは、多分その子自身の性格による部分が大きい気がする。

私の友人に娘が繰り上げで合格したことを話すと
『私も学生の頃そうだったよ!でも入っちゃえば全然関係ないよー!大丈夫!」
そんな体験談を聞いていたけど、明るい性格で友達も多い彼女だから、きっと前向きに捉えられたのだろう。

繰り上げ合格でも、普通に楽しんで学生性格を送る子はたくさんいるだろうし、娘も最初は不安定だったけど、すぐに友達もできて、新しい部活にも入り勉強も頑張って成績は真ん中か、少し上に位置していた。

だけど、本人曰く、同じ繰り上げ合格ので入学した子は何人かいたらしいけど、全員高校には進学しなかった(できなかった!?)らしい。

さすがに、私も仲の良くなった同級生のママさんたちに、結局最後まで繰り上げ合格のことは話さなかったし、噂も聞かなかったから真相はよくわからないのだけど。

いずれにしても、繰り上げ合格の連絡がきたら、それでも進学するかどうかの確認を、子どもと予め話し合っておいた方がいいのかもしれない。

学校から電話がきた時は、入学資格を受けますか、どうしますか?と聞かれてその場で即答しないといけなかった。

『勇者たちの中学受験』の中でも、繰り上がりについて話し合う場面があった。
(これが脚色か実話かは不明)

「浅野かサレジオから繰り上がりが来たらどうするの?」 「え、最下位で入るのは嫌だから、断っていいよ」
おおたとしまさ『勇者たちの中学受験』

ちなみに、成績が学年最低レベルに居続けることを”深海魚”というそう。

入学する時に下の方でも、入学してから頑張って成績が上がる子もいるだろうし、逆に本当なら成績上位のはずが本人のやる気が逸れて、深海魚になるケースだってあるかもしれない。

いずれにしても、中学校に入ってからも勉強はずっと続く。英語も始まるし私立なら尚更進みは早いしもっと難しくなる。繰り上げで入学したら学力の面では、それだけの覚悟は必要かもしれない。

中高一貫校やエスカレーター式の付属校は受験がないから楽なんてそんな生易しいものではなかった。自分の偏差値より高いレベルの学校に入ったのだから、成績に関しては入学してからも周りについていくのは中々大変だったと思う。

中学受験して合格してサクセスストーリーのように見えるけど、本当の始まりはそこからだということをつくづく感じた。

親や周りが「合格できてよかったね」と当たり前のように喜んでいても、本人も同じ気持ちとは限らないということ。

目標に向かって努力したという経験はいつかきっと役に立つだろう、この経験をバネにしていこう、これからの人生に生かしていこうと、子ども自身がそう思い、前向きになれるかどうか。

すぐにではないとしても、将来振り返る余裕ができた時に、何か得たものがあると思って欲しい。

「私は強くなったよ。」
高校の卒業式で娘はそう言った。

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